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MI ジャーナル

―はたけと芸術を楽しみつつ、仮説を立てながらいろんな人と協働して問題解決を図り、子どもとともによりよい社会を目指していきたい、そんなことを考えている人のヒントになりたい―


キーワードは、農業(はたけ)・仮説実験授業・楽しさ・子ども劇場・芸術文化・冒険遊び場(プレイパーク)・チャイルドライン・協働などなど(ただし、私の中でつながっているだけで、それぞれに直接的な関係があるわけではありませんので、誤解のないようお願いします)


「MI ジャーナル」とは、Micro Intermideate Journal(マイクロ・インターミディエット・ジャーナル)。元のタイトル「農芸楽仮説変革子ども」は私の関心領域のキーワードをつないだだけだったので、2010年3月3日より、私の日々の情報発信という意味で、MI(村夏至)ジャーナルとしたのですが、2014年9月4日から、MIの意味を変えて、小さいながら何かのきっかけや何かと何かをつなぐ内容にしたいという意味の名称にしました(詳しくは、カテゴリー「21MIジャーナル」をご覧ください)。

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タクシーのIT化について(システムから考える社会変革)

[2012年03月15日(Thu)]
先週末に久々に関西方面に旅行をして、ちょっと飲みすぎて地下鉄の最終をのがしてしまい、タクシーに乗る羽目になってしまったときの話です。

運転席の横を見ると目の前にGPSとディスプレイがあったので、思わず聞いて見ました。

私(以下M):タクシー乗るの久々なんですけど、GPS積んでるんですね?便利なんでしょうけど、働くものとしてはどうですか?

運転手(以下T):便利だけど、まあ、今どこにいて、お客さんを乗せているか、乗せていないか、休憩しているか、とかいうのが全部本社にわかってるからね。ごまかしがきかないと言えばきかないね。

M:そのパネルは?

T:小さいながら、ちゃんとウインドウズがはいっているんだよ。

M:つまりパソコンってこと?

T:そうそう、で、お客さんのことを入力できるようになっているんだけど、導入当初はいらない機能がたくさん入っていて、例えば、お客さんの背の高さとか、服装とかを入れるようになってたんだけど、そんなの夜なんかは暗くてよくわからないし、今は、一番必要な、お客さんにも最初に聞いた、ポイントカードを持っているかどうかを主に聞くようにしているんですよ。

M:ああ、コンビニのレジで入力する顧客情報のまねっこで、タクシーに使うということをちゃんと考えてなかったんでしょうね。そういうシステムって、最初のころに導入した業者は、お金をもらってもいいくらいですよね。実際に使ってみて、修正箇所を教えてくれるわけですから。

T:まあ、そうなんだけど。で、ポイントカードを持っている人の動きっていうのは、本社で確実に把握しているよ。
ただ、(フロントガラスの中央上に付けてある)こいつは役に立つね。

M:なんですかその丸いの?

T:カメラが付いてて、ずっと撮影してるんだけど、この機械に振動が伝わったときに、前後10秒くらいを記録するようになってて、毎日カードからその情報を本社で吸い上げて、空にしてまたカードを入れるようにしているんだよ。これがあると事故があったときにどういう状況だったか一発でわかるんで便利なんだよ。ただ、急発進なんかをして振動した場合にも記録するので、運転の荒い人がわかるので、同じような人がいつも怒られているよ。目の前で自分とは関係ない事故が起こったときなんかも、この機械をたたいて振動を与えると、記録してくれるので役に立つこともあるよ。

M:すごいですね、文明の利器というものは。でも、最初の話じゃないけど、だんだん世知辛くなって余裕と言うものがなくなりますね。

T:うん、私は自分でもパソコンを触るほうだから抵抗ないけど、触るのもいやって人もいて、パネルに入力するのがいやでやめていった人もいるね。

などと話しているうちに、目的地に着いて、

T:このあたりは価格競争が激しいから、この時間帯でこの値段なら安いでしょ?

M:ありがとうございました。確かに田舎に比べたら安いように思いますね。

てな感じの会話を楽しんで降りたわけですが、いろいろと考えさせられる20分間でした。

タクシー業界もどんどんIT化が進んで、顧客管理が進み、その結果顧客サービスも進んでいることがうかがえます。

しかし、です。

まず一つには、そのことによって、運転手さんはいつも監視されていて、緊張感が伴う(普通に仕事をすればいいのでしょうけど、なんだかね)。

パソコン入力になんとなくなじめない運転手は、疎外され、場合によってはやめざるを得なくなる。

そして、カードを持ったタクシーをよく利用するお客さんの個人の動きという個人情報が、把握されてしまう(まあ、悪用はされないのでしょうが)。

その結果顧客サービスが向上するのでしょうけれども、その顧客って、タクシーをよく利用する人ですよね。そういうお客さんへのサービスは向上する(そして、お金儲けにはつながる)かもしれないけど、考えてみると公共交通とも言えるタクシーにとって、私などのようにたまにしか乗らなくてポイントカードも持っていない、多くの人のほうが大切なのではないかと思うのは、私のうがった考えでしょうか?

つまり、コストをかけて、特定の顧客のための情報をせっせと集めて、そういった顧客にサービス(ポイントによる割引なども含めて)いることになってしまう。

どうせお金をかけるなら、お金持ちの顧客情報を管理するためのパソコンやソフトの導入より、生身のお客さんに対面で接して、ちゃんと節度ある気持ちいい接客に徹するための研修に使うほうがいいような気がするのですけれども・・・(いえいえ、断っておきますが、今回私の乗ったタクシーの運転手さんはとてもいい感じの人だったです)。

逆の発想をすると、よくタクシーを使う人は、それなりにお金を持っていて、どちらにしてもタクシーを使うわけだから、そういう人にはちゃんと支払っていただいて、なけなしのお金でたまにしか使わない人に割り引く、という考え方があってもいいのではないかと思うのです [これはタクシー会社のCSR(企業の社会的責任)?]。

これって、そういう考え方を前面に出してやってみると、もしかしたら顧客が増えるかもって思う私って、甘すぎるのでしょうか?

例えばシステムでの作り込みを考えると、これまでのポイントカードを使って、ポイントが初乗り1区間分(例えば590円分)たまったら、必要上1区間分乗りたいお年寄りなどが乗ったとき、運転席の後あたりについているボタンを押してルーレットのようなものが回るようになっていて、当たりが出ると、その1区間分がタダになる。当たったと同時に、そのポイントカードの持ち主の携帯に、「あなたのポイントが、京都駅から乗ったご老人の1区間分の乗車料に使われました。ありがとうございます」というメッセージが入る。もっと作り込めば、乗車席に手書きのパッドが置いてあって、乗車料がタダになった人から手書きの一言メッセージが携帯に送れる仕組みになっている。「急にちょっと重たい荷物を運ばなくてはならなくなって、困ってタクシーに乗ったのですが、無料になって助かりました。ありがとうございます」みたいな。そういうのって、自分の乗車料がポイントに合わせて安くなるのよりずっとうれしくないですか?

こうやって、税金を介さずに、お金が再配分される仕組みは、私がちょっと考えてみるただけでもこの程度なら出てくるので、退職したシステムエンジニアの人などが、グループを作って、安い時給でそういうシステムを構築すれば、もっといいものができるのではないか、などと考えているのです。

こういう、システムが社会をつないでいく、社会をつないでいくシステムを考える。楽しいやりがいのある仕事になるのではないかと思うのですが、いかがでしょう?



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