先日、観光庁が「ユニバーサルツーリズム」を促進するために行っている実証事業に選ばれた鎌倉の団体からのお申し出で、【みんなで創る、神経難病患者と鎌倉に行こうプロジェクト】のツアーの一環で、車椅子の方々や一緒に鎌倉を歩くボランティアの方々が、ドローンの映像を見たり、意見交換をしたりの会場として、鎌倉能舞台をお使いいただきました。
鎌倉能舞台では、40周年の舞台改修工事の際に、車椅子でも見所(けんしょ=客席)にお入りいただけるよう、展示ショーケースの側から入れるスロープを設置しました。学校単位での狂言教室などの際に、車椅子の生徒さんがいらしても入場いただけ、スロープ設置は有効だと感じております。
が、スロープがあるだけで、トイレは階段を降りた地下にしかないため車椅子などバリアフリーに対応していない、また客席も、お客さん用の椅子が並んでいてその椅子の収納ができないため、車椅子の方が数台客席にご入場の際は、椅子を見所の片隅に積み上げ、カーペットの上にブルーシートなどを敷き詰めないといけない、そしてさらに、一般のお客さんが入場される正面玄関(階段であがるため、そちらからは車椅子は入場できない)から能舞台の中に入ったロビーと、客席とが段差があるため、スロープから入られた車椅子は、ロビーにも出ることができない・・・
などなど、ユニバーサルな会場としてはまだまだ課題がいっぱいな建物です。
特に車椅子でも入れるバリアフリートイレは、鎌倉市長谷近辺では長谷寺さんに1つしか無いということで、高齢者や障がいのある方には厳しい、長谷の状況です。
鎌倉能舞台では、日本財団さまの助成を受けまして、見所に三台の、パソコンと簡単に繋げるモニターを設置、能の公演時には現代語と英語の字幕解説を写しだし、外国人の方や、高齢の方や聴覚障害のある方にも良いシステムだとお褒めの言葉を頂いています。
もう一歩、誰もが快適に能を見られる環境を作り上げるためには、誰もが使えるバリアフリートイレの設置、また、雨の日でも車椅子の方が安全にご入場できるようスロープの上にテントなどを出せるようにする、客席も、簡単に椅子を地下に収納できて床をフラットにできるようにするなど、ユニバーサルな能舞台を作り上げられたらなーと、強く思いました。
【みんなで創る、神経難病患者と鎌倉に行こうプロジェクト】の際は、プロジェクトにおける鎌倉能舞台の役割がよくわからず、車椅子の方が到着されてから椅子を片付けるスペース範囲を把握するなど、受け入れ体制としてはいろいろと反省するところがありました。
これからも鎌倉能舞台は様々な用途に対応できるよう、ご意見をとりいれ、変わっていきたいと願っています。
【みんなで創る、神経難病患者と鎌倉に行こうプロジェクト】の時の、鎌倉能舞台の様子です。
このたびは鎌倉能舞台をお使いいただき、たくさんのボランティアの方にもご来場いただきまして、ありがとうございました!