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ブランドの世界―国境なき記者団(報道の自由その23) [2008年04月23日(Wed)]

承前

さて、長野リレーが近づくに連れ、今回記事タイトルもあり、「国境なき記者団」、とりわけその資金源について、当ブログへの訪問、質問が増えてきており、のんびりと連載できなくなってきたと感じています。連載当時は「国境なき記者団」がここまで「アドボカシー」はもちろん「プロアクティブ」で「アクティブ」な活動をこの時期に行うことは予想していませんでした。周辺からゆっくりと、今日の国際社会をよくあらわし、毀誉褒貶をよぶ「国境なき記者団」現象の紹介をしていく算段でした。

骨格としては「国境なき記者団」を中心に、グローバライゼーションとローカリティ/ローカル性というもの関係性の変化の進行が、政府セクター、企業セクターとメディア・セクター毎にずれながら絡み合い、各セクター内の「組織」が意識的・無意識的に合従連衡を行う様相に、いわゆるNPOセクターも絡み合っていくか紹介しよう考えていました。

聖火が事件となりはじめ、これらセクターに宗教セクターとスポーツセクターの絡み合いも顕在化し、紹介する「材料」としては良いのですが、些か広範囲なものになってきてしまいました。

「近代科学」と「アルケミー」、「体」と「心」、「聖」と「俗」、「ブランディング」と「匿名性」、「マス」と「セレブ」などテーマは枚挙に暇がありません。

そして、以前、少しばかり紹介しました、「オリンピック」という、すぐれて「ローマ」前史、「ヨーロッパ」前史と現代ヨーロッパ、現代国際社会を連結させた今日的グローバライゼーションの象徴ともいえるものが、本記事とさらに重なってしまい、本ブログの底流のテーマのひとつとしたい、現代組織とヨーロッパ歴史の関係とも良く連動しいささか長くなってしまいました。


今回は、これから紹介しようとしていた「国境なき記者団」の有力な資金源と「いわれている」バカルディについてとりあえず概観します。(バカルディ家とバカルディ社と厳密に区分していませんので不正確な表現になっているかも知れませんし、原資料の再検証ができていないものもあります。誤記を指摘していただけたら幸甚です)

バカルディと元々はそれまでの蒸留酒、ラムをより一般、労働者がのみやすいソフトなものとして開発し、大衆化しました。原料は大きな労働力が必要なサトウキビです。

1892年、スペイン風邪に悩むキューバの宗主国スペインの国王アルフォンソ13世がバカルディのラムで治り、王室御用命となり、現在もラベルに記される王冠印として残っています。

1898年にキューバはスペインからの独立時にはバカルディ家は独立を支援し、米国「占領」下、バカルディは、米国からもたらされたコカ・コーラでラム酒をわるキューバ・リブレ/キューバ・リーバ/クーバ・リブレ(自由キューバ)、或いはダイキリというカクテルを育み、さらにバカルディ家の長男はサンティアゴ・デ・クーバの市長に指名され、バカルディはキューバ、そしてラム酒の代表的な「ブランド」となりました。

1920年の米国での禁酒法は粗末な密造酒に囲まれていた米国人のキューバ観光での飲酒体験によりさらにその名を広げ、1936年にはバカルディという名のカクテルをめぐり、バカルディ社のラムを使用したものに限定する米国での訴訟にも勝ちます。この頃、製造をはじめとする本拠地をキューバ外に移しています。

その後、例えば、1954年、ダイキリを愛し、「誰がために鐘は鳴る」でバカルディ傘下のアトゥエイ・ビールを賞賛したキューバ在住のヘミングウェイのノーベル文学賞受賞に当たっては1956年にアトゥエイ・ビールのモデロ醸造所で祝賀会を主宰するなど、キューバにおける地位は確かなものになっていきました。

しかし、バカルディ家は1950年代から始まるキューバ革命においては、例えば1959年の革命側の米国との通商団をバックアップするなどキューバの名家として貢献したものの、最終的にはキユーバ外に「亡命」します。

その後、今度は「ハバナ・クラブ」という商標を巡り、キューバ政府に接収されたキューバの会社との本家争いを巡り、キューバに対抗する米国の貿易政策と連動し、外国系のものを排除する著名な「オムニバス法」の成立にまで発展し、バカルディは名実ともにその地位を確立しました。

キューバのブランドにはフランス系の酒会社がバックアップしました。

このフランス系のものと、バカルディ系のもののほかわずかばかりのグループとで世界の酒はあれだけのブランドと談義があっても、グループ化しています。因みに、以前紹介したように「国境なき記者団」はフランスが「本部」です。

バカルディは全米キューバ系アメリカ人財団など亡命キューバ人の最大手のパトロンです。

企業のM&Aはどの分野にもありますが、この酒業界のほか、アパレル、薬など「ブランド」が生命線である業界も、ブランドの多様性とそれぞれの歴史性を保持しながらも、酒同様に少数のグループによって寡占化され、入り組みながら世界を切り分けています。

国際的な企業セクターの切り分けが入り組むのは、例えば「地政」上のきりわけとは違うから、つまりは国際的な政府セクター内のグローバライゼーションとローカリティーとの緊張関係との入り組みかたと合従連衡しながら、複雑に入り組むからです。

続くxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
「報道の自由」はここから始めました。

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