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「新型コロナウイルス」という名称の背景――その1−2 命名の手順・権威 A [2020年03月09日(Mon)]

承前


A-03-03-00WHOICDに関するページの日本語訳

さて、こうした厚労省から辿られるHPとは直接的なリンクが見つからないものの、深い部分では関係し、WHOの日本関係者が作成したとみられるHPもある。

トップ画面では上半分が

ICD-11

国際疾病分類 第11改訂

診断健康情報に関する新しい世界標準」

と大書され下部には、

WHOICDに関するページの日本語訳です」

という大書されており、真ん中に、タイトルリンク集のように並ぶ、いさか無骨なものだ。

https://icd.niph.go.jp/

A-03-03-01 ロックフェラー財団の公衆衛生戦略事業

このHPURLをみると、「.go.jp」であり「日本政府」関係だ。そして「niph.go.jp」は「国立保健医療科学院」だ。

この組織の面白いことは

「、、、国立保健医療科学院は、保健、医療、福祉に関係する職員などの教育訓練や、それらに関連する調査及び研究を行う機関として、、、、国立保健医療科学院は、国立公衆衛生院、国立医療・病院管理研究所及び国立感染症研究所・口腔科学部の一部を統合し、保健医療事業及び生活衛生に関係する職員並びに社会福祉事業に関係する職員等の養成及び訓練、並びにこれらに関係する調査及び研究を行う新たな機関として平成1441日、設置され、、、」

元々の組織として、他のものと違い戦前に遡り、そのトップに国立公衆衛生院は解説されている。

「国立公衆衛生院は、我が国の公衆衛生の改善向上を期するために、公衆衛生技術者の養成及び訓練並びに公衆衛生に関する調査研究機関として米国ロックフェラー財団の経済的援助により、昭和13329日公衆衛生院官制が公布され、厚生省所管として設立された。

昭和15年に、内務省所管の栄養研究所を併せ「厚生科学研究所」と改称、昭和16年に文部省所管の体育研究所の研究部門の一部がこれに併合された。昭和1711月戦時体制下の行政簡素化の方針により、厚生省所管の研究所は全て統合することとなり、人口問題研究所、産業安全研究所と共に「厚生省研究所」が創設され、その中で、厚生科学部及び養成訓練部の事業を行った。

昭和215月、終戦と共に、厚生省研究所官制は廃止され、再び「公衆衛生院」となった。

昭和228月、国立栄養研究所の設立に伴い国民栄養部が移管され、昭和235月には、機構の改組が行われた。

昭和2461日に、厚生省設置法(昭和24年法律第151号)の施行により、「国立公衆衛生院」と改称、、、」あの、ロックフェラー財団の名を世界に知らしめ、国際的助成財団の果たすべき役割の一つを示した、代表的、戦略的「公衆衛生」事業の痕跡が残っている。基本的には土壌作り、「世界の底上げ、人材育成」プログラムの一環だ。

https://www.niph.go.jp/information/

A-03-03-02 厚労省の一部となった「国立保健医療科学院」

この組織は、「イーガウ=電子政府の総合窓口」の「組織・制度の概要案内-府省一覧」の「厚労省」

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Organization?class=1010

から案内される組織図をみると、「国立保健医療科学院」は独立した特定の法人格をもつ「法人」ではなく、本省のうち、各局、諸審議会の後の最後から二つ目に並ぶ、検疫所から国立障害者リハビリテーションセンターまで並ぶ8つの「施設等機関」の4つ目の「建制順」として記されている。「施設等機関」とは、いわゆる昔は「付属機関」とよばれたものが改正「国家行政組織法」によて3つに細分化されたものの一つだ。

なお、8つのうち「建制順」としては6つ目に話題になる「国立感染症研究所」がある、

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Organization?class=1020&objcd=100495

因みに本図の本省最後には「特別の機関」である「中央駐留軍関係者離職者等対策協議会」という、占領下日本から講和条約、朝鮮戦争後の在日米軍に勤めていた人達の失職対策を目指して作られた旧・労働省系の組織だ。

「、、、朝鮮動乱が終わると、国連軍も本国へ引き揚げる。これらの軍関係の業務に従事していた労働者は、働く職場を失うことになる。かつては繁栄を極めた駐留軍の基地周辺も、一転して失業者が滞留し社会問題化するに至った。このような事態に対処して、昭和33年に駐留軍関係離職者等臨時措置法が制定された。駐留軍関係離職者等対策協議会の設置や再就職の促進を中心とする総合的な対策を盛り込んだもの、、、」

http://shokugyo-kyokai.or.jp/shiryou/gyouseishi/06-1.html

また、この厚労省の組織図には本省以外に、「地方」として、旧厚生省の7つの「地方厚生局」と、旧労働省の47の「都道府県労働局」の二つが記載されている、

A03-03-03 「国立保健医療科学院」の紀要――「保健医療科学」

さて、本稿の最後にようやくたどり着いた。

この「国立保健医療科学院」の「傘下」にある紀要「保健医療科学」でのICDに関する記事が多くが、ICDに関する記事で引用されている、

この保健医療科学は第512号より『公衆衛生研究』から改題し、国立保健医療科学院の紀要としての位置づけのみならず、保健医療科学分野のトピックをいち早く伝えるメディアと自ら解説している。

https://www.niph.go.jp/journal/

A04-00 「保健医療科学」のICD-11特集

このICDの「命名物語」の複雑を垣間見るものとして、

「第67巻第5号(201812月)」の「特集:WHO国際疾病分類第11回改訂(ICD-11)およびICFICHIの導入に向けて」からは、各領域での動き、水平の、同時代的な動きがみえてくる。

https://www.niph.go.jp/journal/data-67-5-j67-5/

この「総説:WHO国際統計分類の歴史とICD-11の国内適用に向けて」

ICD-11にかかる用語は仮訳である」と最後に記されていることをもって今回は擱筆したい。

https://www.niph.go.jp/journal/data/67-5/201867050002.pdf

次回は、この「COVID-19」という命名の縦横の、垂直、歴史的な、語源を辿っていきたい、

A-05 日本の保健医療の概観」

「日本の保健医療の概観」についてJICAが解説したものが分かり易いと思われるので、この機会に紹介しておきたい。

https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/200403_02_02.pdf


以上
つづく
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「新型コロナウイルス」という名称の背景――その1−1 命名の手順・権威 @ [2020年03月09日(Mon)]

今回そして次回は「COVID-19」という名称の命名手順を巡る、世界、そして日本での動きについて、この段階で整理しておきたい。今回は、まずは、命名の手順・権威から

A-01-00 命名の発表

COVID-19」は公衆衛生の世界の権威、WHOが命名した2019年から始まった新型感染症の「正式名称」だ。

このHPが、最初に公式に、命名を発表したもののようだ。

A-O1-01命名の主文

元々「2019 novel coronavirus」(直訳:2019新型コロナウィルス。以下(イタリック)直訳したもの)と呼んでいたものを次のように変えたという、、

Disease(疾病)

coronavirus disease(コロナウィルス病)

(COVID-19)

Virus(ウィルス)

severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2

(SARS-CoV-2)

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/technical-guidance/naming-the-coronavirus-disease-(covid-2019)-and-the-virus-that-causes-it

A-02 命名の手順

次に、上記のように、どうして、疾病やウィルスをそれぞれの違った名称で呼ぶかを解説している。

A-02-01 ウィルス名

ウィルス名については、遺伝子構造に基づき、検査、ワクチン、薬の開発のためのネーミングとうことで、

International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV).が決定する。

この委員会の日本語名は、厚労省のHPをみても「国際ウイルス分類委員会」「国際ウイルス命名委員会」「ウイルス分類に関する国際委員会」の三つがあるようだが、見方・立場・派閥の違いか分からないが、「taxonomy

という英語の訳し方と、「〜に関する」といった日本語における漢字熟語の作り方の背景も絡んでいることに間違いないが、ここでは、棚上げしておきたい。

A-02-02 疾病名

疾病名については、疾病予防、拡散、感染性、重症度、治療についての議論を可能とするためで、こちらは、International Classification of Diseases (ICD).に基づきWHOが公式に決めたという。

殆どの日本語サイトでICDは正式名称があって「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」と記載されている。

A-03-00 WHOでは下図(大きい画像は、画像検索をかけてもネット上でみつからない)のように、「WHO-FIC Network国際分類のファミリー・ネットワーク」を紹介しており、主要にはICD-11,ICD-10ICF、 ICHI4つがあって、他にそれらに関係もしくは依拠する分類が8つもあるという。

FIC.jpg

(かつて70年代、雑誌が雲霞の如く創刊されていた頃、雑誌(「知の考古学」だったと思う)の「分類学」特集に出会って以来、「分類」というテーマに「摂り憑かれ」ているが、この疾病名についてのWHO自らが紐解いているものの、ここでは、「命名」に集中したい)

要は1990,に採用を(開始された)ICD-102019年に採用されたICD-11それぞれが、世界各国に実用化されるまでの間は長い年月を必要とし、前者の一定程度の普及を含めて、両者が併存する期間を想定し、ICD-11には新しい知見も数多いものの、ファミリーの成長もあったのだろうか、一筋縄ではいかないようだ。

https://www.who.int/classifications/network/en/

A-03-01ICD-11、国際疾病分類

とまれ、ICD-10で使われている長い名称は、ICD-11,では、「International Classification of Diseases」と短い名称になったことが、「ICD-11Implementation or Transition Guide」の最後の補遺にある用語集で確認される。

https://icd.who.int/docs/ICD-11%20Implementation%20or%20Transition%20Guide_v105.pdf

A-03-02-00 日本での日本語名称

日本語での名称については、平成30618日付けの「国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました」という「報道関係者各位」向けの文章の最後に

「正式名称は、疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」と解説されており、2020/03現在もこの文書が、「国際疾病分類関連情報」という厚労省のHPのリンク集にある。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html

A-03-02-01ICD-10に依拠する日本での日本語名称

このリンク集のトップにある、「疾病、傷害及び死因の統計分類」では

「最新の分類は、ICDの第10回目の改訂」版として、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものであり、ICD−10(1990年版)と呼ばれている。

 現在、我が国では、その後のWHOによるICD−10のままの改正の勧告であるICD−10(2013年版)に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を作成し、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されている。

 なお、この度、統計法(平成19年法律第53号。以下「法」という。)第28条第1項の規定に基づき、法第2条第9項に規定する統計基準として、平成27年2月13日付け総務省告示第35号をもって「疾病及び関連保健問題の国際統計分類ICD−10(2013年版)」に準拠する改正が行われた。改正された「疾病、傷害及び死因の統計分類」は、平成28年1月1日から施行し、同日以後に作成する公的統計(法第2条3項に規定する公的統計をいう。)の表示に適用される。」

のようにICD-10が主要になっていて、ICD-11については、次をみても膨大な作業が行われているようだ。

「第22回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06891.html

その作業の組織的な体制は上記委員会の「【参考資料6】我が国におけるICD検討体制」で俯瞰できる。

https://www.mhlw.go.jp/content/10701000/000550224.pdf

A-03-02-03ICD-10ICD-11との相違

この委員会の「第21回」の「資料1PDF ICD改訂の概要」には経緯とICD-10ICD-11との対照が俯瞰できる。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000452494.pdf

A-03-02-04ICD-11の日本語訳体制

また、和訳作業の一端が、「資料2ICD-11の和訳の取扱について(案)」には基本的に

「、、、訳語に用いる日本語表記は、日本医学会医学用語辞典における取扱を基本、、、」とし、

一般的な英語で共通するものについては、

「、、、(参考)事務局案を作成する際に用いた定型訳の例、、、」

最後には、それぞれの専門領域別に各学会等に割り振られている表が記されている。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000482221.pdf



つづく(長すぎたの分割します)


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