聞いて、私たちの声
[2007年04月19日(Thu)]
2006年12月16-17日に、長野県庁で「ながの発 地域で暮らすということフォーラム」が開催されました。
写真は2日目最後のプログラムで登場した村井仁・長野県知事(右)、辻哲夫・厚生労働事務次官(真中)、大熊由紀子・国際医療福祉大学大学院教授(左)の3人です。
この3人の方は、朝9時から始まった、西駒郷から地域に生活を移した本人たちの声をきちんと聴いてくださって、その思いをもとに話してくださいました。
ちょっと暗くてみづらいですが、この写真がその本人さんたちです。
男性2名、女性1名の方が登壇し、知事が後に座った席には、約20年を西駒郷で過ごした方が座りました。
この日のために、スーツで決めてきたAさん。
お仕事の話やグループホームでの生活について、とても軽快に話してくださいました。
始まる前は「緊張して話せないよー」と言っていたのに、大きな声で思いを伝えてくださったのです。
敢えて話しの終わりの方で尋ねました。
「何年くらい西駒郷にいたのですか?」
「うーん、わかんないなあ。5年かな、6年かな?」
そんなふうに答えられたのですが、実は彼は30年以上を西駒郷で送った方でした。
10代で入所し、20代、30代、40代はすべて入所施設の中。
50代半ばになって西駒郷を出て、地域生活を始めたのです。
もしも長野県が大幅に入所施設のあり方を見直さなかったら、
一生を施設の中で終えていたのかも知れない・・・。
県庁講堂に集まってくださった480人の聴衆の心には何が届いたのでしょうか?
私は、長いこと施設の中にいて、眠っていた彼らの才能や魅力が、
こうして多くの人の前でデビューすることになったことに
心から嬉しく思いました。
フロアからまっすぐに見つめ、耳を傾けてくださっていた知事が
「長野の福祉は後退させません」と発言されたのは
このフォーラムに関わった多くの皆さんのパワーはもちろんのこと
誰よりも、当事者である彼らの登壇こそが
大きな意味をもっていたと思うのです。
「三田さん、またああいうの(注:シンポジストらしい)、やってもいいよ!」
「みんなが聞いてくれて気持ちよかった、来てよかった」
「ああ面白かった〜!!」
そんな感想を口々に語っていた3人の度胸と魅力に脱帽でした。
やっぱり当事者はすごい!