「農薬から農業と環境を考える」シンポジウム第2回の報告 [2014年05月31日(Sat)]
市民キャビネット農都地域部会は、5月24日(土)夕、「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポジウム第2回 を開催しました。
→シリーズ・シンポジウム第2回の概要(PDF) →イベント案内 会場の港区神明いきいきプラザ集会室に32名の参加者が集まり、講演と質疑、意見交換が行われました。 講師に、槌田博氏(生活クラブ連合会 品質管理部部長)と斎藤康之氏(生活クラブ連合会 品開発管理部)のお二人をお願いし、講演テーマは、「農薬問題ー生活クラブ生協の取り組みから」でした。 |
講演は、生活クラブの農産物の取り組みと農薬問題、提携生産者の取り組み、農薬削減の現状と課題、ネオニコチノイド系農薬への対応状況と課題について、資料を基に説明が行われました。 生活クラブは国産にこだわっていることや、・食物が人の健康を脅かさない、・農業・化学肥料をなるべく使用しない、・品質および安全性向上へ意欲的に取り組む、など、農業の基本姿勢に共感できました。また、「生産者にお願いして、(農薬削減のため問題の多い)有機リン系農薬からネオニコチノイド系(コストが高い)へ変えてもらったが、ミツバチなどの問題が出てきた苦い経験がある」とのお話が印象に残りました。 講演要旨は次の通り。 「生活クラブは、約40年前に200人あまりのお母さんが集まって牛乳などを「まとめ買いして安く分け合おう」という目的でスタートした生協(消費生活共同組合)。 生活クラブの組合員ひとり一人が、安心できるおいしい国産食材を購入することで、日本の農業、漁業、畜産、さらに自然環境を支えることにつながっていく。 生活クラブは、組合員と生産者が話し合っていく仕組みを作り上げ、互いの信頼関係を大切にして、食の「安全」「安心」を高めていくことが最も大切なことと考えている。このような観点からも農薬に関する考え方を整理してみた。 生活クラブは、農薬の使用は基本的には否定されるべきと考えている。その考えを純粋に追求してJAS有機栽培を実践している産地もある。しかし、周辺環境によっては難しい産地もある。 食料自給力の向上、持続可能な農業推進を考えた時に、グループ地場産地から指定産地まで多様な産地との提携が望ましいと考え、特別栽培農産物など農薬の毒性や散布回数の低減などの取組みも行い、生産者を支え、かつ組合員の要求を満たすべく活動している。」 続いて、『新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす』の著者である水野玲子 氏(NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事)から、「子どもたちを守るために、これからは被害の事例をどんどん言おうと思っている」などのコメントをいただきました。 参加者から、「価格競争と労働力についてや、“種”の問題をどう考えているか?」、「障害を持つ子が増えたことと農薬に関係があるのでは?」、「あてにできない団体が多い中で、生活クラブの今後の取り組みに期待したい」など、さまざまな質問や意見が出され、生活クラブのお二人と水野氏から、それぞれの説明や考えが述べられました。 アンケートにも多数の参加者から回答をいただきました。 →参加者アンケート結果(PDF) →シリーズ・シンポジウム第2回の概要(PDF) 「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポジウムも2回目となり、身近にあるのに気付かなかった農薬について、さまざまな側面から知ることができ、とても有意義な会になったと思います。 講師の皆様並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。 →「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポ第1回 の報告 →3月23日園芸研究所フィールドワークの報告
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