17日は、国立能楽堂での「能を知る会東京公演」でした。テーマは「能と歌舞伎〜山伏の力〜」、平成27年度文化庁芸術祭参加公演、でした。
お着物の団体のお客様、三越伊勢丹の旅ツアーや日経新聞の旅ツアーの団体のお客様も含めてたくさんのお客様にご来場いただきました。ありがとうございました。
まず、アナウンサーの葛西聖司氏の「能と歌舞伎」についての講演がありました。
能「安宅」は歌舞伎の「勧進帳」の原曲となりますが、狂言「釣針」も、歌舞伎では「釣り女」という演目である・・・ 能「安宅」の義経は子方が演じるが、貫太さんの解説にあるように、昔はお殿様がシテ(弁慶)をされたので、義経を家臣が演じると、殿様が家臣に土下座することになり具合が悪いからという理由の他にも、弁慶を筆頭とした郎等が守ってあげたい存在であるという理由から義経を子供にさせた、など、とても興味深いお話でした。

次に、狂言「釣針(つりばり)」 シテ 野村萬斎師


仕舞「隅田川」観世喜之師

仕舞「船弁慶」五木田三郎師

能「安宅 勧進帳 滝流 貝立」 シテ 中森貫太 間狂言 野村萬斎師
シテの弁慶を演じる中森貫太は、7回目の「安宅」の挑戦でした。

「貝立(かいたて)」という間狂言の小書で、ホラ貝を吹くシーンが加わります。



義経を演じた子方くんは、3歳から貫太師の子方を勤めてくれています。小学5年生での「安宅」の義経、堂々と演じてくれました。謡の声も明瞭で、弁慶が非礼をわびた後の、天の加護と思うとさとす義経の声が涙を誘いました。

同山(義経の郎等たち)は観世九皐会メンバーで、かなり場数を踏んでいるため、息の合った迫力のある同山でした。


(写真撮影:駒井壮介氏)
とても迫力のある、良い舞台だったのではないかと思います。文化庁芸術祭の審査員の先生方も最後までご覧頂きましたが、どのように思われたか・・・ご感想を何かの折にぜひ伺ってみたいものです。
ご来場いただきましたお客様、本当にありがとうございました!