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MI ジャーナル

―はたけと芸術を楽しみつつ、仮説を立てながらいろんな人と協働して問題解決を図り、子どもとともによりよい社会を目指していきたい、そんなことを考えている人のヒントになりたい―


キーワードは、農業(はたけ)・仮説実験授業・楽しさ・子ども劇場・芸術文化・冒険遊び場(プレイパーク)・チャイルドライン・協働などなど(ただし、私の中でつながっているだけで、それぞれに直接的な関係があるわけではありませんので、誤解のないようお願いします)


「MI ジャーナル」とは、Micro Intermideate Journal(マイクロ・インターミディエット・ジャーナル)。元のタイトル「農芸楽仮説変革子ども」は私の関心領域のキーワードをつないだだけだったので、2010年3月3日より、私の日々の情報発信という意味で、MI(村夏至)ジャーナルとしたのですが、2014年9月4日から、MIの意味を変えて、小さいながら何かのきっかけや何かと何かをつなぐ内容にしたいという意味の名称にしました(詳しくは、カテゴリー「21MIジャーナル」をご覧ください)。

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『庭の話』

[2025年10月10日(Fri)]
『庭の話』
(宇野常寛著、2024年、講談社)

2509庭の話.JPG

インターネットが発達し、facebookやXなどSNSで多様な価値観が共存するようになるかと思いきや、画一的なプラットフォーム上でお互いに評価・承認しあうことによって、世界と素手で触れているという実感を得る魅力に多くの人が取り込まれている昨今にあって、かつて人々を縛り付けていた家族や国家などのようなものに回帰するのではなくて、そういったプラットフォームを壊していく理想的なイメージとして、著者は「庭」をいろんな場面で実装することを提言します。

「庭」の条件とは、
1 人間が人間以外の事物とのコミュニケーションをとるための場所
2 人間外の事物同士がコミュニケーションを取り、外部に開かれた生態系を構築している場所
3 人間がその生態系に関与できること、しかし、完全に支配することはできない場所

その具体例として、外の庭とつながりやすく、適度に個別に作業ができるようにデザインされた就労継続支援B型施設(主に心身の障害によって「通常の」事業所に雇用されることが困難な人のための就労施設)や、銭湯などの場をあげたりする一方で、「庭」の条件をすべて満たす社会的な大状況としての「戦争」を、どう考えるのか、とか、「孤独」や「制作」の重要性など、明確な回答というより、さまざまな事象の持つ両義性を慎重に検討しながら思索していて、いろいろ考えさせられつつ一気に読ませる本です。


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