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『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』
[2021年01月31日(Sun)]
『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』(國分功一郎著、2020年、講談社現代新書)
2018年に放送された、NHKの番組「100分de名著」シリーズの「スピノザ エチカ―「自由に生きるとは何か」のテキストに新たに1章書き加えて、全体を再構成したもの。
スピノザさんは気になっている人なので、この番組も見たしテキストもその時読んだのですけど、いまいち理解していなかったことが改めて読んでみてわかった気がする。入門書としておススメです。
現代社会が、近代の選択した方向性の矛盾が飽和点に達しつつある社会だと認識する著者が、「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」を示す哲学としてスピノザの哲学を紹介しています。
副題にもあるように、この本では特に「自由」というものが大きなテーマになっています。近代からの流れで、現代社会においては自由とはもっぱら「意思の自由」というものがあるという前提で語られることが多いので、必然と自由は対立すると考えられています。
しかし、スピノザさんは、近代の黎明期にあって、より本質に返ってみて、個々人はそれぞれの制約、周りからの影響の中で考え活動しているので、必然性に従うことこそが自由であるものだと考え、ただ、その必然性は最初から分かっているわけではないので、いろいろと実験しながら自分の力が発揮できる方向性が徐々にわかっていき、自分が変わっていく中で見つかっていくものだ、という考え方のようです。
科学に代表されるような客観的な真理というものがあるという前提で進んでいった近代は、それなりに成果を上げてきたといわれていますが、ここに来て様々な世界的な問題が顕在化してきていて、そういうことを考える上での一つのヒントにはなりそうです(まだ、よく理解できていないような気もする)。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 06:35 | 02読書メモ | この記事のURL | コメント(0) |
10『うつくしいひと』2021サンクスシアターにて
[2021年01月30日(Sat)]
10『うつくしいひと』サンクスシアターにて (監督:行定勲、出演:橋本愛、姜尚中、高良健吾、石田えり、39分、2016年、日本映画)
2021年、映画鑑賞10作品目。
昨年のコロナ禍にあって、ミニシアターを支援するために立ち上がったクラウドファンディングで特典として付いてきたオンライン上での映画館であるサンクスシアター。1本観ただけだったので、6月には期限が来るのでそろそろ観なくてはと思って。
熊本県出身の監督や俳優があつまって、熊本の名所で撮影した熊本の地域活性化を目指した映画だったということは、観た後に知りました。
地方都市のひまそうな一人探偵事務所にほぼ同時に持ち込まれた2件の依頼。そのうちの1件は、うつくしい母娘の母を何者かが付け狙っているのではというもので、娘はバイトする喫茶店兼本屋で、本を買っていった不思議な男ではなかったのかと思うのだが・・・。
姜尚中さんのぎこちなさが味といえば味なのかも。
郷愁を感じる作品。 にほんブログ村 にほんブログ村
ジャムと餡(あん)を炊いてみた210123
[2021年01月29日(Fri)]
味噌づくりを行った日、餡とジャムも作りました。
ジャムは、これまでも何度も作っているのですが、もらった蜜柑(ミカン)が皮がガビガビになって普通に食べにくくなったのでその果汁をメインに、やはりもらったキウイフルーツやネーブル、キウイフルーツを熟成させるためにしばらく冷蔵庫に一緒に置いていたリンゴを使ったミックスジャム。こちらは予定通りうまくいきました。
餡のほうは、作ってみようと2、3年前に買っておいてそのままになっていた小豆を使って初めて作ってみました。日頃は、パンにクリームチーズとジャムを塗って食べているのですが、餡を塗って食べるのも一興だと思って。
まずはアク抜きのため、2、3回沸騰させては水を変え、そのあと柔らかくなるまで1時間くらいゆでて、その後キビ砂糖と塩少々を入れてさらにゆでる小豆の袋にはかいてあります。
砂糖などは十分柔らかくなってからでないと入れると硬いままになってしまうからと注意書きにあったのに、食べてみて、まだ固いなと思ったのですが、1時間以上ゆでたので大丈夫だろうと、キビ砂糖と塩を入れてさらにゆがきましたが、なかなかやわらかく炊き上がらない。
仕方なく途中で、マッシャーでつぶしながらなんとか餡風にはなりました。
パンにも塗ってみましたが、ちょっとぱさぱさなので、水で溶いて正月用に買っておいて余った玄米餅を入れたお汁粉にして食べてみると、不味くもないけどって感じ。やはり最初によくゆがいたほうがいいようです。歯ごたえがある餡というのはいまいちです。最初に失敗するというのは、次回気合が入るのでいいことなのでしょう。
やたらと炊いた日でした。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 04:49 | 17料理・食 | この記事のURL | コメント(0) |
絹と綿の二重ソックスの謎
[2021年01月28日(Thu)]
若い頃はそれほど気にならなかったのですが、年を経るごとに、冷え性気味になってきていて、特に、冬は足先が冷えます。
なので、冬には靴下を二枚重ねで履いたりといろいろ試行錯誤(本格的には、何重にも重ねて履くいわゆる“冷え取り”ソックスというのがあるようですが、私はそこまで重度ではないようです)した結果、裏地が絹で表地が綿になっている二重のソックスが私には最も適しているという現段階です。というか、おススメです。
知り合いから聞いて、試してみて、厚ぼったくならないわりに冷えが気にならないし、重ね履きの面倒くささがない(二重なのでずれて凹凸ができないようにちょっと気を付けないといけないのですが、慣れれば大したことない)ということでとても気に入っています。
が、しかし、数年前には数は多くなくても普通にゆめタウンみたいなショッピングモールなどに売っていたのに、最近は特に男性物はなく、インターネットで買うしかなくなってしまっています(しかも、選択肢がとても少なく、寒くなる前の早い時期でないと売り切れになったりしたこともある)。
これが、不思議でならないのです。東急ハンズなどに行っても、冷え対策に関して、女性用のグッズは充実しているのに、男性用となるとからっきしなのです。
考えてみると、男の知り合いと靴下のことを話すことはないような気もします。冷えやすい体質の人は、傾向として女性のほうが多いにしても、男性にも少なからずいるはずです。気合で乗り越えているのでしょうか?
ニーズが、顕在化していないのかも、それはどういうことなんだろう、と気になっています。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 04:52 | 16雑感 | この記事のURL | コメント(0) |
はじめて味噌をつくってみた210123
[2021年01月27日(Wed)]
毎週木曜の朝1時間、音声の配信をしている森田真生・生命ラジオの中で、ラジオ配信の終了後に参加できる人で、それぞれの場所で一緒に味噌をつくろうという企画があって、私はリアルタイムでは参加できなかったのですが、後でみんなでワイワイ音だけを頼りに味噌づくりをしている様子を聞いて、自分でも作りたくなってしまったので、やってみました。
大豆と麹の割合は、麹が多めなら大丈夫そうなので、残っていた大豆+新たに買った大豆と新たに買った麹を使い切るようにして、塩分量だけ12%になるように考えました。
前の晩から大豆を多めの水につけといて、
次の日の朝には、結構膨らんでます。
麹は、近くのスーパーに玄米麹と、普通の麹だけどメーカーの違うのが2種あったので、1個ずつ買いました。
麹は塩と混ぜておいて、
20分ほど圧力釜で大豆を炊くと、さすが圧力釜の威力で、大豆が十分柔らかくなり、マッシャーで簡単に滑らかになりました。
温度が適当に下がったところで、麹と塩を混ぜておいたものと一緒によく混ぜて味噌玉をつくって空気を抜き、シール付きのビニール袋に空気ができるだけ入らないように入れました。
あとは、キッチンの下に入れて数か月待つだけです。 味噌をつくるのは初めてなので楽しみです。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 04:42 | 17料理・食 | この記事のURL | コメント(0) |
9『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』2021レンタルにて
[2021年01月26日(Tue)]
『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』 (監督:セバスティアン・レリオ、出演:レイチェル・ワイズ、レイチェル・マクアダムス、アレッサンドロ・ニヴォラ、アントン・レッサー、アラン・コーデュナー、ニコラス・ウッドソン、114分、2017年、イギリス映画)
2021年、映画鑑賞9作品目。
イギリスにあるユダヤ教の厳格なコミュニティの中で育った2人の女性が主人公。
2人は愛し合っていたが、コミュニティの中では許されず、一人はユダヤ教指導者の父のもとを離れ、カメラマンとして単身ニューヨークで暮らしている。もう一人はそのユダヤ教指導者亡き後の後継者に予定されている2人の幼馴染と結婚してコミュニティの中で暮らすことを決意していた。
父である指導者が亡くなったことで2人は再開し、心の中に閉じ込めていたはずの思いがあふれ出し、2人の心は揺れ動く。
お互いを知り合っている、ある意味息苦しいコミュニティの中での安心を選ぶのか、先のわからない自分の思いに従う自由を選ぶのか? にほんブログ村 にほんブログ村
「旅色 TABIIRO」2021年2月号の表紙に錦帯橋と新垣結衣さんの写真が
[2021年01月25日(Mon)]
今日、ツイッターを眺めていたら、見慣れた風景が。
なんと、岩国の錦帯橋を背景に新垣結衣さんが写っているではないですか。「旅色」という無料の電子雑誌で、宮島〜岩国の江戸時代からある観光ルートを巡っている記事が巻頭に。
1月25日付けでアップされていて、新垣さんが宮島と岩国の名所を訪ねていて、ちょっとテンションが上がります。
なかなか旅行もままならない昨今ではありますが、落ち着いたらぜひ岩国へ。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 19:45 | 16雑感 | この記事のURL | コメント(0) |
『現代手芸考 ものづくりの意味を問い直す』
[2021年01月25日(Mon)]
『現代手芸考 ものづくりの意味を問い直す』(上羽陽子・山崎明子編、2020年、フィルムアート社)
私としては、こういう本を待っていました。
というのも、去年はコロナ禍で、ほとんど開催されなかったこともあり行っていないのですけど、近年全国で盛り上がっているハンドメイド作品のフリーマーケット(とか、マルシェとか言ってたりします)に行くのが好きですし(作家さんと話をするのが楽しい)、ものづくりで起業している知り合いもいたりと、ものづくりについていろいろと気になっていることが多いので(私自身は、たまに思いついて小物を作る程度)。
なんとなく思ってはいたのですが、日本においては、美術←工芸←手芸という階層があって、手芸は低く見られている雰囲気があるのは、やはりそういう面はあって、手芸自体は、明治初めに学制が敷かれたときに、女児小学に「手芸」という科目名が使われるようになってから本格的に使われるようになり(それまではお細工ものなどと呼ばれていた)、それは、生産技能や学識が男性に優先的に与えられた時代にあって、女性がモノをつくり稼ぎだすための技術としてあったこと、そして、高度成長期に家電品の普及などによって家事労働から解放されてきた主婦が、新たに作られた家庭像の中で、自分とその家族が暮らす家庭を素敵な空間にするために手芸にいそしむという面があったこと、2000年以降は、豊かな素材供給と自由な市場形成が出来上がり、「ハンドメイド」と呼称を変えて、製品のクオリティよりもセンス、技術よりもつくり手の想いが重要となってきて現在に至っていると。
そして、手芸的なるものが研究対象となっていなかったことから、博物館・美術館や美術系大学の研究者や編集者、文筆家などに声をかけて研究会を立ち上げて、議論を重ねる中で、手芸的なものを俯瞰していくために、「つくる×技術」「教える×伝承」「仕分ける×アイデンティティ」「稼ぐ×社会階層」「飾る×自己実現」「つながる×社会空間」という6つのテーマについて共同で書き進めています。
各章が、まずその章のテーマについての十数ページ分の論文的なひとまとまりの文章があり、次に、話題づくり的な3、4ページのコラムが3、4本、そして十数ページ程度の対談という作りになっていて、読みやすいいい構成になっている。
「あとがきにかえて」と最後に2人の編集者のミニ対談になっているところで、「本書が手芸的なるものに関わる人たちの思考の糸口になるといいですね」とあって、少なくとも私にとっては、まさにその通りの本となっています。一定の結論を出す、というより、こういう論点がありますよねという感じですが、いろいろ考えるヒントになります。
もちろん、ハンドメイドは、四の五の言わずに単純に楽しめばいいものだ、とも思ってはいるんですけど。
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Posted by 村夏至 at 04:44 | 02読書メモ | この記事のURL | コメント(0) |
親知らずをふいに抜きました210119
[2021年01月24日(Sun)]
緑内障や痛風のことなど、時々書いている健康や病気に関する小ネタ。
私は昔から歯並びが悪く、若いころはよく虫歯になっていたので、ここ10年以上は、半年に一度歯医者に行って定期健診を行い、歯石をとってもらったりしています。
最近特に、朝食の後と、寝る前には歯間ブラシやデンタフロスも使ったりして、丁寧に磨くようにしているので、「きれいに磨けていますね」と毎回言われるのがうれしかったりします(この年になると、日常的には褒められることはほとんどないので)。
実は、前回の定期健診の後、1か月も経過しない段階で、奥歯のかぶせ物が取れてしまったのですが、痛みもないし、まあ次の健診の時でいいか、とほったらかしにして、今月の健診で、診てもらいました。
最初、お医者さんが、再度かぶせ物をしようと少し削ったところで、「全然痛くないんですね?これは、もう神経が死んでるみたいですから、この歯を温存しようと思うなら、何度か通院してもらって丁寧に処置するか、この歯は親知らずなので、抜いてしまうかですけど、どうします?」と言うので、
「特に未練はないので、抜いてもらっていいですけど、今からですか?どれくらい時間がかかるのでしょう?痛みは?」と聞いてみたら、
「根は素直な感じなので、30秒くらいですかね。歯と骨が癒着していたら数分かかるかもしれませんけど」とあっさりした答え。
実は、この時まで、親知らずのことを意識したことはなく、いつの間にか抜けてしまってもうないのでは位の認識しかなく、同じ職場の若者が、最近親知らずを抜いて大変で、いまだに時々痛むという話を聞いて痛々しそうで、大変だねと言ったものの、どこか他人事と思っていて、意表を突かれた感じだったのです。
で、すぐに麻酔の注射を打って抜いてもらったわけですが、歯と骨がしっかり癒着していて、歯を削る機械で分割しながらになったため、10分どころではない(ちゃんと測ってはいかなったのでわからないけど)時間がかかり、しかも根の部分が化膿していたため、何度も途中で麻酔を追加しても、激痛ではないものの痛みがあって、結構大変でした。
先生も、終わって、「ごめんなさい。なかなか大変でしたね」と漏らしたほど。
年を経ていたため、予想以上に癒着していたのでしょう。
しかし、化膿止めと、痛み止めを処方されたのですが、化膿止めは念のため飲んだものの、麻酔が抜けても痛みが復活することはなかったので、結果としては後を引くことなく終わって一安心。
抜いた後は、穴が開いていますけど、食べ物の残りかすが詰まっても、そのうちそういったものは排除されて2か月くらい後くらいには自然にふさがるので、特に気を付けないといけないことはないとのこと。
急な展開でちょっとびっくりした日でした。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 06:38 | 16雑感 | この記事のURL | コメント(0) |
『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』
[2021年01月23日(Sat)]
『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』(太田啓子著、2020年、大月書店)
弁護士として、離婚事件を多く扱い、セクシャルハラスメントや性暴力被害に遭った人の代理人の仕事などもこなして、加害者としての多くの男性が自分の行動を反省するどころか、開き直って被害者を非難するような態度を取り、その考えを変えさせることの難しさを実感しながら、同時に、小学校6年生と3年生の息子を持つ母親として、日々社会環境から一面的な「男らしさ」「女らしさ」を学びつつある子どもたちがどうやって、社会から性差別をなくしていける社会の構成員になっていけるのかについて考えていること、実践していること、具体的にまじめに書いた本で、育児にかかわるとかかかわらないとか女性男性にかかわらず、多くの人に読んでもらいたいと感じました。
書かれていることはいちいちもっともで、私自身としては、こういう問題については比較的理解しているほうだと思っているのですけど、本当にちゃんと理解しているのかと言われると若干心もとない部分もあります。
私はこの本に書かれている、男性の側の問題(「有害な男らしさ」とか、性差別・性被害の問題など)の変わらなさによる息苦しさが、今日の少子化に関係する根本的なところだと思っていますので、自分の弱さもちゃんと言語化して回りに伝えるとか、日常的な何気ない男女差別的な発言や行動などを少しでもなくしていけるよう心掛け、具体的な行動につなげていきたいと思います。
本文中には大学在学中から、友人と主に女性からの恋の悩みを聞く活動を行っている男性、小学校で具体的に性教育やジェンダー教育に取り組んでいる男性教師、オーストラリアに夫と子どもを置いて主に単身赴任の形で日本でタレント・エッセイストとして活躍する女性との対談も挟まれていて、なかなか面白く、全体として読みやすいです。
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Posted by 村夏至 at 07:26 | 02読書メモ | この記事のURL | コメント(0) |
8『風の電話』2021レンタルにて
[2021年01月22日(Fri)]
『風の電話』 (監督:諏訪敦彦、出演:モトーラ世理奈、西島秀俊、西田敏行、三浦友和、139分、2020年、日本映画)
2021年、映画鑑賞8作品目。
主人公の高校3年生の女の子は、9歳の時に東日本大震災の津波で家族を亡くし、広島県呉市の親戚のおばさんのもとで静かに暮らしている。
まだ、生まれ故郷に帰ってみる勇気はなかったのだが、ある日頼りにしていたおばさんが倒れてしまい、あてもなく故郷に向かうことに。
途中、いろんな人に助けられながら、さまざまなことが起こりながら家族とともに過ごした家の後にたどり着く。そして、帰途につこうとしたとき、一人「風の電話」に向かう少年と出会う。
微妙な間があったり、必ずしもスムーズでない流れに身をゆだね、2011年から今までのことに想いをはせる映画。
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第635回郷土史研究会「中近世移行期の中世小領主(地侍)の処世について−由宇の村田氏の事例を通して−」210117
[2021年01月21日(Thu)]
岩国徴古館が月一ペースで開催している岩国の歴史に関する講座。新しい学芸員が講師となるとのことで受講してみました。
今回は、1600年の関ヶ原合戦ののち、吉川広家さんが周防国に入封されることになったとき、現在の岩国市の南部にある由宇に入ってきたわけですが、そのとき、由宇にいた七屋敷と呼ばれた小領主のうち、吉川氏を受け入れる側に回った村田氏がその後どういう立ち位置で活動したかを系図なども使いながら追う内容の講座。
村田氏は、功績を認められて武士の身分になることも提案されたようですが、そうなると、城下に住むことになって地元とのつながりがなくなるので、あえて地元に残り、地域のリーダーとしての権力を使うことを選んだようです。
その後もその末裔の人たちは、商人や医者や文化人などになって活躍したようで、武士の身分にとらわれず、地域に根差して、生きていくことを選んだことも多いのでしょう。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 05:04 | 30歴史 | この記事のURL | コメント(0) |
7『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』2021レンタルにて
[2021年01月20日(Wed)]
『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』 (監督・脚本:グレタ・ガーウィグ、出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン、ティモシー・シャラメ、トレイシー・レッツ、ボブ・オデンカーク、ジェームズ・ノートン、ルイ・ガレル、クリス・クーパー、メリル・ストリープ、135分、2019年、アメリカ映画)
2021年、映画鑑賞7作品目。
有名な小説『若草物語』をもとに制作された作品。
南北戦争時代のアメリカのとある4姉妹の成長物語。女性が自分の才覚で自立することが難しかった時代に、それぞれ個性あふれる姉妹が、夢や恋、様々な悩みや葛藤を抱えて生きていく物語。
とにかく、登場人物、画面や物語の作り、全体的に美しく見ごたえがある。 にほんブログ村 にほんブログ村
岩国徴古館企画展『江戸時代の風景−江戸の暮らしと文化−』201227〜210228
[2021年01月19日(Tue)]
2020年12月27日(日)〜2021年2月28日(日) 9時〜17時(月曜休館、月曜日が祝祭日の場合は翌日) 岩国徴古館(岩国市横山2-7-19)にて 入館無料
徴古館に豊富に所蔵されている(主に)江戸時代の資料を使い、法令などから見た武士や農民、町人の暮らしぶり、全国の名所図会などから見る風俗、錦帯橋や全国の橋の風景などについて紹介しています。
個々の資料自体は面白いのですが、もう少しテーマを絞ってもよかったのかも。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 04:36 | 30歴史 | この記事のURL | コメント(0) |
6『オリ・マキの人生で最も幸せな日』2021レンタルにて
[2021年01月18日(Mon)]
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』 (監督:ユホ・クオスマネン、出演:ヤルコ・ラハティ、オーナ・アイロラ、エーロ・ミロノフ、アンナ・ハールッチ、エスコ・バルクゥエロ、92分、2016年、フィンランド・ドイツ・スウェーデン映画)
2021年、映画鑑賞6作品目。
あるボクサーの実話をもとに作られた作品。1962年、アメリカ人チャンピオンを迎えて、フィンランドで初めての世界タイトルマッチが行われることになった。地元は当然のごとく盛り上がるのだが、主人公のフィンランド人ボクサーは、最後の調整のため指導者の下へ恋人を連れてやってくる。
世界タイトルマッチという大きな試合にしては、今では考えられないほどおおらかな雰囲気で準備が進む中、マイペースな主人公は、厳しいと思われた減量もなんとかこなしていくのだが・・・。
白黒フィルムで撮影され、ほっこりとした雰囲気。 にほんブログ村 にほんブログ村
『ウイスルの世紀 なぜ繰り返し出現するのか』
[2021年01月17日(Sun)]
『ウイスルの世紀 なぜ繰り返し出現するのか』(山内一也著、2020年、みすず書房)
日本のウイルス研究のかなり初期の段階からかかわっている著者によるウイルス全般に関する本『ウイルスの意味論−生命の定義を超えた存在』(山内一也著、2018年、みすず書房)がとても面白かったので、今回、新型コロナウイルス感染症の広がる中、特にウイルス感染症についてあらためて詳しく書かれていそうなので読んでみました。
まず、びっくりしてしまうのは、最初のほうで、 「そもそもウイルスに感染するとなぜ病気になるのだろうか。ウイルス感染症の発病メカニズムは、ウイルス学が進歩した現在でも、実はほとんどわかっていない」 と書かれているのです。 ちょっと説明が必要なのでしょうけど、例えばポリオウイルスは体内に入ると腸内で増殖するのですが、それだけでは病気が起こらず、ほとんどの人は治ってしまう。それが何らかの理由で神経細胞に入ってしまうと麻痺症状などを起こすのですが、どのようにして消化器から脊髄にウイルスが入るのかがわかっていないらしいのです。
それでも、もちろん、ウイルスが感染して増殖する仕組みや、感染拡大を防ぐための方策の研究についてはどんどん進んでいて、そのあたりを、実際にここ数十年に実際に流行が起こったウイルス感染症について、それぞれが発見されて克服されていく過程や、国際間で研究者のネットワークが存在して機能していることなどについて実例で示してくれています。
ニュースなどでも盛んに蝙蝠(コウモリ)がウイルスの宿主として取り上げられますが、実は蝙蝠は、自力飛翔できる唯一の哺乳類のため、広い移動範囲を持ち、大きな群れとなって生息する習性があるため、ウイルスの存続しやすさと多様な哺乳類に対する伝搬のしやすさという点で、ウイルスの宿主として最適な条件を備えた動物なのだそうです。
さらに、人間社会の発展によって、生活圏が野生動物の領域に広がってきたこと、移動が盛んになっていることなどが、もともとあったウイルスをヒトに感染する機会を増やしているという意味で、人間社会の在り方に問題があることについても説明されています。
そして、最後に、天然痘が根絶できたのは天然痘ウイルスが感染するのがヒトだけだったからで、今日たびたび起こっているウイルス感染症はいずれも野生動物を自然宿主としているので、根絶することは無理で、共生する道を探るしかないとしている点は強調しないといけないのでしょう。「ウイルスに人類が打ち勝つ」などという威勢のいいだけの言葉はむなしいという意味で。
いずれにしても、『ウイルスの意味論−生命の定義を超えた存在』、『ウイルスの世紀 なぜ繰り返し出現するのか』の2冊は、ウイルスの病気をもたらすものだけではない存在意義やウイルス感染症について考えるうえで基本的な知識を得るのによい本だと思います。
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Posted by 村夏至 at 06:22 | 02読書メモ | この記事のURL | コメント(0) |
5『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』2021レンタルにて
[2021年01月16日(Sat)]
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 (監督:グザヴィエ・ドラン、出演:キット・ハリソン、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、ジェイコブ・トレンブレイ、キャッシー・ベイツ、タンディ・ニュートン、ベン・シュネッツァー、123分、2018年、カナダ・イギリス合作映画)
2021年、映画鑑賞5作品目。
ハリウッドで活躍するスターが、29歳の若さで亡くなり、その死因について、当時11歳だった少年がスターと文通していたところに謎を解く鍵が?
少年は大人になり、夢をかなえて俳優になっており、スターとの文通についてあらためてインタビューを受けることになる。インタビューを行うのは日ごろ社会問題を取り扱う女性ジャーナリストで、次の取材に旅立つ前の時間の合間があったため依頼されたのだが、いまいち乗り気ではない。
少年の日々と、スターの孤独な日々が交互に語られていくのだが、手紙によって詳細がやり取りされていたわけではないはずなので、どこまで本当なのか想像なのかわからないまま話は進んでいき、女性インタビュアーも、次第に引き込まれていく。
スターのと、母と子だけの親子で暮らしていた少年のそれぞれの心情の機微が織りなす作品。 にほんブログ村 にほんブログ村
森田真生・生命ラジオ1月も始まりました210107
[2021年01月15日(Fri)]
昨年11月から始まった、若き独立研究者・森田真生さんがコロナの時代の生き方について日々学び、考え、実践していることを、周防大島の寄り道バザール主宰の中村明珍さんとの掛け合いで、毎週ラジオ配信している生命ラジオ。
新年(今月)も7日からはじまりました。
新年1回目では、西欧では、どの道を選ぶか選択できるというところに自由があると思われているが、東洋では、自分自身のリズムに合った生き方をしてそれが安定していると、おのずと道は決まってくるので、その道を行くこと自体が自由だという考え方があったりと、根本的に違うといったことや、西洋的な世界が進歩しているという考え方を世界に拡げていくことがこれまで一定の成果を上げてきて受け入れられてきたが、効率化を進めることによって、多くの人が生きる意味を失ってしまっていること、これまでの哲学が西欧の歴史に偏りすぎていたことの反省から、日本の現役で活躍している哲学者たちによって世界哲学という大胆な取り組みが行われつつあること、(特に危機的な状況については)競い合って一つのモデルを作るより、十分たくさんの独立したモデルができる状況を作ってそれらを平均したほうが一般にいい結果になる(多モデル思考)のことなど、いろんな人から自分なりに学びつつあることの途中報告があり、ヒントにあふれる盛りだくさんの内容でした。
参加方法など詳しくは、「寄り道バザール」のホームページで。 にほんブログ村 にほんブログ村
Posted by 村夏至 at 05:22 | 14社会変革 | この記事のURL | コメント(0) |
4『象は静かに座っている』2021レンタルにて
[2021年01月14日(Thu)]
『象は静かに座っている』 (監督:フー・ボー、出演:チャン・ユー、ポン・ユーチャン、ワン・ユーウェン、リー・ツォンシー、234分、2018年、中国映画)
2021年、映画鑑賞4作品目。
29歳で命を絶ってしまった監督のデビュー作にして遺作となった約4時間(234分)に及ぶ大作。
中国のあるさびれた炭鉱町。
友達をかばって、誤って不良の同級生を階段から突き落としてしまった高校生。その兄はやくざ者なのだが、その日の朝、友人を自殺に追いやってしまったことにひそかに自責の念に刈られている。母親との折り合いが悪く、教師との逢瀬にひと時の安らぎを見出している女子高生。子育て環境を気にして娘夫婦に老人ホーム行きを迫られている老人。
それぞれのやるせない事情を抱えた4人が少しずつ絡み合う一日。遠く離れた動物園にいる一日中座っているという象を見に行くことによって何かがかわるかも、と思いながら。
暗めで、近景と遠景のつかい方や画面やピントのぼかし方が独特で、あとで振り返ると白黒映画だったような気がする。
長時間なのにずっと緊張感があり、話の展開、登場人物のやり取りに目が離せない。 にほんブログ村 にほんブログ村
3『ソン・ランの響き』2021レンタルにて
[2021年01月13日(Wed)]
『ソン・ランの響き』 (監督・脚本:レオン・レ、出演:レエン・ビン・ファット、アイザック、ミン・フーン、トゥ・タイン、キム・ロアン、スアン・ヒエップ、102分、2018年、ベトナム映画)
2021年、映画鑑賞3作品目。
ベトナムの伝統歌舞劇<カイルオン>の花形役者。美形で技術的にも高い評価を受けているが、師匠からは感情がこもっていないことを指摘されている。彼が所属する劇団に、厳しい借金の取り立て人として名をはせている青年がやってくることになる。
ある日人付き合いの苦手な役者が、食堂で客に絡まれているところを、たまたま居合わせた青年が助けて一晩泊めてやることになり、出会うはずのかった二人の思わぬ交流が生まれる。青年がかつて<カイルオン>に欠かせない民族楽器<ソン・ラン>の奏者となることを夢見ていて今も大事に楽器を持っていたこともあり、さらに惹かれあう二人にの運命は?
物語も、主人公たちも、映像も、音楽も美しく切ない。 にほんブログ村 にほんブログ村
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