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怪物からFBI、斧まで。各種国コードCオリンピック。国とは?その15。―閑話休題(再三) [2006年10月04日(Wed)]

<承前>

Mary Wollstonecraft Godwin Shelley (メアリー・シェリー)による「フランケンシュタイン」の原題は、「Frankenstein: or The Modern Prometheus (フランケンシュタイン、または現代のプロメテウス)」であり、よく知られているように、元々は「怪物」を「電気」刺激によって生んだ同小説の主人公の科学者の名前ヴィクター・フランケンシュタインからきています。

なぜシェリーが「フランケンシュタイン」の名前を使ったか、あるいはこの小説の着想を得たかについては、シェリーが以前フランケンシュタイン城を訪れたか否かを含め、諸説ありますが、ここではそもそもの、Frankensteinの語源について簡単に紹介します。

Frankensteinはドイツ語で、Frank (フランク人)のstein(岩)という意味で、Silesi (シレジア)にあるフランケンシュタイン城のある町Ząbkowice Śląskieの古い名です。

そのフランク人は、5世紀、歴史的な事件を起こします。当時の王、Clovis (クロヴィス)は、ローマ帝国の「属領」の中にあって、pagan(異教徒)german(ゲルマン人)の中からキリスト教へと改宗し、Merovingian dynasty (メロヴィング王朝)フランク王国を建国し、今日の西のヨーロッパ、西欧の姿の源流をつくりました。

当時混成集団であったゲルマン諸部族は共通の髪型や武装によって帰属性をつくっていたといわれ、フランク人は「長髪」と「投斧」、「投槍」に特徴があったといわれます。「長髪」はよく映画や絵画でみかける長いポニー・テールのようであったようです。

一方、投槍は長さ約2メートルのangon (アンゴン)、一方、投斧は、真っ直ぐ飛ばず、不規則なバウンドをするがためにかえって恐れられていた、長さ約10〜20センチのfranciscaもしくはfrancescaとよばれるものでした。語源としてFrank人が先か投斧のfranciscaの名が先か諸説あります。

因みにかつて米国人エスタブリシュメントを表現していたWASP(White Anglo Saxon Protestant)の中にもでてくるanglo-saxon (アングロ・サクソン)のサクソンも同様に、サクソン人の使っていた斧がサクソン語でsaxとよばれ、斧か人か、いずれかが語源です。

同様に、現代英語でfrankが、率直、自由という意味を持つのも、どちらが先かは別として、当時、frank人がローマのfoederati (同盟者)として「自由」であったfrank人という意味に使われたように、語源が共通です。

因みに、foederati (同盟者)は当時、フランク人がローマと結んでいた、被植民者ではないものローマの市民権を持たされず、中間的な立場をもち、「いざことあるとき兵力を提供するFoedus (協定)」を語源とします。米国のFBI (Federal Bureau of Investigation連邦捜査局)でも御馴染みのFederalism (連邦主義)Feudalism (封建主義)の語源でもあります。

いうまでもなくフランクは現代国家のフランス、今では旧植民地に一部名をのこすのみとなった通貨フラン、共通語という意味でつかわれるようになったLingua franca (リンガ・フランカ)などの語源でもあります。

<この項続けます>

本記事ーー19世紀初頭バイロンの足跡をたどる記事ーーは最初はここから開始しました。
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