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「大地の会」と不老不死−新刊紹介(その3)休題の休題―4 [2006年10月27日(Fri)]


<承前>


大地の会は1977年に株式会社を有機農作物を生産者から消費者へと提供するための組織として設立しました。大地の会はそれまで今日でいう「NPO」でした。

もう30年も前になってしまいましたが、NPOという単語はもちろんのこと、NPO法の欠片ほども日本にはなかった当時、数名の関係者の間でいかに「非営利事業」のために社会的に有効な組織的な枠組みを作るか議論していました。

「協同組合」「自治会」「有限会社」などを援用・拡張解釈することが俎上に上っていましたが、「株式会社」は殆ど議論になっていませんでした。従って、大地の会の動きは新鮮でしたし、再検討もしましたが、いわゆる「商売」に近い農作物の流通のようなスキームはともかくも、様々な分野の「非営利事業」には馴染まないと諦めていました。

様々な生協の活動はもちろんのこと、今日の介護のありようなどをみても、そしてNPO法の成立した現在でも、株式会社というものをより深く考察しておくべきだったかとも思いますし、なおさらのこと現在でも考えるべきかもしれません。そのような別の思いもあって、本ブログで、書店の店頭からなくなる前に新刊「株式会社」を紹介しています。

同書は、冒頭で「ヴィクトリア女王時代のイギリスの、、、「1862年法」とそれに追随した各国の新しい法律によって規制から解放された会社が、最初のグローバル化黄金時代の到来を促していた」と「会社」という組織を風刺して、当時(1893年)はやったオペレッタ「ユートピア株式会社、あるいは発展の華」を紹介しています。

そして「変革を招く、、、会社が、、、並みはずれて強力なのは、、、人間とほとんど同じ法律上の権利を与えられていながら、一方で、生物に固有の弱点がない、、、不老不死という特権」があり、「政府、、、世間の怒りを買う原因になってきた」と指摘しています。

<続く>

「株式会社」紹介の最初はここから。
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