NPOとは何か(その2) メン・イン・グレイ [2012年07月26日(Thu)]
<承前>
前々回の記事から日がたったので要約すると、 ◆非営利組織とは? ◇営利組織でないもの。 ◇収益を自らに配分しない ◇「有償」の「組織関係者=メンバー」が不在の組織 ◇ボランタリーな組織 ◆ボランティア活動とは? ◇使役、労働を「主宰」組織に現物提供 ◇労働対価、報酬を貰いながらも、その場で同額を寄付 ≪ボランティア活動と寄付との差は「精神性」?≫ ◇「専門性」、専門的な知識、技能、経験、が必要、「専門家」が中核 ◆「専門家」とは? ◇「普段」の「生業」での「専門的役務」を「有償」で提供 ◆ボランティア活動は「専門家」が「普段」の「生業」での「専門的役務」を「無償」で提供 ◆専門家、専門性とは? ◇「知的技能」から「肉体的技能」まで、範囲をどこに求めるか難しい。 ≪専門性から「複雑性」、「経験知」とかの曖昧領域の定義を棚上げ≫ ◇元々「有償」の「役務」を「無償」で提供していることが「線引き」の原点 ◇「労働対価」を得られるような「役務」 ≪前提:ジョブ・ディスクリプション、雇用者、マネジメント、組織、目標≫ ◆対価のない、市場にのらない専門性もある ◇パーマカルチャー、バイリンガル、シャドウワーク等々 ◇時間、身体、信用の提供 ◆何故、ボランティアが必要なのか? ◇日常時に不要、非常時に必要 ◇規模の分岐点、タイムスパンの分岐点 ◇天為、人為の与件によって社会が忌避したか、賄えなかったことによって、不在か稀少か消失したものだから ◇そして、他所でも、過去にも、存在しない「専門性」 といったことだった。 こうした、問題点を念頭に、少し、「非営利組織」という熟語に寄せて、こじつけにならない範囲で、少し言葉遊びも入れて、今回は概念的に考えてみたいと思う。 さて、非営利とは字義通り、営利に非ざるもの全てとなる。 従って、補集合、背反律なので、営利と非営利を合わせた全体とは何か、演繹的であれ帰納的であれ範囲を設定しなければ、泥沼に陥る。 一つは「組織」の全てが「非営利組織」か「営利組織」に分れるという前提にすることだ。 それでも結局は「組織」を帰納的に定義づけないといけない。熟語の最後「組織」とは何かということになる。「テキスト」という彩りがみえる。 次は「営利」。 まず、「利」から。非営利組織にしろ、営利組織にしろ、前記の通り、往々にして「利己的」なのか「利他的」なのかが問題になっている。 そのいずれでも、自己の延長をどこまでと設定するか、自己と他者の区分、境界域を如何にするかが争点になる。 個人と組織、諸組織の全体、社会といったもの同紙の自他の関係だ。自己と他者を合わせた全体、外延がどこまで何なのか、人類までなのか、生物までなのか、ガイアまでなのか、といったことの設定も必要だ。雨滴が広げる水紋、「場」という面がみえてくる。 戻って、「営」。営み。内容が何であれ、組織の内外の関係性がダイナミックに動いていくことだ。主体とか従属といったものから、協同といった言葉も見えてくる。Michael Andreas Helmuth Endeミヒャエル・エンデ ( 1929.11.12 – 1995.08.28 )の Men in Grey 時間泥棒ではないが、「時間」という軸が浮かび上がる。 「利」の焦点が共時的なるもので、「営」の焦点が通時的なるもので、両者が相補しながら「営利」というものになっているといえよう。 次回以降続けたい。 |