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MI ジャーナル

―はたけと芸術を楽しみつつ、仮説を立てながらいろんな人と協働して問題解決を図り、子どもとともによりよい社会を目指していきたい、そんなことを考えている人のヒントになりたい―


キーワードは、農業(はたけ)・仮説実験授業・楽しさ・子ども劇場・芸術文化・冒険遊び場(プレイパーク)・チャイルドライン・協働などなど(ただし、私の中でつながっているだけで、それぞれに直接的な関係があるわけではありませんので、誤解のないようお願いします)


「MI ジャーナル」とは、Micro Intermideate Journal(マイクロ・インターミディエット・ジャーナル)。元のタイトル「農芸楽仮説変革子ども」は私の関心領域のキーワードをつないだだけだったので、2010年3月3日より、私の日々の情報発信という意味で、MI(村夏至)ジャーナルとしたのですが、2014年9月4日から、MIの意味を変えて、小さいながら何かのきっかけや何かと何かをつなぐ内容にしたいという意味の名称にしました(詳しくは、カテゴリー「21MIジャーナル」をご覧ください)。

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『発達障害』

[2017年10月27日(Fri)]
『発達障害』(岩波明著、2017年、文春新書)

1710発達障害.JPG

「発達障害」という用語が一般的に使われるようになった大きなきっかけは、2000年に起きた17歳の少年が起こした「動機のない」無計画な殺人と言われた「豊川主婦殺人事件」で、少年が「アスペルガー症候群」と診断されたことかららしい。しかし、著者によると、それは誤審であり、本人も自分が行ったことの責任を取るつもりだったので、きちんと法の裁きを受けたほうが本人のためだったのではないか、とその事件の経緯などについて詳しく解説してくれています。

そのように、「発達障害」は一言で終わらせてしまうにはあまりに多様でわかりにくいものであることは、私も日ごろから感じていたので、手に取った本。実際に、多くの臨床経験を持つ著者によって、個別具体的な事例が数多く書いてあって、わかりやすい、というかわかりにくさについて丁寧に説明してあっておススメです。

代表的な、ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠如多動性障害)それぞれについての具体的な特徴や共通点と相違点に加えて、9000冊の書籍を丸暗記できるような驚異の能力を持つサヴァン症候群や「文字や形に色を感じ」たり「形に味を感じたり」する共感覚(シネステジア)、学習障害と発達障害の関係、歴史に名を遺す天才たちと発達障害についてなど総合的に概観できるように思います。

専門家でも診断が難しいと言われている「発達障害」は、特に少年事件における被告人の刑罰減免のために濫用されることがあり、この用語を広く世の中に広める役目を果たした一方で、偏見を助長した面があり、最後に、「発達障害を社会に受け入れるために」と題して、具体的に、デイケアなどによるプログラムによって、本人たちが日常生活の中で感じる「生きづらさ」にどう対処していくか、あるいはどのように本人の個性を生かして生活していくかを検討することによって、就職ができるようになる例についても書いてあり、そういったことは、一般社会もちゃんと理解することと両輪になって進めていかれなければいけないことだと感じます。

この本を読んでいくと、程度の差こそあれ、自分にもそういう部分があるかも、ということもあるのですが、多様性を活かしていくことこそ求められている今の時代にあって、とても参考になる本です。


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