ドキュメンタリー映画『標的の村』を観てきた
このブログで告知をした、ドキュメンタリー映画を観てきました。
2012年7月、民間の輸送船によって海に面した米軍岩国基地に到着し、整備を終えて沖縄の普天間基地に正式配備されたオスプレイ。
当時、全国ニュースを賑わせていて、テレビなどでも報道され、岩国にいる私は通勤途上の道路から直接見たオスプレイ。あまりのことに、岩国で開催されたオスプレイ配備反対集会にも参加しました。
岩国は、言わば、通過地点として利用されたわけです(輸送船が海から直接持ち込むことができ、反対運動も比較的おとなしいという理由からでしょう)。
受け入れた普天間基地のある沖縄では、2006年から、オスプレイ訓練のために東村・高江区を囲む形でヘリパッドが計画され、それに反対して入口を座り込みで閉鎖する高江区の人たちの抵抗運動があり、立場の弱い住民を、行政が裁判に訴えるという脅しが行なわれ、現在も最高裁での控訴が行われています。
オスプレイの配備に関しては、当初、沖縄県知事をはじめ、全ての市町村議会で反対決議がされるなど、オール沖縄で反対していたのに、防衛大臣の電話一つで配備日する日が決定されました。
そして、2012年9月末、岩国で整備・点検を終えて普天間に向けて飛び立ったオスプレイに抗議して、国会議員や沖縄の市町村議員なども加わって、自動車や座り込みによって普天間基地のゲートが全て20時以上閉鎖されるという、普天間基地始まって以来のことも起こりました。
そういったことを、地元の琉球朝日放送が2007年から取材をしていて、それを劇場版にまとめ上げた作品が『標的の村』です。
取材の過程で、1960年代のアメリカ軍統治下の沖縄の東村・高江区では、ベトナム村と称して、高江区の住民をベトナムの村民と見立てた、対ゲリラ戦の訓練が行なわれていた事実が発覚(そこからこの映画のタイトルが来ています)したり、普天間閉鎖が、結局、沖縄県警(同じ沖縄県民)による強制排除(取材のカメラマンなども有無を言わせず強制排除されている様が、映画の中に写されています。座り込みをしている人たちは、あくまで非暴力的になのに)によって解除されてしまう悲しい場面も描かれています。
岩国に住む私としては、正直言ってつらいというか、心痛む映画でした。
私が観た1回目の上映の終了後、実際に高江区に住む石原さんのトークイベントがあったので聞かせてもらいました。
たまたま、高江区に住む知り合いの新築祝いに行って、子どもの少ない街から離れた高江区の区長からも請われて移り住むことになった直後にヘリパッドの建設計画が持ち上がり、以来反対を続けているとのことで、実際には大変なことが多いと思われますが、日常生活を大切にしながら、しなやかに反対を続けられていて、印象に残る話が多かったです。
最後の質問コーナーで一つだけ質問させてもらいました。
この映画を製作したのは朝日放送のローカル社なので、取材のニュースは日々の報道でローカル局で放送されたのでしょうが、今回観た劇場版は、沖縄の琉球朝日放送で放映されたのかどうかが気になったのです。
取材を元に、最初25分番組に仕上げたものの、沖縄では早朝番組で1回放映されただけで、東京にも送ったそうですが、深夜2時に1回放送されただけだったそうです。それで、90分の劇場版に作り直し、今、自主上映の形で全国を回っているのだそう。テレビ局が作ったものですから、言わば、それほど過激なものではないにもかかわらず、こういった扱いになってしまうというところが、大手マスメディアの限界なのでしょう。
追記:上映会のゲストで岩国に来てくれた石原さんは、元々ミュージシャンで、主にギターとエフェクターを使った、楽器のみの音楽を作っているということがトークの最後の最後にわかって、CDを持って来ていたので、記念に買い、サインをしてもらいました。
タイトルは、『発酵する世界』(2013年、石原岳)。高江区の上空を飛ぶオスプレイがジャケット写真の表。自然を象徴すると思われる蝶のイラストが薄くちりばめられたしぶい作りです。
音楽的には、好みが分かれると思います。私は結構好きです。タイトルも意味深。

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2012年7月、民間の輸送船によって海に面した米軍岩国基地に到着し、整備を終えて沖縄の普天間基地に正式配備されたオスプレイ。
当時、全国ニュースを賑わせていて、テレビなどでも報道され、岩国にいる私は通勤途上の道路から直接見たオスプレイ。あまりのことに、岩国で開催されたオスプレイ配備反対集会にも参加しました。
岩国は、言わば、通過地点として利用されたわけです(輸送船が海から直接持ち込むことができ、反対運動も比較的おとなしいという理由からでしょう)。
受け入れた普天間基地のある沖縄では、2006年から、オスプレイ訓練のために東村・高江区を囲む形でヘリパッドが計画され、それに反対して入口を座り込みで閉鎖する高江区の人たちの抵抗運動があり、立場の弱い住民を、行政が裁判に訴えるという脅しが行なわれ、現在も最高裁での控訴が行われています。
オスプレイの配備に関しては、当初、沖縄県知事をはじめ、全ての市町村議会で反対決議がされるなど、オール沖縄で反対していたのに、防衛大臣の電話一つで配備日する日が決定されました。
そして、2012年9月末、岩国で整備・点検を終えて普天間に向けて飛び立ったオスプレイに抗議して、国会議員や沖縄の市町村議員なども加わって、自動車や座り込みによって普天間基地のゲートが全て20時以上閉鎖されるという、普天間基地始まって以来のことも起こりました。
そういったことを、地元の琉球朝日放送が2007年から取材をしていて、それを劇場版にまとめ上げた作品が『標的の村』です。
取材の過程で、1960年代のアメリカ軍統治下の沖縄の東村・高江区では、ベトナム村と称して、高江区の住民をベトナムの村民と見立てた、対ゲリラ戦の訓練が行なわれていた事実が発覚(そこからこの映画のタイトルが来ています)したり、普天間閉鎖が、結局、沖縄県警(同じ沖縄県民)による強制排除(取材のカメラマンなども有無を言わせず強制排除されている様が、映画の中に写されています。座り込みをしている人たちは、あくまで非暴力的になのに)によって解除されてしまう悲しい場面も描かれています。
岩国に住む私としては、正直言ってつらいというか、心痛む映画でした。
私が観た1回目の上映の終了後、実際に高江区に住む石原さんのトークイベントがあったので聞かせてもらいました。
たまたま、高江区に住む知り合いの新築祝いに行って、子どもの少ない街から離れた高江区の区長からも請われて移り住むことになった直後にヘリパッドの建設計画が持ち上がり、以来反対を続けているとのことで、実際には大変なことが多いと思われますが、日常生活を大切にしながら、しなやかに反対を続けられていて、印象に残る話が多かったです。
最後の質問コーナーで一つだけ質問させてもらいました。
この映画を製作したのは朝日放送のローカル社なので、取材のニュースは日々の報道でローカル局で放送されたのでしょうが、今回観た劇場版は、沖縄の琉球朝日放送で放映されたのかどうかが気になったのです。
取材を元に、最初25分番組に仕上げたものの、沖縄では早朝番組で1回放映されただけで、東京にも送ったそうですが、深夜2時に1回放送されただけだったそうです。それで、90分の劇場版に作り直し、今、自主上映の形で全国を回っているのだそう。テレビ局が作ったものですから、言わば、それほど過激なものではないにもかかわらず、こういった扱いになってしまうというところが、大手マスメディアの限界なのでしょう。
追記:上映会のゲストで岩国に来てくれた石原さんは、元々ミュージシャンで、主にギターとエフェクターを使った、楽器のみの音楽を作っているということがトークの最後の最後にわかって、CDを持って来ていたので、記念に買い、サインをしてもらいました。
タイトルは、『発酵する世界』(2013年、石原岳)。高江区の上空を飛ぶオスプレイがジャケット写真の表。自然を象徴すると思われる蝶のイラストが薄くちりばめられたしぶい作りです。
音楽的には、好みが分かれると思います。私は結構好きです。タイトルも意味深。

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