『「腸内細菌」が健康寿命を決める』
『「腸内細菌」が健康寿命を決める』(辨野義己著、2021年、インターナショナル新書)
腸内細菌がまだあまり注目されていなかった時から、日本人のみならず、外国にも赴き、その人の生活状況を調査するとともにウンチをもらい、1万倍に希釈して培養して細菌を調べるという地味な研究を、48年間ひたすら行ってきた著者の膨大な臨床データと経験則に基づいていると思われるものの、かなりかみ砕いてシンプルに役に立ちそうなことだけ書いている印象。
著者は、大便菌、ラクノスピラ、といった食物繊維から酪酸を作る菌やビフィズス菌が主に長寿に資する菌のグループであるととらえているようです。
しかし、腸内細菌にとって大切なのはバランスなので、特効薬があるわけではなく、そのためには、野菜など食物繊維の多いものや乳酸菌などの発酵食品を食べる食生活と、散歩などに適度な運動と過度なストレスを避け、毎日排便がある状態が保たれているということに尽きるようです。
「腸は第二の脳」とか、「腸は第一の脳」と言ってもいいといわれてりしますが、そこのとについて少し説明してあるところが面白かったです。
外部から入ってくる異物を避けるために免疫機能というものがあり、しかし、生きていくためには食べ物を直接摂取しなくてはならないので、「経口免疫寛容」と言って、明らかに腐っているものなど以外は有害な菌であってもとりあえず口から受け入れ、腸内で有害な菌が繁殖してしまったら、急激な場合は腸内の常在菌が攻撃をして下痢を促すし、日ごろから腸内細菌と協力して免疫の働きをし、その情報を伝達するための神経細胞が集中していて、神経伝達物質であるホルモンも多く産出しているとのこと。
また、発生学的にも、脊椎動物の始まりは脳も胃も心臓もなく腸が主体になっているイソギンチャクなどの腔腸動物で、そこで外敵から身を守るために発達した神経細胞が後の脳に進化していくことなどから言われていることのようです。
著者が個人的に健康のためにしている食生活などの日常生活も参考になります。
現段階では、腸内細菌の個別の役割が確定的にわかっているわけではないこともありながら、遺伝子情報などから、腸内細菌のバランスを調べて、腸内細菌について調べて食生活などについてアドバイスする会社が立ち上がっており、著者もかかわっているようす。ホームページなどで見る限りでは、常識の範囲内から大きく外れた感じではないのですが、今後いろんな知見が積みあがって、面白い結果が出てくるような気もします。
にほんブログ村
にほんブログ村
腸内細菌がまだあまり注目されていなかった時から、日本人のみならず、外国にも赴き、その人の生活状況を調査するとともにウンチをもらい、1万倍に希釈して培養して細菌を調べるという地味な研究を、48年間ひたすら行ってきた著者の膨大な臨床データと経験則に基づいていると思われるものの、かなりかみ砕いてシンプルに役に立ちそうなことだけ書いている印象。
著者は、大便菌、ラクノスピラ、といった食物繊維から酪酸を作る菌やビフィズス菌が主に長寿に資する菌のグループであるととらえているようです。
しかし、腸内細菌にとって大切なのはバランスなので、特効薬があるわけではなく、そのためには、野菜など食物繊維の多いものや乳酸菌などの発酵食品を食べる食生活と、散歩などに適度な運動と過度なストレスを避け、毎日排便がある状態が保たれているということに尽きるようです。
「腸は第二の脳」とか、「腸は第一の脳」と言ってもいいといわれてりしますが、そこのとについて少し説明してあるところが面白かったです。
外部から入ってくる異物を避けるために免疫機能というものがあり、しかし、生きていくためには食べ物を直接摂取しなくてはならないので、「経口免疫寛容」と言って、明らかに腐っているものなど以外は有害な菌であってもとりあえず口から受け入れ、腸内で有害な菌が繁殖してしまったら、急激な場合は腸内の常在菌が攻撃をして下痢を促すし、日ごろから腸内細菌と協力して免疫の働きをし、その情報を伝達するための神経細胞が集中していて、神経伝達物質であるホルモンも多く産出しているとのこと。
また、発生学的にも、脊椎動物の始まりは脳も胃も心臓もなく腸が主体になっているイソギンチャクなどの腔腸動物で、そこで外敵から身を守るために発達した神経細胞が後の脳に進化していくことなどから言われていることのようです。
著者が個人的に健康のためにしている食生活などの日常生活も参考になります。
現段階では、腸内細菌の個別の役割が確定的にわかっているわけではないこともありながら、遺伝子情報などから、腸内細菌のバランスを調べて、腸内細菌について調べて食生活などについてアドバイスする会社が立ち上がっており、著者もかかわっているようす。ホームページなどで見る限りでは、常識の範囲内から大きく外れた感じではないのですが、今後いろんな知見が積みあがって、面白い結果が出てくるような気もします。
にほんブログ村
にほんブログ村