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MI ジャーナル

―はたけと芸術を楽しみつつ、仮説を立てながらいろんな人と協働して問題解決を図り、子どもとともによりよい社会を目指していきたい、そんなことを考えている人のヒントになりたい―


キーワードは、農業(はたけ)・仮説実験授業・楽しさ・子ども劇場・芸術文化・冒険遊び場(プレイパーク)・チャイルドライン・協働などなど(ただし、私の中でつながっているだけで、それぞれに直接的な関係があるわけではありませんので、誤解のないようお願いします)


「MI ジャーナル」とは、Micro Intermideate Journal(マイクロ・インターミディエット・ジャーナル)。元のタイトル「農芸楽仮説変革子ども」は私の関心領域のキーワードをつないだだけだったので、2010年3月3日より、私の日々の情報発信という意味で、MI(村夏至)ジャーナルとしたのですが、2014年9月4日から、MIの意味を変えて、小さいながら何かのきっかけや何かと何かをつなぐ内容にしたいという意味の名称にしました(詳しくは、カテゴリー「21MIジャーナル」をご覧ください)。

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『りんの母通信』

[2026年02月10日(Tue)]
『りんの母通信』
(りんの母著、文芸社、2026年)

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先日開催された、岩国市の市民活動団体が一堂に会する市民活動カフェで、久々に出会った人から直接購入した本。

知り合いの中にはすごいなと思う人はたくさんいて、この人「りんの母」もその一人。

子どもが発達障害を抱えていることから、親の会を作って勉強会や講演会などを開催していき、いろんなところに働きかけたり、物件を探したり、協力者を集めたりして、やがて就労継続支援A型事業所(利用者の最低賃金を守り、労災への加入や有給休暇の付与を受けながら、本人の特性に応じて支援を受けつつ障がい者が働くことができる場所)を立ち上げるまでになったバイタリティ溢れる人です。

その過程で、通信を出すようになって、そこに掲載した子どもとの暮らしを綴ったエッセイのようなものをまとめたもので、事業所で作った美味しい洋菓子を時々買っていたので読んでいたはずでしたけど、見落としていたものもあったりで、新鮮な気持ちで読むことができました。

直接本人と話をするときも感じるのですけど、とても大変な経験をしていながら、飄々と淡々としていてユーモアたっぷりで楽しい。

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『これが最後のおたよりです』

[2026年01月31日(Sat)]
『これが最後のおたよりです』
(アミの会編、2021年に刊行された『11の秘密 ラスト・メッセージ』を2025年に改題、文庫化したもの、ポプラ文庫)

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2022年に亡くなった友人の光原百合さんの小説や詩などを振り返る展示「光原百合の世界」が昨年末ふくやま文学館で行われ、知り合いと鑑賞に行ったときに購入した本。

光原百合さんを含めて作家11人で作る「アミの会」が、さまざまなテーマのもと、短編集を編んでいる中で、「ラスト・メッセージ」をテーマにされたもの。

短い中に、さまざまな謎や思いが込められながら、現代的な話題も取り上げられていて、楽しくもいろいろ思いをはせながら読むことができます。


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『ラマヌジャンの数学』

[2026年01月17日(Sat)]
『ラマヌジャンの数学』
(小島寛之著、2025年、BULUE BACKS)

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知り合いが大学でラマヌジャンさんというインドの数学者に興味を持って研究しているという縁で、ラマヌジャンさんの名前は知っていたのですが、その業績について全く知らなかったので、たまたま寄った本屋のブルーバックスコーナーにこの本があったので手に取ってみることにしました。

もともと理系だったのですが、数学はそれほど好きではなく、むしろ、大人になって、このブログでも一つのアーカイブを作っている仮説実験授業を通して、数学的な考え方には興味を持てるようになったような気がしています。

この本では、最初こそ数式を確認したりできていたのですが、だんだん面倒になって読み飛ばしてしまうようになって、理解できていない部分が多いものの、ラマヌジャンさんの略歴や、数学の世界の追及の仕方とか、発想の面白さの一端を知ることができました。

数学の世界の中でも特に現代に近いものは、現実離れしているようで、意外なところで現実とつながっているところがあるという話を最近聞いたりするので、理解できると面白いんでしょうけどね。


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『生活者のための総合雑誌 ちゃぶ台14』

[2026年01月10日(Sat)]
『生活者のための総合雑誌 ちゃぶ台14』
(ミシマ社、2025年)

2512ちゃぶ台14.JPG

雑誌と銘打ちながら、年1、2回発行なので、正確には雑誌とは言えないらしい『ちゃぶ台』の14冊目。

今回の特集の、1つは「お金、闇夜で元気にまわる」と、もう一つは「十年後の移住のすすめ」。

最初の特集では、最近たまたまテレビの特集番組で見た、広島県庄原市にある「よろずや書店」ウィー東城店でを中心に開催された「ちゃぶ台マルシェ」の様子から。

人口3万人、高齢化率44パーセントのまちにあって、本屋でありながら、人と人をつなぐいろんなイベントを行ったり、不登校の人を受け入れる職場となったりしているパワフルな店長さんを交えた普通?の経済活動としてはあり得ないお金(人)の動き方が面白い。

もう一つの特集では、この雑誌の創刊号で取り上げられた「移住のすすめ」をたまたま読んで、本当に周防大島に移住した若者の手記が。

その他連載記事もあり、あいかわらず読みどころたくさんの楽しい雑誌です。


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『人類と気候の10万年史』

[2025年12月17日(Wed)]
『人類と気候の10万年史』
(中川毅著、2017年、BLUE BACKS)

2512人類と気候の10万年史.JPG

古い時代の気候変動を解明する地質学の一部屋である古気候学は、従来の地質学の研究対象である数万年や数億年というスケールでの研究で、多くの成果を上げてきたものの古すぎることもあってかなり大きな誤差があるようです。

近年、年縞(ねんこう)と呼ばれる1年に1枚ずつ形成される薄い地層である特殊な堆積物をはがしていくよう分析することによって1年ごとの出来事の推移を調べることができるようになり、1991年に福井県の水月湖に発見された年縞は、良質で45メートルの厚さ、7万年以上もの年月をカバーすることがわかり、その中に含まれる花粉の種類や密度によって当時の植生、ひいては気候がわかるようにりました。

大きく見ると、地球の地軸のずれの周期にあわせて10万年単位で気候の変化がみられるが、もう少し小さなレベルでみると2万3000年周期で寒暖の波がみられ、現在は11700年位前に不安定で寒い時代が終わって安定して暖かい時代にあり、いつ不安定で寒い時期に移るかわからない時代にあるものの、人類による二酸化炭素排出などによって暖かくなってきている状態のようなのです。

面白いのは、人類の歴史は少なくとも20万年以上あるといわれていて、気候的にいろんな時代を過ごしていることになるわけですが、農耕が始まったのが、ちょうど今の安定した暖かい時代の始まりと同時であり、自然の多様性の中で気候が変わって取れる植物や動物が変わっても取れるものを取って暮らす狩猟採集の生活から、単一なものを植えて育てる効率的な農業に依存することによって繫栄することになったと考えられるというところです。

今後、人類の影響による温暖化は進むにしても、気候が不安定な時代がやってきた場合、現在のような単一な農業が成り立たなくなってしまう可能性があり、かといって、人口が増えている現代においては、多様で何らかの食料があるにしても効率でない狩猟採集時代に戻ることはできないことになるわけです。

著者は、もちろん古気候学の研究者なので気候のことだけ説明してくれているのですが、しかし、今後、増えた人類が協力していけば、多様性と、生産性の共存の道を切り開くことができるのでは、と結んでいます。


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『板倉聖宣 数学教育を語る』

[2025年12月01日(Mon)]
『板倉聖宣 数学教育を語る』
(板倉聖宣講演録、山田岳史編集、2016年、さんがく出版)

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長年、仮説実験授業研究会の代表を務めていて2018年に亡くなった板倉聖宣さんの(1977年から2001年にかけて話された)数学教育に関する3つの講演を文字起こししたものを山田さんが再編集したもの。

仮説実験授業研究会では、理科をメインに現在では数学の授業書(プリントを配りつつ進める教科書兼ノートのようなもの)もできていますが、数学の授業書ができる以前も含めたもので、通常こういった講演録というものは著作権上勝手に作ることはできないのですが、板倉さんは生前から、講演などに関してあえて著作権を放棄しているとの旨の発言をしていていたので、こういう自作の冊子(通称:ガリ本)を作ることができるのです(公式に書かれた著作は著作でたくさんある)。

板倉さんは、大学では科学史を研究して、仮説実験授業の考え方を作りあげたのですが、もともと数学も好きだったようで、数学史のことも織り交ぜながらより広い立場から板倉さんならではの視点で、数学教育について語ってくれています。

大きい小さいというのはあくまで基準をどこに置くかによって変わるといった数のとらえ方を大切にすることでだまされないようになることや、抽象的な現代数学でも具体的なイメージや実験的な部分があるといったことなどいろいろ興味深いです。


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『椿の海の記』

[2025年11月24日(Mon)]
『椿の海の記』(石牟礼道子著、1967年、朝日新聞出版)

水俣病で苦しみ闘う人々の姿を、その自然との生活とともに独特の文章で描いた『苦界浄土』で有名な石牟礼道子さんが、自分が4才だった時期、水俣病の原因となるチッソ水俣工場はできていたが、まだ水俣病がなかったころの集落での暮らし、自然とのかかわりなどを4才の目線で描いた作品。

家族や職人や町の人々、そして自然とのやり取りを何と表現したらいいのかわからないくらい生々しく精緻で、素晴らしいとしか言いようがない。


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『あのころの僕は』

[2025年11月13日(Thu)]
『あのころの僕は』
(小池水音著、2024年、集英社)

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母親を病気で亡くしたばかりで、親戚の人たちの温かい手助けのもと暮らしている5歳の男の子と、イギリスから父親を残して日本に帰ってきた同い年の女の子。

欠けたもの同士がお互いに仲良くなることなどを、あくまで子ども視線で描き、特に大きな盛り上がりがあるわけではないけど、そのころ、子どもなりに感じたり考えたりすることを言葉にしてくれているようで、思わず読み進んでしまう。


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『庭師 小川治兵衛とその時代』

[2025年11月03日(Mon)]
『庭師 小川治兵衛とその時代』
(鈴木博之著、2013年、東京大学出版会)

2510庭師小川治兵衛とその時代.JPG

琵琶湖の水を、灌漑、運輸、飲用水、工業用動力として京都で活用するために1890(明治22)年に完成した琵琶湖疎水は、近代化が進む日本におけるお抱え外国人技師によらない大きな国家プロジェクトだったということを、私は知りませんでした。

そして、その疎水の支線が、京都の北東部を流れる白川の少し上部を並行して逆方向に流れるように作られ、工事の当初は、支線から白川に向けて水を流して水車を回し、工業用の動力にする計画だったことも。

工事の途中で、水力発電が実用化されることがわかり、実際に水力発電所が作られたため、疎水の支線は当初の目的からまぬかれて、主に灌漑用水として利用されることになったが、工業地帯になる予定だった場所は、風光明媚で、当初芸術家なども住むようになり、やがて富裕層の別荘などとなって、(疎水支線沿いは「哲学の道」と名付けられるようになった)、そこで水を利用した近代的な庭が作られるようになった。

その場所で、七代目庭師 小川治兵衛が、職人集団として、何かを抽象するというより、自然を生かした庭を作り、やがて、全国規模で要人の庭造りを展開することになったことについて、資料をたどって概説してくれていて興味深い。

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『世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ』

[2025年10月28日(Tue)]
『世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ』
(齋藤ジン著、2024年、文春新書)

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バブル時代に日本の都銀に入行し、その在り方に疑問を感じてアメリカに渡り、ヘッジファンド向けのコンサルタント業界に飛び込んで、長年お金儲けという観点で世界の動きを見てきた著者による、世界の見方についての本。

ちなみに、ヘッジファンドとは、手元の資金を元手にそれよりはるかに大きな金額を動かして取引をすることだそうで、成功と失敗の落差が激しい、私などからすると全くの別世界の話なのですが、そういう人たちと直接接することのある著者によると、彼らは、勝負そのもの持つスリルという快感と、その裏返しの恐怖・コンプレックスを強烈な動機として、仕事中毒になっている「変な人」(ギャンブル依存症?)なのだそうで、前半はそういった世界について垣間見させてくれます。

それはそうと、この本の主眼は、「大きな政府」が求められる時と「小さな政府」が求められる時は、どちらが正しいというより状況によって世界的に流れがあって、今「小さな政府」を求める新自由主義の流れが終わりつつあって政治が大きな位置を占めてくるようになっている中、日本は、米中対立において、地政学的に重要な位置を占めているため、大きな影響力を持つアメリカにとって強くなってほしい国であるということに加えて、「失われた30年間」の間、重視していた雇用の確保によって抱えていた余剰人員が退職してきたこと、もともと日本では政財官の協力関係があったこと、GDPの7割を占めながら生産性の低かったサービス業が伸びしろとなりえること、格差が比較的大きくないことなど、複合的な理由によって(このあたりは、私は十分は理解できなかった)、日本にとってチャンスなので、とはいえ、そのチャンスにうまく乗れるかどうかは、今後に取り組みにかかっていること、のようです。


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