『僕には鳥の言葉がわかる』
『僕には鳥の言葉がわかる』
(鈴木俊貴著、2025年、小学館)
四十雀(シジュウカラ)が文法のある言葉を発していることを、丹念な観察と実験を積み重ねることによって世界で初めて発見(確認)し、動物たちの言葉についての新しい学問「動物言語学」の創設を、スウェーデンのストックホルムで開催された国際行動生態学会の基調講演で高らかに宣言した著者による初の単著。
動物同士も言葉を交わしているということはよく言われることで、例えば、鯨(クジラ)はすごく遠く離れた仲間と交信することができるとかいうことを聞くと、たぶんそうなんだろうなと漠然と思っていたので、鈴木さんが四十雀の言葉を発見したというニュースを聞いても、少し詳しく分かったのかな程度の感想しか持っていなかったのですが、考えてみると、この言葉がどういう意味を持っているとか具体的な話は聞いたことはありませんでした。
例えば、蛇(ヘビ)が現れた時「ジャージャー」と鳴いたとしても、それがただの注意喚起の信号なのか、それとも恐怖を感じて発した声なのか、それとも蛇を表す単語なのかというのを確定するのは、四十雀の心を読み取ることができないので難しい。
それを、「ジャージャー」という音を聞かせると同時に近くの木に蛇のような枝を上下させると、それが蛇ではないかと注意深く観察するかどうかといった様々な実験を多くの個体で繰り返すことによって確定していったことを詳しく説明してくれていて、驚きの連続です。
単語を特定するだけでなく、語順によって文章を作り出していることを、確かめる実験の工夫にはびっくりですが、とても読みやすい本なので詳しくはぜひ読んでみてください。
同じ場所に生きている小動物たちは、お互いの言葉をある程度理解しているようで、もともとヒトも、身近にいる動物の言葉を理解して、危険を回避したりしていたのではないかという視点も著者は持っていて共感できます。
そして、15年以上の年月をかけて四十雀の言葉の一端を解明してきた経験を活かして、現在、東京大学に新しい研究室「動物言語学分野・鈴木研究室」を立ち上げ、いろんな動物の言葉について研究しようとしています。
今後の研究が楽しみです。

にほんブログ村

にほんブログ村
(鈴木俊貴著、2025年、小学館)
四十雀(シジュウカラ)が文法のある言葉を発していることを、丹念な観察と実験を積み重ねることによって世界で初めて発見(確認)し、動物たちの言葉についての新しい学問「動物言語学」の創設を、スウェーデンのストックホルムで開催された国際行動生態学会の基調講演で高らかに宣言した著者による初の単著。
動物同士も言葉を交わしているということはよく言われることで、例えば、鯨(クジラ)はすごく遠く離れた仲間と交信することができるとかいうことを聞くと、たぶんそうなんだろうなと漠然と思っていたので、鈴木さんが四十雀の言葉を発見したというニュースを聞いても、少し詳しく分かったのかな程度の感想しか持っていなかったのですが、考えてみると、この言葉がどういう意味を持っているとか具体的な話は聞いたことはありませんでした。
例えば、蛇(ヘビ)が現れた時「ジャージャー」と鳴いたとしても、それがただの注意喚起の信号なのか、それとも恐怖を感じて発した声なのか、それとも蛇を表す単語なのかというのを確定するのは、四十雀の心を読み取ることができないので難しい。
それを、「ジャージャー」という音を聞かせると同時に近くの木に蛇のような枝を上下させると、それが蛇ではないかと注意深く観察するかどうかといった様々な実験を多くの個体で繰り返すことによって確定していったことを詳しく説明してくれていて、驚きの連続です。
単語を特定するだけでなく、語順によって文章を作り出していることを、確かめる実験の工夫にはびっくりですが、とても読みやすい本なので詳しくはぜひ読んでみてください。
同じ場所に生きている小動物たちは、お互いの言葉をある程度理解しているようで、もともとヒトも、身近にいる動物の言葉を理解して、危険を回避したりしていたのではないかという視点も著者は持っていて共感できます。
そして、15年以上の年月をかけて四十雀の言葉の一端を解明してきた経験を活かして、現在、東京大学に新しい研究室「動物言語学分野・鈴木研究室」を立ち上げ、いろんな動物の言葉について研究しようとしています。
今後の研究が楽しみです。

にほんブログ村

にほんブログ村