「パンを分かち合う」から「支払う」まで−新刊「株式会社」紹介(その5)休題の休題―6 [2006年10月31日(Tue)]
<承前>引用を続けます。
中世期イタリアでは、ベニスの商人たちは国からのガレー船の賃借のためコンソーシアム、共同事業体、フィレンツェでは共同出資者全員があらゆる所有財産もって共同責任を果たすコンパーニアが結成された。また、コンパーニアとともに「バンキ=銀行」が発達した。キリスト教徒が法王令により金利の受領を禁じられていたが、かのメディチ家は、そのローマ法王の主取引銀行であったメディチ銀行を中心に力を持っていた。 (コンパーニアは「クム」と「パニス」、「パンを分かち合う」が語源) 今日歴史を誇る会社はこの12世紀頃に設立されたもの。最古は1136年の英国のアバディーン・ハーバー・ボードで、同じ頃の、コーポレーション・オブ・ロンドンは現在でも、3つの私立学校、4つの市場、ハムステッド・ヒース公園、ロンドンのシティ地区の土地の1/4を所有している。 この頃より、教会を含めた大学、都市など「社団」法人のもつ永続性が国王の不安の種となりはじめ、「死手法」などが公布された。しかし、統治者に相当額の寄付をする見返りに都市城壁内での商売を独占する「ギルド」は特定外国市場との貿易独占権を得た「制規組合regulated company」と深く結びついて国とともに発展していった。 (ギルドはサクソン語で「支払う」という意味のギルダンから) <続く> 「株式会社」紹介の最初はここから。 |