公共の金とは?米国の公共放送のディレンマ [2006年04月25日(Tue)]
米国の公共放送が予算獲得に向けて、ウェブで支援を呼びかけ始めました。
米国の公共ラジオの連合、NPR(National Public Radio)=全米公共ラジオと 公共テレビの連合、PBS(Public Broadcasting Service)=公共放送サービス、並びに、 アドボカシー活動のためのローカル・公共テレビの協会、APTS(Association of Public Television Stations)公共テレビ局協会が合同して 「彼らに公が(重要な/人々が気にしている)ものだということを知らせてやれ」(Tell Them Public Matters)というウェブサイトを立ち上げました。 http://www.tellthempublicmatters.org/ 2006/04/24号のニューヨーク・タイムズの記事によると http://www.nytimes.com/2006/04/24/business/media/24pbs.html?_r=1&oref=slogin 昨年公共放送局は連邦予算のカットに対応して各局でキャンペーンをうったとことろ、予算の回復には成功したものの、そうしたロビー活動のために連邦予算を使用したとして、批判を浴びたそうです。 NPRは1970年に設立された800有余の局とスタッフ700名よりなる公共ラジオ・キー局です。 http://www.npr.org/ 週130時間配信しており、中でも朝のニュース番組Morning Editionは米国随一の聴取者を誇るそうです。年間収入予算は1.6億ドルで、4割弱が配信料から、2割弱がスポンサーや助成金からです。加盟地方局の平均収入予算の構成は34%が聴取者, 24% がスポンサーや助成金から、13%が連邦からの補助です。 一方、PBSは348の公共テレビ局の連合体で1969年に設立されました。 http://www.pbs.org/ 年間収入予算は3.3億ドルで、47%が加盟局から、24%;が連邦からの補助で成り立っています。 元々PBSは字幕放送や、衛星技術を使用した番組配信を最初に行った放送網であり、コスト削減の圧力の中、時間帯の違う米国各地に配信する宿命に、いち早く、自動化したことでも知られています。 http://www.microsoft.com/japan/business/industry/mande/PBS.mspx 今回のウェブサイトでも、右下に This site not paid for with Federal funds.(=本サイトは連邦資金によって賄われていません)と明記されています。 予算獲得のための経費は連邦予算とは違う予算からという論理で、米国を感じさせます。 |