『粘菌 その驚くべき知性』
『粘菌 その驚くべき知性』(中垣俊之著、PHPサイエンス・ワールド新書、2010年5月)
粘菌というと、森の中でたまにみかけるちょっと変った生物で、南方熊楠さんという人が研究していた、くらいの認識しかなかったのですけれど、この本は、粘菌の知的ともいえる行動を研究して、「知る」とはどういうことかという哲学的なことを構想しています。
この本で紹介している粘菌は、単細胞生物でありながら、目に見える大きさになり、条件がよければ1時間に1cmくらいの速さで動くことができ、迷路を解いたり、複数の地点をうまくネットワークで結ぶことができたり、自分の嫌いなものがあったときに立ち止まって引き返したり、一定間隔の時間を置いて起こる刺激に対してそれを予測したりと、さまざまな行動をします。
そして、その仕組みを大胆な仮説で説き起こそうとしているのです。
私たちは、とかく脳というものを重視しがちで、脳の大きさでその生物の知能を判断したりしますが、脳ばかりか神経さえない単細胞生物だって、知的な行動をするということは・・・?
私の関心のある身体知というものの、最も基礎的な研究という気がして、とても興味深い。
粘菌というと、森の中でたまにみかけるちょっと変った生物で、南方熊楠さんという人が研究していた、くらいの認識しかなかったのですけれど、この本は、粘菌の知的ともいえる行動を研究して、「知る」とはどういうことかという哲学的なことを構想しています。
この本で紹介している粘菌は、単細胞生物でありながら、目に見える大きさになり、条件がよければ1時間に1cmくらいの速さで動くことができ、迷路を解いたり、複数の地点をうまくネットワークで結ぶことができたり、自分の嫌いなものがあったときに立ち止まって引き返したり、一定間隔の時間を置いて起こる刺激に対してそれを予測したりと、さまざまな行動をします。
そして、その仕組みを大胆な仮説で説き起こそうとしているのです。
私たちは、とかく脳というものを重視しがちで、脳の大きさでその生物の知能を判断したりしますが、脳ばかりか神経さえない単細胞生物だって、知的な行動をするということは・・・?
私の関心のある身体知というものの、最も基礎的な研究という気がして、とても興味深い。