『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』
『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』(國分功一郎著、2020年、講談社現代新書)
2018年に放送された、NHKの番組「100分de名著」シリーズの「スピノザ エチカ―「自由に生きるとは何か」のテキストに新たに1章書き加えて、全体を再構成したもの。
スピノザさんは気になっている人なので、この番組も見たしテキストもその時読んだのですけど、いまいち理解していなかったことが改めて読んでみてわかった気がする。入門書としておススメです。
現代社会が、近代の選択した方向性の矛盾が飽和点に達しつつある社会だと認識する著者が、「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」を示す哲学としてスピノザの哲学を紹介しています。
副題にもあるように、この本では特に「自由」というものが大きなテーマになっています。近代からの流れで、現代社会においては自由とはもっぱら「意思の自由」というものがあるという前提で語られることが多いので、必然と自由は対立すると考えられています。
しかし、スピノザさんは、近代の黎明期にあって、より本質に返ってみて、個々人はそれぞれの制約、周りからの影響の中で考え活動しているので、必然性に従うことこそが自由であるものだと考え、ただ、その必然性は最初から分かっているわけではないので、いろいろと実験しながら自分の力が発揮できる方向性が徐々にわかっていき、自分が変わっていく中で見つかっていくものだ、という考え方のようです。
科学に代表されるような客観的な真理というものがあるという前提で進んでいった近代は、それなりに成果を上げてきたといわれていますが、ここに来て様々な世界的な問題が顕在化してきていて、そういうことを考える上での一つのヒントにはなりそうです(まだ、よく理解できていないような気もする)。

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2018年に放送された、NHKの番組「100分de名著」シリーズの「スピノザ エチカ―「自由に生きるとは何か」のテキストに新たに1章書き加えて、全体を再構成したもの。
スピノザさんは気になっている人なので、この番組も見たしテキストもその時読んだのですけど、いまいち理解していなかったことが改めて読んでみてわかった気がする。入門書としておススメです。
現代社会が、近代の選択した方向性の矛盾が飽和点に達しつつある社会だと認識する著者が、「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」を示す哲学としてスピノザの哲学を紹介しています。
副題にもあるように、この本では特に「自由」というものが大きなテーマになっています。近代からの流れで、現代社会においては自由とはもっぱら「意思の自由」というものがあるという前提で語られることが多いので、必然と自由は対立すると考えられています。
しかし、スピノザさんは、近代の黎明期にあって、より本質に返ってみて、個々人はそれぞれの制約、周りからの影響の中で考え活動しているので、必然性に従うことこそが自由であるものだと考え、ただ、その必然性は最初から分かっているわけではないので、いろいろと実験しながら自分の力が発揮できる方向性が徐々にわかっていき、自分が変わっていく中で見つかっていくものだ、という考え方のようです。
科学に代表されるような客観的な真理というものがあるという前提で進んでいった近代は、それなりに成果を上げてきたといわれていますが、ここに来て様々な世界的な問題が顕在化してきていて、そういうことを考える上での一つのヒントにはなりそうです(まだ、よく理解できていないような気もする)。

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