三田です。
6月29日(日)に「〜障害者の声から地域移行を考える〜長野県知的障害者入所施設「西駒郷」の地域移行を検証する研究報告会(最終年度)」を開催しました。
雨の中、多数の方にご参加いただき感謝しています。
しかも、北海道から山口まで、ざっと思い出しても17都道府県(もっとかな?)から約100名の参加者をお迎えできて嬉しい限りです。
内容はすでに日本財団の山田さんがブログで詳しくご報告されています(さすが、仕事が早いですね 汗)→
こちらまず、報告書の中身を1時間程度でご報告する焦りで早口になってしまい、アンケートでも「スピードが速かったです」とのご意見をいただきました。
失礼しました。
でも、内容に関してはたくさんの前向きなご意見と参考になる声をいただきました。
「長野でできたのだからうちでもがんばります」
「地域支援をもっと豊かにしないといけないですね」
「地域移行できない理由ではなくどう取り組むか、考えることを始めないと」
「これは長野だけで進めることでなく、国レベルで真剣に推進すべきことですね」
「今まで入所者の声を聴いていないことを反省しました」
などなど、たくさん書いてくださっていたことに感動しています。
さらに
「まだまだ検証を続けてください」
「ここで出て来た課題を今後さらに追い続けてほしいです」
「うちの県でも同じように検証をすべきだと痛感しました」
など期待のメッセージもありがとうございました。
「地域生活移行」にとどまらず、
たくさんの知的障害者の人生や命に関わることに、私たちは関わっているのだと改めて思った次第です。
話はちょっと変わりますが、実はこの日の前日、西駒郷を出て地域で暮らし始めていた40代の女性が病いで亡くなりました。
シンポジストとして東京入りしてくださっていた当事者3人は夕飯を食べながらそのことを報告してくれました。「Sさん、死んじゃったんだよ〜」と。
交流会でも素敵な笑顔が印象的だった彼女にもう会えないのは悲しいです。
「三田さん、またホームに話を聞きにきてね。いっぱい報告したいことあるからね!」とついこの間言っていたのに。
あっという間に亡くなってしまいました。でも、グループホームの仲間や地域の人でお葬式をし、たくさんの人に見送られていったことはよかったなあと思うのです。
ただ、もっと早く…という気持ちが私の中にはあります。
そして、
まだたくさんの人が地域生活を待っていることを忘れてはならないと強く思っています。Sさんがそうだったように…。
さて、後半で、名司会をしてくださった玉木さん(西宮市メインストリーム協会)と3人の当事者とのやり取りは本当に面白かったです
10年、20年も西駒郷に居たとは思えない、個性溢れる3人の方たちは
どんどんエンジン全開になりました。始まる前から「緊張しない」って言ってましたし(笑)
西駒郷にいるときから「ひとり暮らししたい」と言い続けて来た三沢さん。約20年の施設暮らしから、公営住宅で一人暮らしを始めた彼女はその理由を「西駒郷はね、うるさくてけんかが多かったから静かなのがいいと思ってね」と話しました。
納得ですよね。
次に三沢さんと玉木さんとのやりとりでこんなのがありました。
玉木「三沢さんは今、何してる時が楽しいですか?」
三沢「近所の人とね、踊りに行くのが楽しい。近所の人が車で乗せて行ってくれる」
玉木「じゃあ、困った時は誰に相談するんですか?」
三沢「近所の人かな。助けてくれるから・・・」
玉木「支援者が聞いたらへこみそうだね(笑)でも三沢さんも近所の人を助けていると思ういますよ。」
いいでしょ?
三沢さんはすでに自分の家を手に入れ、人間関係も創っているのですね。
庭に作った家庭菜園でトマトや茄子を植えてそれをヘルパーさんや自分で料理して食べてるとも報告していました。
私なんかよりずっと生活を楽しんでいるのでは?とうらやましく思えてしまいます。
そんな彼女がシンポジウムからの帰り際、こんなことを言っていました。
「あー、面白かった。三田さん、西駒郷出てさ、私よかったよ。面白いもん!!」私もあったかい気持ちになりました。彼女の、人を温かくしてくれる力はすごいです。
一方、シンポジストの五味さんが最後に言った言葉について、ある参加者がアンケートに書いてくださいました。
「五味さんが最後に『聞いてくれてありがとう』と私たちにおっしゃいました。今まで私たちは当事者の声を聞けてこれていないのに気づいた時間でした。もっと当事者の声に耳を傾け、向き合うことが重要だと気づく機会を与えてくださってありがとうございました」
聞いてくれてありがとう…壇上から五味さんが言った言葉は本当に満足した言葉でした。
五味さんも青山さんも生き生きした表情で別れ際に言っていました。
「面白いからさ〜、またやろうよ、こういうの!!」と。
出席された皆さんの真剣で温かい気持ちが3人にはちゃんと伝わっていたのです。
企画者としても本当にお礼を言いたいです。
また、3人にはまだ西駒郷に残っている仲間の顔も浮かんでいたようです。
「まだまだ出さにゃいかんよ〜」と、彼らも感じていました。
その通り。まさに私たちも決意を新たにし、地域生活移行の流れを止めてはいけないと思わされたのでした。
来てくださった皆さま、協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。
残念ながら来れなかった皆さまも、ますます西駒郷を、長野を見つめてください。
全国にこのうねりがさらに伝わることを願いつつ、まだまだ長野に通うつもりです。
なんだか個人的な感想になってしまいました
雰囲気が伝わったら幸いです。
by 三田
PS 指定発言の内容はまた別にアップしますね。