01カテゴリー解説 (2)
『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』
『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』
（小島健志著、2018年、ダイヤモンド社）
エストニアと言うとバルト三国の中の一つ。バルト三国と言うと、昨年６月に、西岩国にある織物屋STUDIO WWWOOLの店主がバルト三国の手仕事を巡る旅をしてきて展示会を行っていて楽しい話を聞いた時の素朴なイメージしかなかったのですが、最近にわかにニュースなどで電子化先進国として取り上げられているので、どんなものなのか気になって読んでみました。
最初に掲載されていた基礎データによると、人口130万人、面積４万５千平方キロメートル、ＧＤＰが260億ドルとあります。私の住んでいる山口県が、大体140万人、面積が６千平方キロメートル、県民総生産が（大雑把にドル換算すると）520億ドルなので、人口は山口県とほぼ同じ、面積は７倍程度、総生産額が半分程度という小さな国ということになります。
建国100年を迎えたとは言え、多くの期間を他国に支配されており、直近では1991年に旧ソ連から独立したという経緯があり、行政の中心を担っていたソ連の人々が一気に去って国の基礎を失ったため、①誰が国民なのかを把握する、②新しい法律を作る、③自国の通貨制度を整える、といった急務を、厳しい財政状況の中で実現するために、一気にＩＴ戦略にかじを切ることができたという背景があるようです。
その結果、全国民にデジタルＩＤカードが配られ、「結婚」「離婚」「不動産売却」以外は、24時間オンラインで行うことができるようになっている。わかりやすい例で言うと、子どもが生まれて10分で、各種手続きが済んだことを知らせる『お祝い』メールが政府から届くらしい。
こういった利便性は、反面、公文書改ざんなどが行われ、行政に対する不信が大きい日本では、個人の情報が悪用されるのではと不安にも感じられるわけですが、最新の技術を活用しつつ、個人情報に誰がアクセスしたかを個人個人が確認できるよう透明性を確保すると共に、個人情報の不正利用は厳罰に処すことなどによって、信頼を得ているよう。
その他、電子上「仮想住民」に手軽になることができ、ＥＵ加盟国であるエストニアで事業を始めることができることや、自分たちが「世界を変えられる」ということを実感できるような教育（『子どもの社会力』という本をこのブログで紹介して以来、関心を持ち続けているテーマ）を目指すなど、教育を重視することによって、起業にやさしい環境づくりをおこなっていることなど、「人は好きなときに、好きなところで生活し、働き、学び、友に出会い、子を育て、人生を楽しむことができる」という理想を目指して新しい国づくりに、日々アップデートし続けているエストニアの概要について知ることができ、今後のエストニアに注目したくなる。
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（小島健志著、2018年、ダイヤモンド社）
エストニアと言うとバルト三国の中の一つ。バルト三国と言うと、昨年６月に、西岩国にある織物屋STUDIO WWWOOLの店主がバルト三国の手仕事を巡る旅をしてきて展示会を行っていて楽しい話を聞いた時の素朴なイメージしかなかったのですが、最近にわかにニュースなどで電子化先進国として取り上げられているので、どんなものなのか気になって読んでみました。
最初に掲載されていた基礎データによると、人口130万人、面積４万５千平方キロメートル、ＧＤＰが260億ドルとあります。私の住んでいる山口県が、大体140万人、面積が６千平方キロメートル、県民総生産が（大雑把にドル換算すると）520億ドルなので、人口は山口県とほぼ同じ、面積は７倍程度、総生産額が半分程度という小さな国ということになります。
建国100年を迎えたとは言え、多くの期間を他国に支配されており、直近では1991年に旧ソ連から独立したという経緯があり、行政の中心を担っていたソ連の人々が一気に去って国の基礎を失ったため、①誰が国民なのかを把握する、②新しい法律を作る、③自国の通貨制度を整える、といった急務を、厳しい財政状況の中で実現するために、一気にＩＴ戦略にかじを切ることができたという背景があるようです。
その結果、全国民にデジタルＩＤカードが配られ、「結婚」「離婚」「不動産売却」以外は、24時間オンラインで行うことができるようになっている。わかりやすい例で言うと、子どもが生まれて10分で、各種手続きが済んだことを知らせる『お祝い』メールが政府から届くらしい。
こういった利便性は、反面、公文書改ざんなどが行われ、行政に対する不信が大きい日本では、個人の情報が悪用されるのではと不安にも感じられるわけですが、最新の技術を活用しつつ、個人情報に誰がアクセスしたかを個人個人が確認できるよう透明性を確保すると共に、個人情報の不正利用は厳罰に処すことなどによって、信頼を得ているよう。
その他、電子上「仮想住民」に手軽になることができ、ＥＵ加盟国であるエストニアで事業を始めることができることや、自分たちが「世界を変えられる」ということを実感できるような教育（『子どもの社会力』という本をこのブログで紹介して以来、関心を持ち続けているテーマ）を目指すなど、教育を重視することによって、起業にやさしい環境づくりをおこなっていることなど、「人は好きなときに、好きなところで生活し、働き、学び、友に出会い、子を育て、人生を楽しむことができる」という理想を目指して新しい国づくりに、日々アップデートし続けているエストニアの概要について知ることができ、今後のエストニアに注目したくなる。
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