『昆虫はすごい』
『昆虫はすごい』(丸山宗利著、光文社新書、2014年)
私はどちらかというと野菜や植物の方により関心を持っているのですが、はたけの虫たちの写真を撮るようになって、昆虫にもどんどん興味を寄せるようになってしまっています。
というわけで何となく目にとまってしまった本。
帯に書かれていた、「虫はなんでもやっています」という言葉通り、本能とは言え、虫たちの生活様式や行動の恐るべき多様性の一端が、これでもかと出てきて楽しませてくれます。
それにしても、あるハチは、
@ 植物の葉の上に大量の卵を産み付け、
A その葉を食べるイモムシが葉と一緒に卵を食べると、食べることによって傷がついた卵がイモムシの体内で孵化する。
B そして、スズメバチがそのイモムシを捕まえて肉団子にして巣に持ち帰って幼虫に与えると、スズメバチの幼虫の体内に入り、そのスズメバチを食べ尽くすことによって成虫になるという、宝くじのような確率に運命を委ねて生存しているらしい。
そこまでの偶然によって生存している種があるというのは、どういうことなんだろう。と考えないわけにはいきません。むちゃくちゃ複雑な絡み合いによって、自然界のバランスが保たれているのだということに思いを馳せざるを得ません。
追記:本を読んでいると、調べてみるほどではないけど気になっていて棚に吊っていたことが解決したり、解決のための糸口が掴めたりすることがさらりと書いてあったりしてうれしくなることがあります。それは、実は専門家やちょっと詳しい人にとっては当たり前のことで特に書くほどもなかったりしたるするのでしょうけど。
この本でもそういうことがあったので少し書いておくと、
例えば、昆虫はなぜあんな激しい変態をするんだろうと気になっていたのですが、
「幼虫は餌の豊富なところで食事に専念し、確実に成長を遂げる。そして、これは飛翔能力の獲得とも関係するが、成虫になって、別の場所に(多くの場合、飛んで)分散し、近親者のいない場所や、ほかのよりよい生息環境に産卵する。」
と書いてあって、昆虫の幼虫は、ブヨブヨで無防備な感じだけど、それは短期間でもりもり食べてどんどん成長するためで、その後硬いからだと羽を身につけてよりよい環境を求めて移動するという面があるのだなあ、と思ったり、
アブラムシはお尻から「甘露」と呼ばれる汁を出して、それがアリの餌になっていて、アリはアブラムシの天敵から守ってあげているらしいんだけど、なぜ「甘露」を出すんだろうと思っていたら、
「アブラムシは、植物の汁(師管液)を吸い、そこから養分を吸収するのだが、植物の汁には必要以上の糖分が含まれていて、それをおしっことして排出する」
と書いてあって、なるほどと思ったり。
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私はどちらかというと野菜や植物の方により関心を持っているのですが、はたけの虫たちの写真を撮るようになって、昆虫にもどんどん興味を寄せるようになってしまっています。
というわけで何となく目にとまってしまった本。
帯に書かれていた、「虫はなんでもやっています」という言葉通り、本能とは言え、虫たちの生活様式や行動の恐るべき多様性の一端が、これでもかと出てきて楽しませてくれます。
それにしても、あるハチは、
@ 植物の葉の上に大量の卵を産み付け、
A その葉を食べるイモムシが葉と一緒に卵を食べると、食べることによって傷がついた卵がイモムシの体内で孵化する。
B そして、スズメバチがそのイモムシを捕まえて肉団子にして巣に持ち帰って幼虫に与えると、スズメバチの幼虫の体内に入り、そのスズメバチを食べ尽くすことによって成虫になるという、宝くじのような確率に運命を委ねて生存しているらしい。
そこまでの偶然によって生存している種があるというのは、どういうことなんだろう。と考えないわけにはいきません。むちゃくちゃ複雑な絡み合いによって、自然界のバランスが保たれているのだということに思いを馳せざるを得ません。
追記:本を読んでいると、調べてみるほどではないけど気になっていて棚に吊っていたことが解決したり、解決のための糸口が掴めたりすることがさらりと書いてあったりしてうれしくなることがあります。それは、実は専門家やちょっと詳しい人にとっては当たり前のことで特に書くほどもなかったりしたるするのでしょうけど。
この本でもそういうことがあったので少し書いておくと、
例えば、昆虫はなぜあんな激しい変態をするんだろうと気になっていたのですが、
「幼虫は餌の豊富なところで食事に専念し、確実に成長を遂げる。そして、これは飛翔能力の獲得とも関係するが、成虫になって、別の場所に(多くの場合、飛んで)分散し、近親者のいない場所や、ほかのよりよい生息環境に産卵する。」
と書いてあって、昆虫の幼虫は、ブヨブヨで無防備な感じだけど、それは短期間でもりもり食べてどんどん成長するためで、その後硬いからだと羽を身につけてよりよい環境を求めて移動するという面があるのだなあ、と思ったり、
アブラムシはお尻から「甘露」と呼ばれる汁を出して、それがアリの餌になっていて、アリはアブラムシの天敵から守ってあげているらしいんだけど、なぜ「甘露」を出すんだろうと思っていたら、
「アブラムシは、植物の汁(師管液)を吸い、そこから養分を吸収するのだが、植物の汁には必要以上の糖分が含まれていて、それをおしっことして排出する」
と書いてあって、なるほどと思ったり。
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