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MI ジャーナル

―はたけと芸術を楽しみつつ、仮説を立てながらいろんな人と協働して問題解決を図り、子どもとともによりよい社会を目指していきたい、そんなことを考えている人のヒントになりたい―


キーワードは、農業(はたけ)・仮説実験授業・楽しさ・子ども劇場・芸術文化・冒険遊び場(プレイパーク)・チャイルドライン・協働などなど(ただし、私の中でつながっているだけで、それぞれに直接的な関係があるわけではありませんので、誤解のないようお願いします)


「MI ジャーナル」とは、Micro Intermideate Journal(マイクロ・インターミディエット・ジャーナル)。元のタイトル「農芸楽仮説変革子ども」は私の関心領域のキーワードをつないだだけだったので、2010年3月3日より、私の日々の情報発信という意味で、MI(村夏至)ジャーナルとしたのですが、2014年9月4日から、MIの意味を変えて、小さいながら何かのきっかけや何かと何かをつなぐ内容にしたいという意味の名称にしました(詳しくは、カテゴリー「21MIジャーナル」をご覧ください)。

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『人類とカビの歴史 闘いと共生と』

[2013年07月30日(Tue)]
人類とカビの歴史.JPG

『人類とカビの歴史 闘いと共生と』(2013年、浜田信夫著、朝日選書)

梅雨時期に、つい購入してしまった本。

私のカビに対する関心は、最近やたら除菌○○というものがはやっているけど、生ごみをほぼすべてはたけの堆肥として活用している身としては、生ごみが細菌などの働きによってうまく分解してくれないと困るし、毎週友人から買っている天然酵母パンの酵母は、空気中に普通に漂っているモノだと言うし、一方で、取り置いた食事が腐って食べられなくなってしまうのも困ったものだといった、身近にいて、うまく付き合っていくしかないものだけど、実際のところどんなものなのか、というものなので、そういうことを考えるヒントがあればいいかなという感じ。

のっけから、微生物には大きく分けて、菌類(キノコ、カビ、酵母、地衣、粘菌)と細菌とウイルスに分かれていると書いてあって、そういうのをあまり区別せずに考えていたなあと。生鮮食品の場合、カビは細菌との生存競争にさらされていて、湿っていて栄養分がたっぷりな食品では、成長の速い最近に負けてしまうので、カビが生えるより早く腐ってしまい、悪臭を放つようになるのだそう。

それでも、この本、書いている人がよくカビのことを知っているはずなのに(だから)、それでどうなんだ(全自動洗濯機になって、脱水層と洗濯層の隙間がせまく、乾燥しにくいので洗剤を栄養とするカビがはびこっているのはわかったけど、それはどうしても除去しなければならないほど害があるのかよくわからない)、という話が多く、ちょっと消化不良。

しかし、ところどころに、はっとするようなことが書いてあって、ついつい読んでしまった。

例えば、枯草、落ち葉、朽木などを分解して土に還す地球の掃除屋としての役割を持つ菌類は、しかし、歴史的にみると植物とバランスよく発達してきたわけではなく、石炭紀(3億6000万年前〜3億年前)と呼ばれる巨大なシダ植物が大森林を形成した時代に、それを分解するキノコなどの繁栄がついていけず、巨大な植物遺体が分解されずに堆積され続けたために大量な石炭が化石として埋蔵されることになったらしいことなどは、なかなか興味深い。

また、多くのカビと違って、成長が早く、塊になった栄養源を活用できるコウジカビ属は、実は調べてみると自然界ではあまり多くなく、人類が農耕を行い、快適な環境の住居に定住し、食料の保存を行うようになって、住居の湿り気の多い片隅に住み、少しでも保存状態の悪い食料の上前をはねることによって、人とともに繁栄するようになったらしい。一方人間もしたたかで、その身近なコウジカビ属の中にはカビ毒を生産するものもある中、人にとって有用なお酒や醤油を作ってくれるコウジカビを選び、品種改良(!?)を重ねて活用してきているのだそう。

人間の作った穀物などの上前をはねるような生活をしているために人間がいなくなった集落からはいなくなるスズメや、蛇などの天敵に襲われるリスクの少ない軒先に巣をつくるツバメ、人間が開発したり耕したりすることによって更地になったところにまず生えてくる雑草など、実は、人間と生物というのはいろいろなレベルでかかわりがとても多いことに驚かされることがままありますが、微生物もそうなんだなあ。

微生物の場合は、目に見えないだけで、そこいらじゅうにたくさんいて、目に見える生物とのかかわりも含めて、微妙なバランスの上に成り立っているのだと思うので、私はやたら排除する方向の除菌○○があまり好きになれないのです。

基本的には著者は、もともとカビと人類は共存してきたのだから、過敏になりすぎないほうがいいという態度なので私的には共感はできます。

久々に、本の紹介を書くと、ずいぶん時間がかかったわりに、雑で読みにくくて申し訳ありません。


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