【9/1 新日本フィル演奏会記録】新クラシックへの扉 ベートーヴェン「田園」他 [2012年09月02日(Sun)]
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昨日は新日本フィルの2012-2013シーズンの幕開けでもある『新クラシックへの扉』コンサートに行ってきました!
今回のプログラムは以下の通りです。 >>新日本フィル公式HPより引用 *** 【#25 新・クラシックへの扉】 9月1日(土)14:00開演 会場:すみだトリフォニーホール ■プログラム シューマン作曲 ピアノ協奏曲イ短調 op.54 ベートーヴェン作曲 交響曲第6番ヘ長調『田園』 op.68 ■アンコール シューマン作曲 トロイメライ(ピアノ:弓張美季) バルトーク作曲 ルーマニア民族舞曲 より 棒の踊り 指揮:クリスティアン・アルミンク ピアノ:弓張美季 *** 【シューマン:「ピアノ協奏曲イ短調 op.54」】 2プログラムの前半は、シューマンの傑作とも言われるピアノコンチェルト。 ピアニストはスタインウェイ・コンクールで優勝経験のある、弓張未季さん。 >>弓張未季さん 公式ウェブサイト 神戸生まれで幼少期にドイツに渡り、スタインウェイ・コンクールで優勝。今ではウィーンを活動拠点にしていらっしゃるんですね。 今回演奏されたシューマンのコンチェルトの弓張さんの動画がありました。 ピアニストの演奏を聴くことは何度もあるのですが、 あれほどまでに体全身を震わせながら音楽を表現するピアニストは、初めて見ました。 同じ演奏を前方で聴いていた大学の講師である久米信行先生が仰るには、「彼女は、ピアノの前に座るとヒールを脱いで裸足になりました。」という風に、演奏に臨むために物凄い集中力を発揮されているのでしょう。 >>久米先生のつぶやき 弓張さんのピアノからは音がまるで踊って向かってくるかの感覚になり、今まで聴いたこともない演奏を魅せてくれました。 更には上にもあるように全身で表現するその姿勢は、見る芸術でもあり、「まさに”音楽”だな」という原点すら感じさせる名演でした。 ぜひまたアルミンク×弓張さんで、今度は別のコンチェルトを聴いてみたいものです。 【ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調「田園」op.68】 メインはベートーヴェンの田園。 5番の「運命」と同じ時期に作曲され、同じコンサートで初演されたそうです。 「運命」と「田園」を一緒に演奏するとは、今考えると内容の非常に濃いプログラムですね。 >>こちらが「田園」シンフォニーです。演奏はオランダのコンセルトヘボウで。 実はこの「田園」、演奏会でライヴで聴くのは今回が初めてでした。 ですが、初めて聴く「田園」が昨日の新日本フィルでよかった!と思っています。 ウィーン郊外の田園風景を描写してベートーヴェンが作曲したと言われるこの曲は、全5楽章あり、3〜5楽章を続けて演奏することが殆どのため聴き側は3部構成のように映ります。 楽章毎に田園の様々な表情がモチーフとなっており、1楽章から ・田園に到着したときの楽しく明るい表情 ・小川のほとりの情景 ・田舎の人々の楽しい集い ・雷雨、嵐 ・牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち と標題が設けられています。(※新日本フィル演奏会パンフレットより引用) 1楽章の第一主題のメロディはあまりにも有名ですが、僕は特に2楽章が好きです。 小川の側で鳴くカッコウなどの鳥たちのさえずりも美しく、日本人の心には必ずあるであろう、昔の田舎の記憶を呼び戻してくれるような心地よいサウンドが気持ちよいのです。 個人的には新日本フィルの演奏で2楽章を聴いて、先月上旬に訪問した新潟県の大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」の本拠地でもある十日町の「キナーレ」周辺の景観を思い起こしました。 >>大地の芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」の記事はこちら そしてこの「田園」を、新日本フィルは見事に感動的な音楽にしてしまうのです。 何がいいかって、管楽器奏者の演奏姿勢が聴いていても見ていても本当に気持ちいいのです!(僕がホルン吹きなのでどうしても管楽器に目が集まりがちなのです・・・。) Flの荒川さん、Obの古部さん、Clの重松さんの木管トップの御三方の演奏は本当に感動しました。 Clの重松さんは女性らしく表情豊かで優しい演奏をされていて、透き通った音色が自然と体の中に吸収されていきました。 ぜひ今度はラフマニノフの2番を、この重松さんの演奏で聴いてみたいなと思いました。 特に古部さんは、3楽章のソロはもちろんよかったですが、ソロでない箇所では常に同じメロディを奏でる奏者の方向を意識して演奏されているのです。 例えば2楽章でFlの荒川さんとのデュエットを奏でる際は体を少し右に向けて一緒に演奏をする姿勢を表し、Obの2ndに対しても体を左に向けてリードをするのです。もちろんコンマスとの目線での呼吸の良さにも脱帽しました。まさにObトップとはこういう姿勢が必要なのだなと改めて感じたのです。 なぜこういった姿勢に感動をしたかというと、新日本フィルの奏者の方々は「本気で音楽をしよう」という姿勢がこちらに強く伝わってくるのです。 例えば日本のトップの楽団のObトップであれば、自信に驕って演奏に多少手を抜いたりしてしまうこともあるかもしれません。実際プロの他楽団の演奏会でそういう場面に出くわしてきました。 それ故「プロの演奏より、必死に演奏するアマチュアの演奏の方が好き」という考え方もあったのですが、新日本フィルはこれを見事に打ち砕いてくれたのです。 今回の演奏会でも特に木管楽器の首席奏者の姿勢を見て聴いて、今後もより一層期待してコンサートに足を運んでも間違いはないなと確信もしました。 改めて、僕に新日本フィルの魅力を伝えてくださった、新日本フィルの評議員も務められる久米先生には感謝いたします。 =================== 長くなりましたが今回もこれにて記事を締めたいと思います。 次回の演奏会は10月の下旬に行く予定です。 また11月のハーディングのチャイコフスキー4番は意地でも行きたいですが、もう既にC席も完売とのことで間に合わないかもしれませんね・・・。 10月もまだチケットを手配していません・・・。早く準備しなくては・・・。 今後も新日本フィルの演奏にはたくさん足を運びたいと思います! 【弓張美季さん 公式HP】 http://mikiyumihari.com/ 【音楽監督 クリスティアン・アルミンク】 http://www.njp.or.jp/profile/profile_arming.html 【新日本フィル公式HP 楽団員紹介】 http://www.njp.or.jp/profile/member.html |





