冬虫夏草、共生-休題の本 [2010年10月05日(Tue)]
|
さて、カトーから始まったガリレオについての紹介も、再びバイロンに戻り、カルヴィン、そしてブレヒトなどとの四つ巴に差し掛かったため、チェックすべきものが多く、再開まで今しばらくかかりそうです。
前回紹介したミニ図鑑での「冬虫夏草」といえば、多くの団塊周辺世代にとって、白土三平 (1932.02.15 - ) が最初の出会いだと思われます。 それは同じ1959年に創刊した「週刊少年サンデー」(小学館)が「週刊少年マガジン」(講談社)を引き離し、50万部の発行部数になりながら、遂に1963年、第三の「週刊少年キング」(少年画報)が登場し、「週刊少年誌」に「少年画報」(少年画報社) 35万部「少年」(光文社) 45万部「冒険王」(秋田書店) 21万部などと月刊漫画誌が圧倒されはじめた頃です。まだまだ3誌が、まさに団塊の世代と随伴し、その名の通り、「少年誌」の時代でした。手塚治虫の連載の奪い合いなどの3誌乱戦模様の中、貸本漫画からの作家起用、再発掘が始まった頃です。 その後、団塊の世代が高校・大学或いは社会人になっていく60年代末期には、音羽の「マガジン」はそのまま青年誌へと変貌し、150万部を超え、一ツ橋の「サンデー」は「ビッグコミック」と、後の1995年には653万部を出すことになる、「少年ジャンプ」へと分解していきました。 そうした時代でしたが、「冬虫夏草」は東京オリンピックの前年、1963.12.15号の「週刊少年サンデー」で始まった「イシミツ」<当サイトで表現できない漢字4文字。「木」偏に「色」、「身」偏に「黒」、人偏に「黒」、さんずいに「黄」>の連載で、1964.01.01号の第3話で初出となり、その後、幾度となく「忍法秘話」の一部として、採録されています。こどもに冬虫夏草が生えているコマが印象的です。 白土三平はカムイ伝、カムイ外伝、忍者武芸帖、サスケなどによって「忍者」漫画としての面白さだけでなく、「階級」を描いたとして、これらの発表当時から、学生の好きな「有名人」の中で人気1位を獲得するなど、学生に広く受け入れられていました。 しかし、忍者、階級、の二つだけが若者をして白土三平に魅かれるようにした理由でないことは明らかです。ガイアや生態系、ましてはエコなどの単語や概念が日本で話題になる半世紀以前から、白土三平は広い意味での「人間と自然の共生」を視点に持っていたことが、少年、青年たちに支持された理由だと思われます。 そもそもベストセラーという言葉を生んだといわれる光文社の新書判のカッパのシリーズの中で、栗本慎一郎の経済人類学、「パンツをはいたサル―人間は、どういう生物か」を世に出したKAPPA SCIENCE のシリーズで森毅編による「キノコの不思議」(1986.09.30)があります。これも後に出された光文社文庫のものを含め中古市場でしか入手できないようです。 この中で、珍しく白土三平が寄稿しています。「目くらまし」「モドキ」「共生」「聖水」「冬虫夏草」の5章に分かれた全9頁の「心に潜む冬虫夏草」という題のエッセイがおそらくこうした白土の一端を示しています。 あわせて、白土三平論に欠かせない四方田犬彦の大作も紹介します xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ここをクリックするとこのブログでの「書籍紹介」というカテゴリーの記事が一覧できます |




