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サイクロン、ハリケーン、タイフーンそして台風の観測、予報システム―命名という権威(その3) [2012年10月31日(Wed)]

<承前>

さて、ハリケーン・サンディの米国東海岸上陸に本稿が重なったため、大西洋北西岸のハリケーンの命名を中心にいくつか紹介してきたが、世界全体の現在における、サイクロン、ハリケーン、タイフーンそして台風の観測、予報システム、命名について今回は「上流」からそのシステムをみてみたい。

経緯や仕組みは後日紹介するとして、世界がどのようにサブ・システムに分かれているから紹介したい。(公式にはサブ・システムという言い方はない)

台風関連では、世界は5つのサブシステムに分かれている。

気象に関心を持つのは人間なので、基本的に、世界の全般的な気象システムは、元々人間の住む「陸地」をベースに分かれている。

それは、交通や観測技術、解析力が未発達な時代から、人間が二足歩行し空を仰ぎ、身の回りの天気に一喜一憂する太古から刻んできた歴史にも当然のことながら密接不可分である。それぞれの地上生活、風土等の与件の気象への依存度や国力や覇権獲得、軍事行動等という生々しいものにも左右されてきた果ての、現時点での所産でもある。

従って、長いこと、陸上の気象が主要関心事であったし、陸上から見える、もしくは国力の及ぶ範囲での「気象」であった。

しかし、気象は地球総体が連動する水や空気のダイナミックな動きであるし、太洋・地球・月そして宇宙を繋ぐ大きな「エネルギー」の動きの一部であって、陸上の政治地図には無関係だ。とりわけ地球の気象は海と陸と大気の間でおこる空気や水や熱等が循環する大きなシステムだ。

地球表面、地表の大半、2/3を占める残りの1/3との間の「水」の大気中の動きが、文字通り地球大で、各地の「雨」や「風」、「雲」という人間の関心事を支配している。

雨、風が海から運ばれる実感がある沿岸部ではもとより海は大きな関心ではあった。「海象」とよばれる海の気象は人間が陸を離れて航海するようになって当然のように関心事ともなった。しかし、「世界」の拡大は、海を越えた戦争や覇権争い遠い植民地での生産活動、資本への関心などという「需要」に、海上空中、宇宙からの観測が出来るようになってきたので海象は勿論のこと、国境そして陸をこえた「気象」に関心そして何よりも「必要性」が飛躍的に拡大した。

さて、サブ・システムの「Committee、Panel 委員会」の名前がスラッシュ、「/」、で繋がっていることが象徴的だ。()内は主要担当海域)

WMO/Regional Association I (RA I) Tropical Cyclone Committee
(Southwest Indian Ocean)
WMO/Regional Association IV (RA IV) Hurricane Committee
(North Atlantic Ocean, Caribbean Sea, Gulf of Mexico and the eastern North Pacific)
WMO/Regional Association V (RA V) Tropical Cyclone Committee
(South Pacific Ocean and southeast Indian Ocean)
WMO/ESCAP Panel on Tropical Cyclones
(Bay of Bengal and Arabian Sea)
WMO/ESCAP Typhoon Committee
(Japan and Southeast Asia)

WMOと、最初の3つは「Regional Association 地域連合」、後2つはESCAPが繋がっている。

それぞれの担当「Basin=海域」をみる。
最初の3つ。
一つ目は、アフリカ大陸東岸のインド洋の「南西部」
二つ目は、米大陸北部を囲む、北大西洋と北太平洋の「東部」
三つ目は、豪州を両側の、太平洋の「南部」とインド洋の「南東部」

全体からみると、米国を含む、英国を筆頭に欧州各国がかつて植民のため航行した海域、植民した地域で「台風」が出現する地域だ。

Sandy命名の元は二つ目の◆WMO/Regional Association IV (RA IV) Hurricane Committee、ということだ。

後二つはESCAP、すなわち「Economic and Social Commission for Asia and the Pacific アジア太平洋経済社会委員会」、という以前紹介した ECOSOC 国連経社理5つの地域委員会の一つの傘下組織との協同組織になっている。

現在は、53の正式加盟国と9つの準加盟国及び地域によって構成されている委員会であるが、元はECAFE=United Nations Economic Commision for Asia and the Far East -国際連合アジア極東経済委員会だ。領有権問題でも、最近 ECAFE が話題になるが、「新国際経済秩序」の雄でもあった。いずれにしろ、日本が第二次大戦中、戦場とした極東・東南アジア諸国が戦後疲弊した中での戦後復興の受け皿であり、さらには新しい地域経済体制の「勢い」の要だった組織の後進だ。

それら2つの担当「Basin=海域」は、

一つ目は、インド亜大陸を囲むベンガル湾とアラビア海等
二つ目は、日本と東南アジア地域

つまりインド亜大陸周辺と東南アジア・東アジアの「台風」の地域だ。

続く
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