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ラヴェンナ(20)ワイルド−魅せられた人々(2)。国とは?その51―閑話休題(再三) [2007年09月18日(Tue)]

<承前>

まず、戯曲「サロメ」の作者、耽美主義者同性愛者として形容される、Oscar Fingal O'Flahertie Wills Wilde オスカー・フィンガル・オフレアティ・ウィルズ・ワイルドから。

母親、ジェイン・フランセスカ・アグネス、ワイルド卿夫人 Jane Francesca Agnes, Lady Wilde(旧姓:Jane Frances Agnes Elgee 〜フランセス 〜・エルジー、筆名:Speranza スペランザ)は詩人でありアイルランドの愛国者の運動、「Young Ireland ヤング・アイルランド」、の支援者として「The Nation」紙に詩を寄稿したり、編者であったことで知られています。

この母親のジェインの祖先が、他ならぬラベンナで死んだ、「Divine Comedy 神曲」の作者ダンテ・アリギエリだといういわれ方もありますが、確認されているのは、1730年代の建設ブームに湧くアイルランドに、英国はイングランドのダーラムから移住してきた、デベロッパーの子孫だといわれています。

さらに、この母方の大おじは、最後のGothic romances ゴチック・ロマン文学といわれる「MelmothThe Wanderer放浪者メルモス」の作者あるいは、オペラ「IL PIRATA 海賊」(1827: ベッリー二)の原作者にして、聖職者のチャールズ・ロバート・マティューリン Charles Robert Maturin (1782−1824)です。

母親、ジェインが支援者となった「Young Ireland ヤング・アイルランド」の初代会長Thomas Osborne Davis トーマス・オズボーン・デイビスです。デイビスは、司馬遼太郎が「街道を行く」シリーズの「愛蘭土紀行」で「フォーク・グループ」として紹介しているThe Wolfe Tones ウルフ・トーンズをはじめアイルランド人が第二の国歌と愛唱し、英国のBBC放送の人気投票で、世界1位となった「A nation once again」の作者です。

「A nation once again」はギリシア・ローマ時代の「300人」と「3人」の「愛国の戦士」に思いを馳せながら、アイルランドへの愛国心を歌い上げる「革命歌」です。「300人」はThermopylae テルモピュライの戦いのギリシャ人、そして「3人」とは 、 Horatius Cocles 独眼ホラティウスら、ティベリス川に架る木橋Sublician Bridge で敵からローマを守った有志達のことです。

この「300人」は今年イラン政府などの批判を受けながら公開された映画「300」の300人です。

続く

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バイロンの足跡をたどる記事は最初はここから開始しました。

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