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この補題は、本題で幕末・維新の時代を紹介するために多数の資料を調べていたところ、様々な暦が交錯するため、早見表を探したものの、変換ソフトがあっても、逐日の一覧は見当たらず、不便なので早見表を作ったことに始まる。 せっかく作ったので、公開することにしたものの、暦そのものも紹介すべきことも多く、始めた補題だ。 とはいえ、暦は天体と人間の接点。天体の動きの複雑さは、人間の複雑さ同様複雑だ。だからこそ、人間も広い宇宙の中で生まれたので複雑になったのかもしれない。 「科学」と「人間」の交差する補題でもあり、補題の中に補注が必要なことも多い。今回は、天体の動きの中で、幾千年紀を経て、人間が接近できた楕円について筆者の理解する範囲で考えてみたい。 12.楕円関係用語 ○想像上の曲線、動きの曲線 ここでの楕円は、「正確」、数学的な意味での楕円だ。卵の断面のような、片方が相対的に尖ったような曲線ではないし、半円を長方形でつなぎ合わせた「長円」でもない。左右対称、対称に少し伸びた「円」だ。 「真円」に比べると自然界では、「動き」では見ることがあっても、「形」では殆ど見かけない。想像世界の曲線だ。 ◎円錐曲線の4種の一つ ellipse 楕円形・楕円は、古代ギリシアより知られている、直円錐を平面で切ったときできる曲線の一つだ。円錐の切り方の角度により双曲線、放物線、楕円、円になる、円錐曲線の一つ。 ◎離心率による円錐曲線4種 これら4つの円錐曲線は「eccentricity 離心率」とよばれるものの違いによっても定義できる。 離心率が、 「1より大きい」場合が双曲線 Hyperbola、 「1」の場合は放物線 Parabola、 「1より小さい」場合が楕円 Ellipse、 「0」の場合は真円 Circle。 とりあえず、楕円の前に双曲線と放物線について概観しておこう ◎双曲線と放物線 ○双曲線、反比例、ハイパーボラ 双曲線は反比例の曲線だ。 y = 1 / x で表され、第一象限と第三象限とで対称的に「双」つみられる「曲線」。遠くから引いてみると、曲線というよりは、x軸とy軸に沿って、殆どⅬ字型の直線だ。 「 hyper 」はギリシア語由来で、「上、超えた、彼方」、「 bola 」は「抛る」といった意味だ。 ○放物線、抛物線、パラボラ 放物線は2次方程式の曲線だ。y = x2で表される。 逆さにすると、重力のあるところで「物」をほうったり、なげうったり――「抛」――した時の軌跡となる「抛・物」線だ。 「 para 」はギリシア語の原義からいうと「従って、沿って」といった意味だ。この原義が、放物線という命名とどう繋がったかという説は定まっていないようだが、円錐の母線と「平行=沿っている」だからという単純な説が、元々思弁的な用語でもあるので、妥当なのかもしれない。 ○漢字廃止論、「日本」語の形成 因みに常用漢字に「抛」がないため「放物線」が代用漢字となった。 代用漢字、「常用漢字」の歴史は、開成所翻訳筆記方にいた前島密(来輔)( 1835/02/04 ) - ( 1919/04/27 )が幕末( 1867/01 )徳川慶喜に提出した「漢字御廃止之議」に始まるといわれる、幕末・維新期の「漢字制限」政策、まさに「日本」語の形成の歴史だが、本題でも触れたいので、ここでは深い入りしない。 ○懸垂線 同じ重力によってできる曲線として、紐の両端をもって垂れ下がったときの「 catenary 懸垂線」があるが、抛物線に似てはいるが違う。 ○双曲線函数 因みに、懸垂線はどちらかというと三角関数の曲線に似ていて、これはhyperbolic function双曲線函数とよばれる。英語名称が「 - ic 」で終わるので、双曲線(的)関数した方がニュアンスが近いかと思う。 y = sinh x, y = cosh x, y = tanh xと三角函数にhyperの「h」がつく。子細は避けるが、結論から言うと二つの関数の間にはcosh x = cosh ix. といった複素数、実数「x」と虚数「ix」を介した表裏一体の関係がある。 ○双曲幾何学 また、「 hyperbolic geometry 双曲幾何学」とよばれるものもあり、「 elliptic geometry 楕円幾何学」、等と並んで、平行線の存在を認めるユークリッド幾何学の第5公準が成り立たない、非ユークリッド幾何学の一つとして、ユークリッド幾何学に対置される。「鞍」のイメージを使って「曲率」が「負」の空間の幾何学といわれる。因みに「 parabolic geometry 放物幾何学」はユークリッド幾何学の仲間だ。 ○曲線と人間 さらに「 elliptic partial differential equation楕円型偏微分方程式」とか「 elliptic integrals 楕円積分」とか「 elliptic function 楕円函数」等々あったりするのだが、相互関係などを含め、暦を一端とする、曲線を巡って「時」と「空間」の狭間での思惟が多くの現代数学の源泉となった、人間の数学との限界や長い歴史としていつか触れたい 最後に、双曲線と放物線の概観から、円錐曲線の離心率、楕円に戻る前に、話を単純化するためにも、ここで記述している円錐について注記しておきたい。 ○直円錐と斜円錐 円錐(形)の定義はいくつかあるが、本項では、直円錐(形)をイメージのベースにおきたい。円を底面に、円の中心から垂直に伸びた線上の一点と円周を結んだものだ。 斜円錐(形)の底面は直円錐と同じように円ではあるものの、円の中心からの垂直線上でなく、任意の点を「頂点」にしたものだ。注意しておきたいのは、斜円錐は単純に直円錐が傾いたものでないことだ。 斜円錐形を底面と平行な平面で切ったとき常の断面は常に円形になる。 一方、元の底面から傾かせて、元の底面と平行な平面で切り取った傾いた直円錐は、底面と平行な断面は常に相似な楕円形になり、楕円錘ともよべるものだ。 また、直立した直円錐形の側面の展開図は円形の一部を切り取ったものであり、面積も簡単に求められる。しかし、直円錐形の展開図から想像できるように、斜円錐形の側面の展開図は円弧とはならない独特の形をしている。 では「円錐曲線」に戻ろう。 ◎離心率とは 離心率の定義は循環論法的だ。 基準となる、ある直線(directrix 準線とよばれる)と、基準となる、ある点(後述の楕円の場合の「焦点」になる点だ)を定めたとき、その直線からの距離と、その点からの距離の比率を一定の値になるように曲線をひいたときの、比率のこと。 円錐を平面で切った場合、この比率は一定の数値になる。 後述するように、むしろ循環論法的でない、一定でない離心率、変化する離心率にこそ、天体、宇宙の核心があるのかもしれない。偏微分的、偏導関数的曲線が本質なのではないかと思うが、門外漢の筆者が疑似科学的記載するのは避けたいので、この辺にとどめておきたい。 ○釘二つ、ひも一本で描ける楕円 さて、楕円の場合にはfocal points 焦点とよばれる二つの「中心」のようなものを考えることができる。そしてこの離心率のみならず、この焦点からの長さ・距離の「和」も一定だ。 板に釘を二つ打ち付けて、その間の長さの2倍より長いひもをかけることによって、簡単にペンで描ける曲線だ。 楕円の場合、この二つの「焦点」の間の長さと、長い方の端から端までの線分、major axis (主たる軸)長径の長さとの比率が、後述するように、先程来の離心率と一致するものだ。 「率」と「和」が一定というポジションに楕円は位置するのだ。 ○楕円の極端な形。放物線、双曲線、真円 この記述の上では「想像上」ともいえる、楕円の「焦点」の片方が、どんどん離れたものが放物線や双曲線で、二つの焦点が重なって一致したものが真円だ。 「率」が一定で「和」が不動から変動すると放物線、双曲線になるのだ。 ○パラボラとエキセントリック 逆に見て、無限遠に等しいくらいの距離、無限遠の焦点からくる光や電波を集めて曲面に近い焦点に集めるのが放物線すなわちParabolaパラボラ(反射)望遠鏡そしてパラボラアンテナだ。パラボラアンテナに銀紙を貼れば卵焼きやハンバーグができる所以だ。 因みに、elliptic curve 楕円(的)曲線とellipse 楕円形・楕円とは違う。また、「eccentricity 離心率」と日本で比較的使われる「 eccentric エキセントリック」は語源が同じで、中心からズレているということだ。 ○俯瞰した見方 上記の楕円の大きさを表す用語は、いうなれば、太陽ー惑星系、恒星ー惑星系もしくは惑星ー衛星系から離れて俯瞰した見方だ。 ○内からの見方、人間の用・実用 後述するように現実的に目の当たりに見え、「実用」もあって、楕円の大きさでは楕円軌道の態様から、太陽や地球を基点とした距離をとって、次のようにいう。 太陽、または、地球からの、すなわちは、楕円の「焦点」から、最も近い点や遠い点の距離をとって、長径とか短径とかの楕円の端から端の距離ではなく「近点」や「遠点」で表すこともある。 やはり、外からでなく、内からみた楕円だ。 ○長径、短径と長軸、短軸 楕円には2つの焦点を通る、長径、長軸と、その長径の真ん中で直交する短径、短軸がある。 ○長軸と短軸は性格、出自が違う 長軸と短軸の両方に対し対称的であるが、長軸と短軸とではいささか性格が違う。 楕円は出発点を真円と考えて、その中心が「長軸」上で2つの「焦点」になって分かれて離れていくイメージだ。 ○円が歪む 長軸上での両端が変わらず、中心がずれ2つの「焦点」として離れた分だけ「円」が尖り、短軸に対しては緩やかになり「円」が凹むイメージだ。 ○楕円周は、円周から短軸上で凹み、長軸上では不変 両方の「焦点」からの「円」周に引いた線の長さは、そのまま元の「真円」の「半径」と変わらないように、楕円の短軸方向の周囲は凹んでいき、一方、長軸上の「円」の間の長さは元の「真円」の「直径」と変わらず、楕円の周囲が尖っていくイメージだ。いずれかの焦点から「円周」との交点が、近い方が「近点」とよばれ、遠い方が「遠点」とよばれる。 ○中心が2つの焦点に分解したずれ具合が離心率 離心率( e )とは、元々の一つであった中心が、どれだけの長さ( a )の離れた2つの焦点に分かれたかを、元の半径の長さ( p )との比( e = a / p )をもって表したものだ。つまり楕円の場合、1より小さい。 離心率にはいろいろな定義が紹介されているが、こうして真円から中心が焦点として2つに離れていってしまった楕円の場合のその度合いだとイメージすると、「離心率」という漢字熟語からはかりやすいと思う。後述する、二つの天体がどのようにお互い影響し合うかというイメージにも合うかと思う。 ○焦点がより外側に向かうと放物線から双曲線になる 因みに、このイメージからいうと、中心がずれて、元々の円周のところに(焦点が)ちょうどあるのが放物線(ずれた長さがちょうど同じ、つまり離心率が1)であり、さらに外側にずれたのが双曲線(ずれた長さが半径より大きい、つまり離心率が1以上)と説明される。 ○扁平率 さらに、天体「間」の話ではあまり使われないが、例えば、天体の地球自体がどれだけ極地間の直径が赤道直径に比べて凹んでいるかといったときに「扁平率」といった率が用いられる。これは上記のイメージからいえば、(極地間=短軸方向にどれだけ)凹んだ長さと、元の半径の長さとの比だ。 極半径と赤道半径は観測しやすかった、しやすい、ということがその要因の一つと考えられるが、直接的な極間直径と赤道直径の比ではなく、凹んだ分との比率だ。 楕円については、多くの人間と「自然」との間に横たわるテーマ、より精確にいえば人間のテーマがあるが、補題の補注のさらに注釈が長くなるので、そうしたものを軽く2点紹介するにとどめ、子細はいずれかの機会に譲りたい。 字数制限を超えてulできなかったので、途中ですが次に続きます。 この項は、筆者が作成した、 旧暦・西暦・グレゴリオ暦・ユリウス暦・干支・六曜・七曜、対照表 全日版(嘉永7年の元旦から明治6年の正月の晦日) の解説の一部です この補題の最初は です。 |




