これからの問題 [2005年10月08日(Sat)]
Chronicle of Philanthropy 5 Oct, 2005 の
「Tips for Crafting a Sexual-Harassment Policy to Protect Nonprofit Workers=非営利事業従事者を守るためのセクハラ対策策定へのヒント」 http://philanthropy.com/jobs/2005/10/13/20051013-244345.htm では、女性あるいは同性同士のセクハラもあり得るし、非営利だからといって、役員も職員も、あるいは寄付者も、一般の組織と比べて、セクハラに関しては特別なことはないとの指摘はともかく、ボランティアへのセクハラについて、事後に報酬を受け取った場合、報酬の授受のない場合は認められないとする判決がほとんどである実態であっても、司法判断が変わるかもしれないということが言及されています。米国では、良くも悪くも、ボランティアへのセクハラ問題についての論議が一定程度進んでいることがうかがわれます。 また、同号の特集記事 「Where Should the Money Go?=何処に金が行くべきか』 http://philanthropy.com/free/articles/v17/i24/24000901.htm では、カテリナに対し、米国赤十字が、総額$2-billion=20億ドル、約2300億円の募金を発表したことを巡り、かつて9/11で寄付が集中した同赤十字への<長期対策か緊急支援か>を巡っての批判も底流にして、論議が起きていることを報告しています。一組織への過度の資金集中による失政等のリスクや、「一」災害への極度の資金集中が他の募金活動への圧迫となることへの警戒、逆に資金の過度の分散による非協調、非効率への不安、あるいは、大事件発生の時期に、『慈善」に対して社会が喚起している時期を失すべきでない、あるいは、社会が「慈善行為」を望んでいるときにこれに呼応しないのは「慈善の代行者」としての原理矛盾だという、古くて新しい議論が展開されているようです。 先進国での自然災害、非自然的災害がどの程度増加しているかについては、どの程度のスパンで見るかによって差が出るのは当然です。しかし、少なくとも先進国においては情報や物は以前に比べれば桁違いに早く伝播することと引き換えに、同様に、ミサイル、細菌、洪水、等々が、これらを阻止あるいは改善する間もないほど、瞬く間に多数の人口に広がることが顕著になってきていることは現実のように思われます。個々の簡便化は全体の複雑化、一体化と引き替えである以上、人類にとっての「不幸」の周期があまり変わらないとしても、一旦「不幸」が起きると回復の速度が間に合わない時代に突入してきたのではないでしょうか。 |