『菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』
『菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』
(渡邉格・麻里子著、2021年、ミシマ社)
2008年に自家採取の天然酵母と国産小麦だけを使ったタルマーリーという名前のパン屋になり、千葉、岡山を経て2015年に鳥取県智頭町に移住して、現在、パン、ビール、カフェを展開しているともに東京生まれの夫婦の本。
実は、周防大島の「島の寺子屋」で2015年にこの夫婦を招いた講演会が開催されていて、都合が合わずに参加できなかったのですが、以来気になっていました(思えば、タルマーリーが智頭町に移って結構すぐのタイミングだったのですね)。
岡山県真庭市で廃業の危機に会いながら、奇跡的に智頭町の元保育園で再開したころの話をメインに、仮説を立てながら結論のない菌との対話を繰り返しながら、理想のパン作り、ビール造りにいそしむ姿がとても面白い。
2020年、コロナ禍で人間の活動が半ば強制的に緩やかになったとき、もともと田舎で自然環境豊かな智頭町にあっても、麹菌採取がいつになくうまくいったことについて、それまでは、古民家でないといい麹菌が採取できないと思っていたが、より広い世界の自然環境の変化についても考える必要があることを感じた、というくだりなど、うなってしまう。
ビール酵母をつかったパン作りや、長期熟成ビールや、乳酸菌の酸味の残るサワービールについてなど、いろんな菌が影響しあう発酵の世界に人間もかかわっていること、機械に置き換えることができるところは機械を使うことなど、考えさせられる話ばかりです。
タルマーリーに行ってみたくなります。
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(渡邉格・麻里子著、2021年、ミシマ社)
2008年に自家採取の天然酵母と国産小麦だけを使ったタルマーリーという名前のパン屋になり、千葉、岡山を経て2015年に鳥取県智頭町に移住して、現在、パン、ビール、カフェを展開しているともに東京生まれの夫婦の本。
実は、周防大島の「島の寺子屋」で2015年にこの夫婦を招いた講演会が開催されていて、都合が合わずに参加できなかったのですが、以来気になっていました(思えば、タルマーリーが智頭町に移って結構すぐのタイミングだったのですね)。
岡山県真庭市で廃業の危機に会いながら、奇跡的に智頭町の元保育園で再開したころの話をメインに、仮説を立てながら結論のない菌との対話を繰り返しながら、理想のパン作り、ビール造りにいそしむ姿がとても面白い。
2020年、コロナ禍で人間の活動が半ば強制的に緩やかになったとき、もともと田舎で自然環境豊かな智頭町にあっても、麹菌採取がいつになくうまくいったことについて、それまでは、古民家でないといい麹菌が採取できないと思っていたが、より広い世界の自然環境の変化についても考える必要があることを感じた、というくだりなど、うなってしまう。
ビール酵母をつかったパン作りや、長期熟成ビールや、乳酸菌の酸味の残るサワービールについてなど、いろんな菌が影響しあう発酵の世界に人間もかかわっていること、機械に置き換えることができるところは機械を使うことなど、考えさせられる話ばかりです。
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面白そうですね。