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疱瘡、感染症、生態系、栄西 ―カトー研究所―国境なき記者団(報道の自由その41) [2009年07月08日(Wed)]

承前

人口や寿命について紹介しましたので、これと密接に関連し、最近でも話題となっている、感染症について、この栄西のこの時期に沿って紹介します。

栄西が叡山に入った年は諸説ありますが、1159年より栄西は竹林房有弁に師事し顕教を学びながらも、一時期1162(応保2)年に疫病が流行したため家族の身を案じ叡山を下りて帰郷し、そのまま伯耆の大山で習禅房基好に穴太流を学んだ後、叡山に戻ったといわれます。この部分が重要なのは、この基好に学んでいるとき入宋を志したいう説があるからです。そして、そのことがなぜ入宋したか、ひいては、栄西の思想の根本を知るヒントになるからです。

また、騒動が嫌で叡山を出たり、肝心のテキストたる経典をみるために叡山に戻ったりを繰り返した、とするはなしをおきながらも、確定しきらない栄西の人生はとりあえず、おくとして、本稿では「疫病が流行したため家族の身を案じ帰郷」した時代について紹介したいと思います。

孝徳天皇の時代、645年6月19日の大化への改元以来、1989年1月7日の平成への改元を含め237の改元がありましたが、そのうち、1094年12月15日の嘉保への改元から始まって、1457年9月28日の長禄への改元を最後にして、約350年、110回の改元の中で、明示的に疫病、疱瘡、痘による改元が22回ありました。つまり、5回に1回が疫病による改元です。11世紀1回、12世紀5回、13世紀5回、14世紀9回、そして15世紀2回です。

そもそも、日本で記録されている最初の疫病は、日本書記巻第十九、欽明天皇の時代、546年頃の記載で、仏教伝来と、良くも悪くも、同書中でも関連付けられています。いわゆる崇仏派の蘇我稲目と廃仏派の物部尾輿のやりとりで、蕃神(仏教)を持ち込むと、国神の怒り(災い)を招くといわれる中で、稲目の小墾田の家、向原の家にまつったところ、病がはやったという話です。

次に約三十、四十年後、敏達天皇の時代、584年以降、仏教をまつって、あるいは、仏教を蔑ろにしてという、よく知られる蘇我馬子と物部守屋の争いで、どちらにしても、災いが避けられなかった話の展開になります。これが日本史上二度目の感染症の公式記録です。

「疫病の世界史」ウィリアムHマクニール等によると、このあと、日本では12,13世紀まで、凡そ三十、四十年の周期で疫病(痘瘡)が繰り返されるとのことです。この現象は同じ島嶼国、英国でも類似して見られるそうです。

つまり、大陸での農業の発達、開墾の進展などを中心にして人間にとっては未知だった生態系への人間の侵入。人間と新たな微生物の新しい緩慢な「共生」「寄生」する生態系の構築。食料の調達能力、移動能力と風土への順応力に優れた人間が、人口集中と人口移動を加速させる中での新「生態系」の拡大、免疫の構築をしていったわけです。

ところが、どこまでも地続きで、連続的に、時間的にも空間的にも緩慢に、折り合いをつけながら発達した大陸の人間の絡んだ生態系と違って、「ガラパゴス」的に、英国や日本のような島嶼国へ、容赦のない感染症の急襲、あるいは断続的な侵入に、それこそ、無防備、「箱入り」で無抵抗な島国。という、構図で、本来なら乳幼児期や若年で免疫を作っているものを、あるいは、もらってくるものを、それがないために、短周期的に、矩形的に、長く、幾度となく、感染症に侵されてきたそうです。

続く
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