岩国出身の監督_藤岡利充さんによる、『映画「立候補」』
『映画「立候補」』(ドキュメンタリー映画、監督:藤岡利充、100分、2013年)
岩国出身の監督が製作したというひいき目で記事を書くかもと思っていましたが、実際観てみると、そんなの抜きでとても面白くていい作品です。
昨年、広島の横川シネマで上映していたときに観たかったのですが、時間的に無理だったので残念に思っていたら、DVD化されることを知り、6月最初の発売と同時に通販で予約購入。
購入後しばらく観る時間がなくて、ようやく観ることができました。
2011年に、橋下さんが仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長選で、立候補した4人の泡沫候補?を追いかけたドキュメンタリーフィルム。その4人の中でも特に取り上げられているのが「マック赤坂」さん。
まず最初に、「政治に不満がある」ときどうするかという問いに対して、
1 家の中でグチる。
2 家の外でガナる。
3 投票へ行く。
4 立候補する。
5 革命を起こす。
という選択肢が出てきて、数ある選択肢の中から、4を選んだ人たちというくくりで立候補者を取り上げている視点、決して特別で奇異な人としてでなく追っかけていこうという姿勢がいい。
もちろん、ちょっと変わった人たちであるのは確かなのですが、ずっと追いかけているうちに、人間的な面が見えてくるので、親しみが持てるし、考えさせられることも多い。
普通に考えて、当選することはありえない、圧倒的な弱者である候補者に対して、当選した候補者の支持者の群衆が示した態度は、多数の横暴とか多数の暴力というものを実感させるに十分なものがあります。
そういった描写にも、特別な誇張などが感じられない分、迫ってくるものがあります。
細かいことを書くと、テロップの入れ方に小技が効いていたりする(地名を表示したテロップが、電車が通ったときに電車に隠れて、電車が通り過ぎたらあらわれたりしてます)のも面白いし、背景の音楽が結構よかったりと、全体的にもいい作りだと思います。
後で聞いたところによると、初回プレスは売り切れたそうで、現在は追加プレスされているそうです。
オーディオコメンタリー(映画の副音声として、映画の進行に合わせて、監督や関係者がコメントを入れているもの。この作品に関しては、監督とプロデューサーが掛け合いでコメントを入れています。当然ながら、本編と同じ時間かかるので聴く側は時間的に大変といえ大変)が付いていて、こちらはまだ全部は聞いていないのですが、なかなか楽しい。
特典映像で、気になる人たちのその後を追いかけたりしているのも興味深い。
ますます活躍して欲しい監督です。
追記:私自身は、オーディオコメンタリーというのは、ジャン=ピエール・ジュネ監督の『ロング・エンゲージメント』ではじめて聴いて、このときは監督が一人でしゃべっていて、とても面白かった記憶があります。

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岩国出身の監督が製作したというひいき目で記事を書くかもと思っていましたが、実際観てみると、そんなの抜きでとても面白くていい作品です。
昨年、広島の横川シネマで上映していたときに観たかったのですが、時間的に無理だったので残念に思っていたら、DVD化されることを知り、6月最初の発売と同時に通販で予約購入。
購入後しばらく観る時間がなくて、ようやく観ることができました。
2011年に、橋下さんが仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長選で、立候補した4人の泡沫候補?を追いかけたドキュメンタリーフィルム。その4人の中でも特に取り上げられているのが「マック赤坂」さん。
まず最初に、「政治に不満がある」ときどうするかという問いに対して、
1 家の中でグチる。
2 家の外でガナる。
3 投票へ行く。
4 立候補する。
5 革命を起こす。
という選択肢が出てきて、数ある選択肢の中から、4を選んだ人たちというくくりで立候補者を取り上げている視点、決して特別で奇異な人としてでなく追っかけていこうという姿勢がいい。
もちろん、ちょっと変わった人たちであるのは確かなのですが、ずっと追いかけているうちに、人間的な面が見えてくるので、親しみが持てるし、考えさせられることも多い。
普通に考えて、当選することはありえない、圧倒的な弱者である候補者に対して、当選した候補者の支持者の群衆が示した態度は、多数の横暴とか多数の暴力というものを実感させるに十分なものがあります。
そういった描写にも、特別な誇張などが感じられない分、迫ってくるものがあります。
細かいことを書くと、テロップの入れ方に小技が効いていたりする(地名を表示したテロップが、電車が通ったときに電車に隠れて、電車が通り過ぎたらあらわれたりしてます)のも面白いし、背景の音楽が結構よかったりと、全体的にもいい作りだと思います。
後で聞いたところによると、初回プレスは売り切れたそうで、現在は追加プレスされているそうです。
オーディオコメンタリー(映画の副音声として、映画の進行に合わせて、監督や関係者がコメントを入れているもの。この作品に関しては、監督とプロデューサーが掛け合いでコメントを入れています。当然ながら、本編と同じ時間かかるので聴く側は時間的に大変といえ大変)が付いていて、こちらはまだ全部は聞いていないのですが、なかなか楽しい。
特典映像で、気になる人たちのその後を追いかけたりしているのも興味深い。
ますます活躍して欲しい監督です。
追記:私自身は、オーディオコメンタリーというのは、ジャン=ピエール・ジュネ監督の『ロング・エンゲージメント』ではじめて聴いて、このときは監督が一人でしゃべっていて、とても面白かった記憶があります。

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