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my website (03/08)
「コロナウィルス」という名前の誕生 [2020年03月14日(Sat)]

前回に引き続きCOVID-19という世界の名称について。今回から、語源を軸にすすめていきます。

<話題の内容、典拠が多く、勢い解説が多くなりました>

今回も、世界的な話題の語彙について、多様な解釈や使用法が多くなる前に、取りまとめようとしています。筆者が文字通り素人である、様々な専門領域に及んでいるため、出来得る限り、主として、インターネット上にある元々の典拠に遡って作成しているつもりです。

<今回は試しに、文中と文末記載の解説が半々>

勢い、引用・典拠や筆者なりの解説が多くなり、こうしたものの記載法、引用法について、試行錯誤しています。今回は筆者としては典拠を多く示し、それらを文中に混ぜることと文末にまとめることを半々にしています。

<内容に生命に関わること。内容を古今東西専門横断的にみることが多くなった>

前回の「命名」の「仕組み」にくらべ、今回からは「命名」の「内容」、それも「専門的」なもの、「専門領域」によっては異なって使われている語彙、同語異義語に触れざるを得ません。勢い、素人なりの解釈や解説が多くなります。間違いや誤解も多いかもしれません。ご指導、ご指摘いただければ幸いです。

かつて、米国の大助成財団のリーダーから「助成事業として安易に医療は関わるべきではない」といわれたことを爾来繰り返し反芻しているものとして、今回はできる限りの確認をしたつもりです。

<先ずは「コロナウィルス」という名前の誕生を巡って>

今回は「コロナウィルス」という名前が誕生の様子をまとめました。今の「covid-19」あるいは広く「コロナウィルス」という名称の源泉であって、その当時の世界のものであって、その後現在にいたるまでの知見や使われ方によって、様々な異同があることにご留意いただければと思います。

ラジオといっても「鉱石ラジオ」と「インターネットラジオ」までの歴史で、異同があるのと同様かと思います。

文末・脚注も引用URLを列挙するだけでも大部になってしまい、今回は文中の解説・感想や注の部分と最低限のURLだけを投稿しました。

-00 

COVID-192019」年の「coronavirus disease」からきた略語だ。

coronavirus」の初出は1966 年に TyrellBynoe他が発見したものを、それを1968年に「Nature」誌に送った研究結果を同誌が、以下のように「News & Views」に報じたものだという。発見から半世紀も経っていない。半世紀も経っていないといっても、人類が発見した年で、ウィルス自体の「誕生」がいつだったかはウィルス史・考古学あるいは遺伝子学というものの発達を待つ必要があるかもしれない気がする。(《》内は筆者の直訳に近い訳と解説や感想を記した)

NATURE. VOL. 220. NOVEMBER 16. 1968 p.650《ネイチャー: natureという名詞には「自然」という定訳・妙訳があるが、英語のネイチャー、日本語漢字熟語の「自然」にはそれぞれの社会の幾重にも重なる歴史ほど膨大な解説が必要だが、この固有名詞、雑誌名に関しても、後述するように、含意が深い。とりあえず、世界の2大科学誌の一方の「Science」が「非営利」といわれるのに対し、本誌は自ら「商業誌」だからこその科学誌と誇ってやまない英誌だというにとどめておきたい。また、掲載しているのが650頁。この53,000部発行という週刊誌は、日本の誇る64万部月刊誌「文藝春秋」の約450頁よりは厚い。発行日付1968/11/16は米英「The Jimi Hendrix Experience」「Hey Jude」が流行っていて、日本では三島由紀夫が茨城大学でティーチインしていた頃だ》



https://www.nature.com/articles/220650b0.pdf


VIROLOGY 《ウィルス学》

Coronaviruses 《コロナウィルス:公刊物での初登場だ。ここでは、「vir-us」をラテン語的に「vir-i」ではなく英語的に複数形として「vir-us-es」を使っている。コロナについては次回、ウィルスそのものについてはここの文末に若干、幾分本格的にはいずれかの機会にしたいと思う。ただ、ウィルスの一個一個の「姿」が確認されたのは少なくとも@最初の電子顕微鏡が発明された、1931年以降であること、A現在確認されている種類は4万を超えることに、ここでは書き留めておきたい》

A NEW group of viruses with the name of coronaviruses has been recognized by an informal group of virologists who have sent their conclusions to Nature. (They are J. D. Almeida; D. M. Berry; C. H. Cunningham; D. Hamre; M. S. Hofstad; L. Mallucci; K. McIntosh; D. A. J. Tyrrell.)

They point out that with negative staining 《負染色:電子顕微鏡を使っても、ウィルスは水素、炭素、窒素、酸素等の小さい「軽」元素で出来ており、電子を散乱させ、コントラストが殆ど見えないので、重金属を境目に染色し付着させて、写真のネガのように、構造をみられるようにした方式》 , avian infectious bronchitis virus 《鶏伝染性気管支炎ウィルス:鳥類に感染するウィルス》 has a characteristic electron microscopic appearance resembling, but distinct from, that of myxoviruses. 《(動植物が分泌する)粘液/鼻汁ウィルスという意味のラテン語から最初は命名されたようだが、その後、語義が大きく拡張・変化したようで日本では英語もしくは片仮名のミクソウィルスとそのまま使われているようだ》 Particles are more or less rounded in profile; although there is a certain amount of polymorphism, 《沢山の形:一般的には多型と訳される。そのまま日英語で、近年のコンピュータ用語にも使われるが、ウィルスの領域では遺伝子が、ごく一部であるが、固体差として多くの種類の型をとっていることに着目した用語のようだ》  there is also a characteristic "fringe" of projections 《「境界」的な突起:ここでは“”によってフリンジが表現され、色々な意味を喚起させ、深く未確認のものを示唆しているようにみえる。米国のテレビドラマ「フリンジ」を思い出させる。”pro-jection-s”はラテン語の”前方にー抛る“から由来している。Jet ジェット、 object オブジェクトや最近はみることが少なくなってきた eject 取り出し記号⏏等の仲間。飛び出しているイメージなのだろうか》  200long 《Å=オングストローム:かつてはともかく、今は、国際単位系では認めていず、日本の計量法でも限定使用とされていながらも、「ナノ」よりは、電子顕微鏡の分解能に対して、丁度ほどよい長さの単位だからと思われるが、領域によっては広く使われている。ナノ・メートルの1/10、ピコ・メートルの100倍の間にある単位。》  which are rounded or petal shaped, rather than sharp or pointed, as in the myxoviruses. 《ミクソウィルスの、鋭く、もしくは尖っている形、よりは、円もしくは花弁の形:ここがコロナと名付けた、命名者自らの記録だ。見た目が一致するから中身がストレートに一致するとは限らず、遺伝子分析等、生物学の発展とともに世間一般での画像が飛び交う社会で、現代的な課題となってきた注意を要する名付けでもある。特に、外形から命名され、さらに、今回のように画像が世間一般に溢れる世界になって、この記事の最後にあるように特別な留意が必要だと思われる典型例だ。懸羊頭賣狗肉、羊頭狗肉とウィルスに騙されないよう細心の注意が必要だと思う》 

This appearance, recalling the solar corona太陽コロナを思い起こさせる姿:おそらく公刊物で「コロナ」の名称の由来を解説したはじめ》 , is shared by mouse hepatitis virus 《マウスの肝炎ウィルス:“-itis”という接尾辞は「arthritis」疾病由来の関節の炎症として1540年代に、以来「炎症」一般にひろく使われるようになった。ラテン語的に使われるときの複数形は“-ites”》 and several viruses recently recovered from man, namely strain B814, 229E and strainは「株」と日本語ではまま訳されている。「緊張;stress」の仲間の語彙とは違って、「拡散」「系譜」といった語源をベースに「street」や「strategy」の仲間。「bleed=ブリード」よりは緩い動物・家畜の系譜のようなものの区分として使われていたものを、もとよりウィルスは生物と認めらないため、生物分類に使われる「種・属」といった語彙が使われないことから、援用したものらしい。ストレーナーという派生名詞のように圧迫して「濾過」するという「緊張」に近い語彙の仲間の動詞との用法・語意との交差が見られるようでもある》 several others. These viruses also share a number of other properties as indicated in the table. (Anyone interested in the data on which the table is based may obtain a short bibliography on application to Dr D. A. J. Tyrrell at the Common Cold Research Unit, Salisbury, Wiltshire.)

PROPERTIES OF THESE VIRUSES

 

Avian infectious bronchitis
《鶏・伝染性・気管支炎》

Mouse hepatitis

Human strains

Size. Filtration
《濾過:布のフェルトの仲間の語彙》
     Electron microscopy*



80-120 mμ

80-120 mμ

100 mμ

89 mμ

80--160 mμ

Characteristic surface structure

+

+

+

Essential lipid (ether lability)
《基礎脂質・エーテル不安定性》

+

+

+

Apparent ribonucleic acid content
(unsusceptibility to DNA inhibitors)

《顕在リボ核酸成分・DNA阻害剤非感受性》

+

+

+

Density of infectious unit

118

?

1−19

Replication in cytoplasmic vesicles
《細胞質性・小胞・複製》

+

+

+

* Negative contrast technique----projections are included in the diameter of the particle. 《直径には突起が含まれる》

Some other relevant properties should be mentioned. There is an antigenic《抗原的関連性》 relationship between the human and murine strains, but none has been detected between avian strains and the others. A haemagglutinin《赤血球凝集素》has been detected by certain workers using avian infectious bronchitis virus and also antigens separable from the virus particle, but these have so far not been recorded for the human or murine strains.


In the opinion of the eight virologists these viruses are members of a previously unrecognized group which they suggest should be called the coronaviruses, to recall the characteristic appearance by which these viruses are identified in the electron microscope. 《「これらのウィルスは電子顕微鏡上で認められる特徴的な外観に基づいて「コロナウィルス」とよぶべきだと提案した」と明記されている》

These suggestions have been received by members of the Myxovirus Study Group (chairman, Professor A. P. Waterson) under the International Committee for the Nomenclature of Viruses (ICNV)ICNV:1966年設立の組織で、1977年に”nomenclature ()命名法” が “taxonomy分類法”に代わって、改称、略称も “ICTV” に変わった》. The suggestions were found acceptable and are now to be considered by the Vertebrate Virus Committee of the ICNVICNV 6小委員会――@Bacterial Virus、ACode & Data、BVertebrate Virus、CPlant Virus、DInvertebrate Virus、ECoordination――で実質的には4つの区分であったものが、現在のICTV6小委員会(101スタディ・グループ)――@Animal DNA Viruses and Retroviruses、AAnimal dsRNA and ssRNA- Viruses 、BAnimal ssRNA+ Viruses 、CBacterial and Archaeal Viruses 、DFungal and Protist Viruses 、EPlant Viruses――ではある。名称一つとってみても、僅か半世紀の間に、いかに、格段に細かく区分されるほど研究が日進月歩していることが分ると同時に、今現在も研究が急加速状態にあることが想像される》


つづく

追記 2020/03/30 1545

以下が今回の記事の元々の記事たちです。2020/03/30現在、7つの記事です。

全文をセンテンス毎の単純な対(拙)訳にしています。

上記の「コロナウィルス」(新型ではありません。その元です)が世界で使われ始めた記事を解説するにあたって、あまりに参照・引用すべきサイトが多いため、独立して投稿した記事です。
基本的には「ある程度の専門性や信用度が確保されているようにみえ、門外漢(筆者)にも、ある程度理解し得る情報が公開されているもの」、「公的な」行政、研究所、学会、メディアのものを選びました。
また、「以上」のあと「続きを読む…」というところをクリックすると、現在の「追記」のように追記したものが表示されます。
「補遺」の1には中央官庁のもの
「補遺」の2には多言語(日本語以外)表記のもの、その後気づいたもの、を中心に
いずれも「組織」という信用性と一般性がある程度担保可能なものです。

元々の「コロナウィルス」初出を考えるための日本のウィルスや感染症関連サイトのリンク集 補遺 3 (感染症・感染症の歴史)上記に続く「補遺」で基本的には感染症(学)、ウィルス(学)の包括的解説や歴史について解説してあるものを中心にまとめました。製薬会社・生命保険等の関連の「会社」「研究所」や研究者「組織」よりは研究者「個人」とによって掲載されたものが多く、それぞれの考え方に留意が必要です。

4.「新型コロナウイルス」という名称の背景――その1−1 命名の手順・権威 @
大元の記事です。WHOがパンデミック宣言を出す前に、「COVID-19」というウィルスの命名宣言に対し、世界で多用され、語源が曖昧になったり、多義になる前に、命名手順、経緯、歴史的背景を整理しておこうと始めた記事です。この回ではWHOの「命名宣言」そのものの手順を中心に紹介しました。

上記記事をさらに遡り、こうしたウィルスや感染症というものを(新型コロナやコロナに限らず)一般に関しての「命名手順」の発達経緯や背景を紹介しようとしました。

6. 「コロナウィルス」という名前の誕生
上記4.や5.を経て、それらを具体的にみるものとして、元々の「コロナウィルス」という名前の初出について紹介したものです。ブログにおいて「容量」と使えるフォントを気にしつつ。出来る限り文中の解説や抄訳、文末の解説を試みましたが、HTML等言語まで遡るなど手間暇が膨大でその後、上記1. の記事以下に整理することになりました。

こうした、命名物語に解説が幾重にも重なり遡らくなる必要があるのは、ウィルス、感染症、という「学問」、すなわち近代世界とこれらとの出会い、さらには近代世界自体が短いことが、垣間見えるのことを理解するに恰好の論文を差しはさみました、ピサからベニスという本ブログが探ってきた諸テーマと近づきました。


以上
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