令和2年度文化庁「文化芸術による子供育成事業-巡回公演」、10月12日から15日の大阪クール4校は無事に公演をさせていただきました。
当初予定では6月から学校を巡回する予定でしたが、学校も閉鎖となり、巡回できる状況ではなかったので、秋以降に日程を変更しました。これから冬に向かいますが、12月の学校まで無事に回れることを心より祈っております。
今期は、なるべく移動の回数を減らすため、例年ですと本公演の前に一度学校に伺って事前ワークショップをするところを、本公演の前の解説を長めにする感じで、40分の事前ワークショップをしてから、休憩をはさんで本公演、という形をとらせていただいております。
また、伺う能楽師も毎朝検温&健康チェックをして、マスク、手指の消毒の徹底、サーキュレーターも舞台セットと一緒に持ち込み、予防に努めております。
舞台上の地謡も、アクリル板を持参し、アクリル板の後ろで謡うことにしております。ただ、アクリル板で仕切るとやはり謡の声が弱くなるため、体育館が広い学校さんでは、地謡は特製マスクをして謡います。
※ 巡回公演の詳細は下記の通りです。
体育館に簡易能舞台を設営します。能楽師全員とスタッフで設営、準備時間は30分ほどです。
事前ワークショップと、能の上演時には、スクリーンに解説を映し出します。今どんな物語が繰り広げられているのか、予習なしでもリアルタイムに状況がわかり、物語としての能をお楽しみいただけます。
事前ワークショップ40分、休憩/ 狂言20分、休憩/ 能40分、体験10分 という例年とは変則的な時間割でさせていただいております。
※ 大阪クールの報告写真をアップします。
簡易能舞台セットの様子と、事前ワークショップ時の解説。

狂言「柿山伏」

地謡座のアクリル板

能「小鍛冶」前シテの場面

能「小鍛冶」後シテの場面

狂言体験

別の学校の風景。生徒さんも密にならないよう、間隔をあけて座っています。また、なるべく舞台からも離れています。


例年ですと、生徒さんたちとの交流も大事なことなのですが、今回はなるべく離れて、体験するお友達も少人数で、見ているお友達も遠くから見ていただいています。それでも、生の能楽を見て、体験してくれたことは、小中学生の皆さんにとって大きな経験となっていると思います。
開催できて本当に良かったです。
これからの学校さんにも無事に能楽をお届けできますように。能楽師一同も健康に留意して、お伺いしたいと思います。