70年代 雑誌、哲学、芝居 ―カトー研究所―国境なき記者団(報道の自由その42) [2010年01月13日(Wed)]
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承前
この記事を掲載するまでに、またしても沢山の時間が経過してしまいました。 病と人間の関係をなるべく精確に紹介しようと、再確認したり、調べているうちに、深みに嵌ってしまいました。特に、それらが30〜40年前の、70年代から80年代初頭にかけての、筆者の書籍体験に重なっているため、ノスタルジーとともに、ますます深みに入り、時間がかかってしまいました。 わけても、三冊の書籍が今回のテーマに、それこそ当時のいい方かと思いますが、「通底」するのです。 多分に主観的で恐縮ですが、当時の「文芸」の世界は、60年代末期の熱い夏から、遅れてか、離陸、離心したからか、探り始めたのか、凍える冬と彩りの秋が綯い交ぜになった「活況」を呈した様相でした。 まず、時代の雰囲気を「文芸」雑誌の創刊号でみてもらうと次の通りです。 1968年・血と薔薇・澁澤龍彦・天声出版 1968年・パイデイア・安原顯・竹内書店 1969年・海・近藤信行・中央公論社 1969年・ユリイカ・清水康雄・青土社 1969年・地下演劇・榎本了壱・グロオバル社 1969年・ディオゲネス・貝塚茂樹、久野 収、桑原武雄、鶴見俊輔、日高六郎・河出書房 1970年・季刊同時代演劇・演劇センター68/70出版委員会・晶文社 1970年・人間として・原田奈翁雄・筑摩書房 1970年・思潮・清原悦志・思潮社 1970年・初原・内村剛介・現代思潮社 1970年・季刊辺境・井上光晴・豊島書房 1971年・月刊噂・梶山季之・季龍社 1972年・面白半分・吉行淳之介・面白半分社 1972年・TAU(Trans Architecture & Urban)・石川喬司・商店建築社 1972年・現象学研究・久保覚・せりか書房 1973年・現代思想・中野幹隆・青土社 1973年・幻想と怪奇・紀田順一郎/荒俣宏・三崎書房 1973年・詩とメルヘン・やなせたかし・サンリオ出版 1973年・終末から・原田奈翁雄・筑摩書房 1973年・芸術倶楽部・粟津潔・フィルムアート社 1973年・ワンダーランド・植草甚一・晶文社 1973年・ROLLING STONE・平林千春・ローリングストーンジャパン 1973年・どるめん・萩書房 1973年・季刊ドラキュラ・唐十郎・新樹書房 1973年・季刊トランソニック・高橋悠治・全音楽譜出版社 1973年・牧神(minus3号)・菅原貴緒・牧神社 1973年・写真批評・桑原甲子雄・東京写真専門学校出版局 1974年・奇想天外・曽根忠穂・盛光社 1974年・東アジアの古代文化・大和岩雄・大和書房 1975年・ビックリハウス・萩原朔美・パルコ出版 1975年・幻影城・島崎博・絃映社 1975年・季刊三千里・李進熙・三千里社 1975年・知の考古学・田村研平・社会思想社 1975年・季刊藝能東西・小沢昭一・新しい芸能研究室 1975年・マスコミひょうろん・岡留安則・マスコミ評論社 1975年・エピステーメー・中野幹隆・朝日出版社 1975年・季刊無次元・次元社 1975年・奢霸都・生田耕作・奢霸都館 1976年・森・小野夕馥・森開社 1976年・地球ロマン・(本多義一)伊藤裕夫、武田洋一・絃映社 1976年・月下の一群・唐十郎・海潮社 1976年・ポパイ・木滑良久・平凡出版 1976年・STUDIO VOICE・佐山一郎・流行通信 1976年・季刊日本思想史・ペリカン社 1976年・音楽全書・府川充男・海潮社 1977年・季刊映画宝庫・双葉十三郎・芳賀書店 1977年・パンドラの匣・高橋丁末子・牧神社 1977年・OUT・本村行雄・みのり書房 1977年・ノラ・藤森正一・婦人生活社 1977年・わたしは女・石井慎二・JICC出版局 1977年・大正および大正人・深見喜久男 1977年・The Meditation・三澤豊・平河出版社 1977年・絶体絶命・滝井圀夫・幻影城 1977年・月刊ことば・外山滋比古・英潮社 1977年・月の牙・河村悟・月の牙編集委員会 1978年・GORDOn・三田寛之・蒼竜社 1978年・GULLIVER・高倉一・檸檬社 1978年・カイエ―新しい文学の手帖・小野好恵・冬樹社 1978年・夜想・今野裕一・ペヨトル工房 1978年・スターログ・鶴本正三・ツルモト・ルーム 1979年・噂の真相・岡留安則・噂の眞相 1979年・レビュー・武田好文・螺施社 1979年・インパクト・深田卓・イザラ書房 1979年・同時代音楽・府川充男・ブロンズ社 1979年・迷宮・武田洋一・白馬書房 1979年・季刊ソムニウム・生田千恵子・エディシオン・アルシーヴ 1980年・写楽・清水掬甫・小学館 1980年・BRUTUS・木滑良久・平凡出版 1980年・ALLAN・南原四郎・みのり書房 1981年・モノンクル・伊丹十三・朝日出版社 入手した記憶のあるものを中心に創刊の年月の順に、あえて編集者名とともに列挙しましたが、書物の山の奥にある等、実物にあたれないものも多々あり、また、順序も奥付を拠り所にしているので、実際に颯爽と登場したときの風景とは一致しないかとも思います。 しかし、単なる読者として思い出してみても、三号といわず創刊号で終わったりしたものから、今日まで続いたものまでを含めて、一誌一誌それぞれの物語が浮かぶかのような、結構、意欲的な時代であったことは控えめに見てもいえるように思われます。 「文芸」から「哲学」に視点を転じますと1973年に富山で始まった「山崎賞」も哲学奨励山崎賞の名称で最初の頃の受賞者は、 1973年 村上陽一郎(1936) 1974年 廣松渉(1933) 1975年 市川浩(1931) 1976年 坂部恵(1936) と続き、カッコ内は生年ですが、いずれも昭和ひとケタ世代で受賞当時36歳、41歳、44歳、40歳の気鋭の論者達が活躍していました。 旧来のプロセニアム・アーチから外れ始めた芝居の状況をみてみます。新劇戯曲賞と岸田演劇賞が合流して岸田國士戯曲賞となる中間期の「新劇」岸田戯曲賞からピックアップすると、 1968年の別役実(1937)からはじまって、 1970年=唐十郎(1940)、 1971年=佐藤信(1943)、 1972年=井上ひさし(1934)、 1974年=つかこうへい(1948)、清水邦夫(1936)、 1978年=太田省吾(1939)、 1979年=岡部耕大(1945)、 1980年=斎藤憐(1940)、 1981年=竹内銃一郎(1947)、 1982年=山崎哲(1946)、 1983年=野田秀樹(1955)、山元清多(1939)、渡辺えり子(1955)等 と賞の性格柄もありましょうが、「哲学」からみると30台を中心に、幾分若く、圧倒的な、焼け跡・闇市世代から低い比率の団塊の世代、そして一挙にシラケ、三無世代へと連なっています。 1984年から始まった朝日ジャーナル筑紫哲也の「若者たちの神々」、「新人類の旗手たち」、「元気印の女たち」の連載には「元気印」「旗手」はもちろんのこと、視点は違うものの、「神々」にすら、上記の中からは同時代の1983年に受賞した野田秀樹ひとりであり、70年代は騒がしくも70年代とともに疾駆していったことが良くわかります。 続く xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 「報道の自由」はここから始めました。 「閑話休題」の....... 最初はここです。 直近はこれです。 |




