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【10/26(金)新日本フィル第500回定期演奏会】『トリスタンとイゾルデ』より前奏曲と愛の死、ベートヴェン交響曲第3番『英雄』 指揮:ドミンゴ・インドヤン [2012年10月29日(Mon)]
みなさんこんにちは。中村裕貴です。

先週金曜日の夜は、第500回定期演奏会に行って参りました!

***

#500 定期演奏会
祝500回!『英雄』は結成記念公演から


10月26日(金)19:15開演 会場:すみだトリフォニーホール

■プログラム
ワーグナー作曲 楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 前奏曲と愛の死
ベートーヴェン作曲 交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55

■出演者
指揮:ドミンゴ・インドヤン
※当初予定の指揮者、ヴォルフ=ディーター・ハウシルトの急病により、上記のとおり変更となりました。

***

記念すべき、新日本フィルの500回目の定期演奏会でした。
まずは、新日本フィル定期演奏会が500回記念ということで、
おめでとうございます!!

写真 (1).JPG

指揮者は、ヴォルフ=ディーター・ハウシルト氏が急病で来日することができず、代役としてドミンゴ・インドヤン(Domingo Hindoyan)氏が出演されました。

※ドミンゴ・インドヤン氏のプロフィールはこちら

ベルリン国立歌劇場で、あのバレンボイムのアシスタントを務めることが決まっている、エル・システマ出身の期待の新進若手指揮者ということです。

インドヤン氏は若干32歳(!)である上、今回の急遽の来日で2日のGPしか練習ができなかったというのに、実際に聴いた演奏は、素晴らしく感動しました。

148.JPG    ※新日本フィル 公式Facebookページより引用

【ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55】

ベートーヴェンのシンフォニーの中でも、個人的にも大好きな『英雄』。
今回新日本フィルの記念演奏会で聴いたのが、生で聴く初めての経験となりました。

冒頭のE♭durのtuttiが2回鳴り響いた瞬間、そこは一瞬にして新日本フィルの世界が広がりました。
かねてより好んでいた管弦のバランスのとれたハーモニーが、インドヤン氏の手によって更に統一感を増していたような気がしました。

とにかく新日本フィルのハーモニーは美しい。
先月聴いた同じベートーヴェンの『田園』のときもそうでしたが、身体にスッと沁み込んでいく音色を奏でてくれるのです。

その後に続く弦と木管の流れるようなメロディも、金管のフォルテも、
それぞれのパーツが1つになって一連の音楽になっていく様子がとても気持ちがよかったです。



インドヤン氏の指揮は、エネルギッシュでとても印象に残る指揮でした。
リードが物凄く明解で、楽器ごとで異なるパッセージを立体的にまとめあげることが得意なのでしょうか。
それだけメロディが際立ち、場面ごとの移り変わりをより感じることができました。

これは終演後に新日本フィルの方々から伺った話なのですが、インドヤン氏指揮のオーケストラは、いつもと比べてサウンドが全く異なっていたとのことでした。
僕ではその微妙な違いまで把握することができませんでしたので、まだまだオーケストラの深みへの理解が足りていないのだなと感じた次第であります。

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そして今回は、僕と同じオーケストラに所属する仲間を5人連れて聴きに行きました!

僕たちは立教大学交響楽団に所属しており、今回聴いた『トリスタンとイゾルデ』を2月に演奏することになったのです!
(僕は大学は明治ですが、オーケストラのみ立教に所属しています。)

立教大学交響楽団HP

彼らも
「英雄も凄く良かったけど、トリスタンも感動したよ!」
「新日本フィル初めて聴いたけど、上手だった!」
「この金額(学生チケット\1,000)でこんな上手な演奏会聴けるなんていいね!」
と喜んでくれて、僕も彼らを誘ってよかったなと思いました。

156.JPG   一緒に演奏会に聴きにいった友人たち

終演後は、今回チケットについてお世話になった広報の佐藤様にご挨拶のため、総勢6名で舞台袖へ。
御礼をすることができてよかったです。お忙しい中、ありがとうございました。

また舞台袖には指揮者のインドヤン氏の姿が!
拍手で見送ったのですが、写真を撮ってもらえば…と後悔。

最後に、佐藤様、この度は誠にありがとうございました。

今回だけでなく、友人やオーケストラに興味のある人に新日本フィルのよさを伝えていきたいと思います。

本日の記事は以上となります。

次回はきたる11/28(水)、ハーディング氏によるチャイコフスキー4番・ストラヴィンスキー『春の祭典』というアツいプログラムを聴きに行きます!

最後までお読みいただきありがとうございました!
【新日本フィルハーモニー CDレビュー】朝比奈隆:ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」 [2012年10月15日(Mon)]
こんばんは。

最近は9月のコンサート以来、足を運ぶことができていないので、本日の記事は新日本フィルのCDを聴いた感想を書いていきたいと思います。

【ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」】
指揮:朝比奈隆
収録:1979年3月8日/東京文化会館 第67回定期演奏会(Live)

011.JPG

FM東京さんから出ている新日本フィルの演奏会ライブ盤です。

指揮は朝比奈隆さん。
朝比奈さんといえば大阪フィルのイメージがどうしても強いですが、(大阪フィルの前身となった関西交響楽団を設立)
新日本フィルのCDもいくつかリリースされています。
その大阪フィルとの「ブルックナー全集」を発表したことで一躍”ブルックナーの巨匠”と言われるようになったのは有名です。



実は僕はこれまで10年間のホルン生活の中で、ブルックナーのシンフォニーをまともに聴いたことがありませんでした・・・!(この時点でホルン奏者として失格ですね・・・笑)

自分の中でクラシック一大ブームが到来した中学2年の頃に聴こうとしたのですが、ブルックナーのシンフォニーは「長い」というイメージがどうも抜けなかったのです。
※4番においては、4楽章構成で実に1時間10分にも渡るのです!



つまりほぼ初めて「ロマンティック」を聴いたのですが、1楽章を聴いただけでも「今まで聞いた新日本フィルとは何かが違う」と思いました。

何と表現すればいいのか、聴いたことのない重々しいサウンドがしたのです。

とここでCDに同封されている解説に目を向けました。
するとそこには、音楽評論家で元FM東京ディレクターの東条碩夫さんのこんな一文が。

「70年代の新日本フィルは、音楽監督・小泉和裕氏、首席指揮者・小澤征爾氏という、比較的精緻でスリムな音楽を身上とする、バトン・テクニックの精妙な指揮者に率いられており・・・(以下省略)」

なるほど、まさに今まで僕が感じてきた新日本フィルの演奏は、まさに東条さんの仰ることの所以なのだなと感じた次第なのです。

確かに今まで聴いた演奏会も、メロディーラインがはっきりしていて、優雅に綺麗に僕たち観客に魅せてくれていたなと思うのです。(そういう選曲なのかも知れないですが)
でもそれが新日本フィルの真骨頂であり、美しい音楽を楽しませてくれることへの期待がいつもあるのです。

今回の”ロマンティック”は、ブルックナーの代表曲らしく、重厚感のあるサウンドを「これでもか!」という具合に聴かせてくれる名曲です。

それ故に、これまであまり耳にしてこなった新日本フィルの一面として映ったのかもしれません。

これからもこういう気づきが増えていくと演奏を聴く側も楽しみが広がっていきますね!

CDはこちらで見ることができます

***

最後にここで1つ、ホルン吹きの僕からの「ちなみに」をご紹介します。
この収録がされた1979年、ホルンの首席奏者には守山光三さんという、日本ホルン界の巨匠が在籍をされていました。
現在は東京芸大の教授をされており、数多くのプロホルン奏者を輩出されてきました。
殆どのホルン奏者の経歴を見ると「守山光三に師事」という記載の多さにびっくりするはずです。

しかしこの守山さんが、今年度一杯で芸大の教授を退任されるそうです。

守山光三退任記念演奏会

出演者の名前を見るだけで、その偉大さが解るような気がいたします。

CDの録音だけではあくまで推測にはなりますが、このホルンサウンドが往年の守山さんの演奏だとすると、これもまたずっと聴いていたくなる新日本フィルの珠玉の一枚といったところになりますでしょうか。