「道成寺」 御礼の言葉 [2021年06月25日(Fri)]
6月20日、能を知る会東京公演「道成寺」、無事に公演を終了しました。本当にありがとうございました。
取り急ぎ、シテを勤めました中森健之介からの御礼の言葉です。 「本日は能を知る会東京公演に足をお運びいただき、ありがとうございました。 なんとか怪我なく無事最後まで道成寺を勤めることができ、一安心しております。 道成寺は若手の登竜門的な大曲でして、この曲を披くことによりやっと一人前のスタートラインに立てると言われております。 新型コロナウイルス感染症の影響により全く仕事のなかった昨年6月くらいから一通りのやり方を父から教わり、12月末頃に観世喜正師より最初の教導を受け、今回6月の本番となっております。 道成寺のお役が決まってからですと、少なくとも1年半程は準備を要するかなり特別な曲でした。 様々な助言や経験談を下さったお手伝いいただいた皆様には大変感謝しております。自分の中で噛み砕き、本番では上手くいったのではないかと思っております。 また、装束付け・出・次第・間狂言との掛け合い・物着・乱拍子・急之舞・鐘入り・中入・祈・留メと、最初から最後まで至るところに口伝・教えがあるという点でも特別かと思います。 能楽最大の舞台大道具・作り物【つくりもの】の「鐘」を、舞台上で使えるようにすることも秘事と言えます。 このような大曲を無事勤められたのも皆様のご協力あってのものです、感謝に堪えません。 終わった直後の今は少しゆるりとしたい所ではございますが、来月もすぐに矢来能楽堂にて若竹能で「竹生島」のおシテのお役を頂いております。 昨年からの延期公演なため道成寺直後のお役となっておりますが、油断せずに勤めたいと存じます。 本日は重ね重ねとなりますが、誠にありがとうございました。 中森健之介 拝」 |