青年海外協力隊活動ふりかえりワークショップの後は、それぞれ地域で活動を行っているOVの皆さんに登壇いただいてのパネルディスカッション「帰国後に活躍するOVの活動紹介」でした。
今回のパネルディスカッションには4名のOVの皆さんに登壇いただきました。
浦さんは、元アメリカンフットボール選手という異色の経歴を持ちながら、現在は林業に従事し、地域おこし協力隊として活動をされています。梅谷さんは商社勤務を経て協力隊に参加し、現在はラオスの布製品を日本で販売するソーシャルビジネスを立ち上げました。太田さんは、図書館関連企業での勤務経験を経て協力隊に参加し、帰国後は中高生向けの居場所を運営する一般社団法人を設立されました。そして、菅野さんは、診療放射線技師として医療現場で活躍後、協力隊に参加し、現在は開発コンサルタントとして国際協力の分野で活躍されています。
パネルディスカッションでは、まず協力隊での経験が、現在の活動にどのように繋がっているのか、また、協力隊経験を通してどのような価値観の変化があったのかが語られました。
浦さんは、協力隊での経験から物質的な豊かさより心の豊かさが大切だと考えるようになり競争社会から離れ、人に寄り添うことを重視するようになったそうです。
梅谷さんは、協力隊の経験からビジネスを通じて社会貢献することに関心を持つようになり、ラオスの村人たちと協力しながら、布製品の販売事業を展開しています。
太田さんは、協力隊で見た途上国での子育てに感銘を受け、帰国後、日本で「ユースセンター」を運営し、若者が安心して過ごせる環境作りに力を注いでいます。
菅野さんは、協力隊での経験を通じて、日本人が国際協力に携わる意義を改めて認識しました。現在は、専門性を活かして開発コンサルタントとして活躍しています。
皆さん、協力隊での経験を糧に、それぞれの個性を輝かせながら、新たな道を切り開いていることが伝わってきます。
次に、今後の活動における課題や展望について、それぞれの視点から熱い思いが語られました。
浦さんは、林業の知識を深めつつ、地域活性化に取り組みたいと語り、将来的には、森林保全をテーマにした教育プログラムを開発し、地域交流を活性化させたいと考えています。
梅谷さんは、ラオスとのパートナーシップを強化し、布製品の販売だけでなく、ラオスの文化を発信する活動にも力を入れていきたいと語りました。ビジネスを通じた持続可能な社会を築くという強い意志も感じられます。
太田さんは、中高生の居場所をさらに発展させ、地域住民と連携して、子供たちの成長を支える活動を広げていきたいと語りました。
菅野さんは、開発コンサルタントとして、自身の専門性を活かし、途上国の医療課題解決に貢献したいと語り、セネガルでの活動再開も視野に入れ、より効果的な支援を追求したいと語りました。
それぞれが異なる分野で活躍しているからこそ、今後の活動への意欲と、熱意が強く伝わってきます。
パネルディスカッションの終盤では、パネリストの皆さんが大切にしている価値観や、今後の「あり方」について語られました。
浦さんは、バランスを重視し、自己成長と他者貢献の両立を目指したいと語り、梅谷さんは、関わる人たちの個性や魅力を引き出し、それぞれの価値を最大化したいと語りました。
太田さんは、自分の気持ちに正直に行動し、誰かのために何かをしたいという思いを語り、菅野さんは、自分が「一緒に仕事をして良かった」と思われるような人になりたいと語りました。
それぞれの言葉からは、協力隊の経験を通して得た価値観と、今後の人生をどのように生きていきたいのかという強い意志を感じました。
今回のパネルディスカッションでは、協力隊経験者の多様なキャリアパス、それぞれの活動における価値観、そして今後の展望など、非常に多くの学びがありました。協力隊での経験は、その後の人生に大きな影響を与え、それぞれの個性を開花させる力を持っていることが感じられました。