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【新日本フィルハーモニー CDレビュー】朝比奈隆:ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」 [2012年10月15日(Mon)]
こんばんは。

最近は9月のコンサート以来、足を運ぶことができていないので、本日の記事は新日本フィルのCDを聴いた感想を書いていきたいと思います。

【ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」】
指揮:朝比奈隆
収録:1979年3月8日/東京文化会館 第67回定期演奏会(Live)

011.JPG

FM東京さんから出ている新日本フィルの演奏会ライブ盤です。

指揮は朝比奈隆さん。
朝比奈さんといえば大阪フィルのイメージがどうしても強いですが、(大阪フィルの前身となった関西交響楽団を設立)
新日本フィルのCDもいくつかリリースされています。
その大阪フィルとの「ブルックナー全集」を発表したことで一躍”ブルックナーの巨匠”と言われるようになったのは有名です。



実は僕はこれまで10年間のホルン生活の中で、ブルックナーのシンフォニーをまともに聴いたことがありませんでした・・・!(この時点でホルン奏者として失格ですね・・・笑)

自分の中でクラシック一大ブームが到来した中学2年の頃に聴こうとしたのですが、ブルックナーのシンフォニーは「長い」というイメージがどうも抜けなかったのです。
※4番においては、4楽章構成で実に1時間10分にも渡るのです!



つまりほぼ初めて「ロマンティック」を聴いたのですが、1楽章を聴いただけでも「今まで聞いた新日本フィルとは何かが違う」と思いました。

何と表現すればいいのか、聴いたことのない重々しいサウンドがしたのです。

とここでCDに同封されている解説に目を向けました。
するとそこには、音楽評論家で元FM東京ディレクターの東条碩夫さんのこんな一文が。

「70年代の新日本フィルは、音楽監督・小泉和裕氏、首席指揮者・小澤征爾氏という、比較的精緻でスリムな音楽を身上とする、バトン・テクニックの精妙な指揮者に率いられており・・・(以下省略)」

なるほど、まさに今まで僕が感じてきた新日本フィルの演奏は、まさに東条さんの仰ることの所以なのだなと感じた次第なのです。

確かに今まで聴いた演奏会も、メロディーラインがはっきりしていて、優雅に綺麗に僕たち観客に魅せてくれていたなと思うのです。(そういう選曲なのかも知れないですが)
でもそれが新日本フィルの真骨頂であり、美しい音楽を楽しませてくれることへの期待がいつもあるのです。

今回の”ロマンティック”は、ブルックナーの代表曲らしく、重厚感のあるサウンドを「これでもか!」という具合に聴かせてくれる名曲です。

それ故に、これまであまり耳にしてこなった新日本フィルの一面として映ったのかもしれません。

これからもこういう気づきが増えていくと演奏を聴く側も楽しみが広がっていきますね!

CDはこちらで見ることができます

***

最後にここで1つ、ホルン吹きの僕からの「ちなみに」をご紹介します。
この収録がされた1979年、ホルンの首席奏者には守山光三さんという、日本ホルン界の巨匠が在籍をされていました。
現在は東京芸大の教授をされており、数多くのプロホルン奏者を輩出されてきました。
殆どのホルン奏者の経歴を見ると「守山光三に師事」という記載の多さにびっくりするはずです。

しかしこの守山さんが、今年度一杯で芸大の教授を退任されるそうです。

守山光三退任記念演奏会

出演者の名前を見るだけで、その偉大さが解るような気がいたします。

CDの録音だけではあくまで推測にはなりますが、このホルンサウンドが往年の守山さんの演奏だとすると、これもまたずっと聴いていたくなる新日本フィルの珠玉の一枚といったところになりますでしょうか。