「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポ第1回 の報告 [2014年03月24日(Mon)]
市民キャビネット農都地域部会は、3月1日(土)午後、「農薬から農業と環境を考える」シリーズ・シンポジウム第1回 を開催しました。
→シリーズ・シンポジウム第1回の概要(PDF) →イベント案内 シンポジウムでは、埼玉県農林総合研究センター病害虫防除技術室長の近(こん)達也氏により、「農薬使用の現状と世界的な潮流 〜農薬の作用メカニズムと総合的病害虫管理」のテーマで、講演が行われました。 会場の港区神明いきいきプラザ集会室に36名の参加者が集まり、講演と質疑、意見交換が行われました。 |
講演は、農薬の歴史・変遷、農薬体系、農業現場での利用実態、世界的な動向について、資料を基に説明が行われました。 近氏は、「なるべく最小限に、いろいろな方法を使って」と、総合的病害虫管理の重要性を述べ、生物の多様性を高めるリビングマルチやバンカープランツ、コンパニオンプランツなどの活用が必要とお話しされました。 →当日プログラム、講師プロフィール(PDF) →近達也氏のプレゼン資料(PDF) 続いて、『ミツバチ大量死は警告する』の著者であるジャーナリストの岡田幹治氏(元朝日新聞社論説委員、元「週刊金曜日」編集長)からコメントをいただきました。 参加者から、さまざまな質問や意見が出され、近氏と岡田氏から、それぞれの見解が述べられ、病害虫の耐性と農薬の追っかけっこということが強く印象に残りました。また、スマートアグリが地域の小規模農業に与えるお話も興味深かったです。 →シリーズ・シンポジウム第1回の概要(PDF) アンケートは、参加者のうち23名の多数から回答をいただきました。 →参加者アンケート結果(PDF) スタッフがFacebookに感想を記してますので、転載します。 多くの方々の参加をいただき活発な議論が飛び交って、お蔭さまで盛況裡に終了いたしました。 講義の中では、農薬の効用と負の側面について偏ることなく語られました。講師の基本見解は、”農薬は使わないで済むなら、使わないのがよい”ただし、虫のつかないきれいな野菜でないと買わない消費者(大多数?)がいる、と述べられました。 講義のあと、講師とフロアの活発な議論の応酬に大いに触発されました。 小生は、農薬すなわち化学合成農薬に過度に依存した近代農業から農薬は使わないで済む農業に転換するには、自然界に豊富に存在する資材(例えば天然物薬剤)をはじめ古代農法や伝統農法をもっと見直すべきではないか、という立場です。 会場でお配りしたアンケートがあります。 「農薬は必要悪」日本の農業は、農薬がないと農産物の収量を確保し、国民に安定的に食料を供給できないという考えと有機農業を核とした日本の栽培技術をもってすれば可能だという考え などがあります。貴方はどちらを支持しますか? 農薬と農業の関係について理解が進み、さまざまな視点から課題を考える、たいへん有意義な会になったと思います。 講師並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。 →3月24日園芸研究所フィールドワークの報告
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