Vol.87「地域の中で生き続ける「向き合う力」」
[2026年03月05日(Thu)]
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【開催報告】令和7年度キャリア/社会貢献活動デザインセミナー
2月17日にJICA中部にて、第2回「キャリア/社会貢献活動デザインセミナー」を開催しました。当日は愛知県を中心に、8名ほどのOBOGが参加してくださいました。
1. 青年海外協力隊+帰国後の活動ふりかえりワークショップ 二人一組になり、派遣前から活動中、そして帰国直後までの感情の動きを振り返りました。苦労した経験や楽しかった出来事など、様々な感情を呼び起こす中で、協力隊経験を通して培った「自分自身が大切にしたい価値観」を浮き彫りにしていきます。 その上で、「もし何の制約もなかったら、自分はどんな未来を作っていきたいか」を描いてもらいました。派遣国や職種が異なっても、「JICA海外協力隊」という共通言語があるからこそ、初対面でも深い信頼関係の中で対話ができる。そんな協力隊ネットワークの強さを再確認する時間となりました。 2. 帰国後に活動するOVの事例紹介+意見交換会 中部地域を中心に活躍する3名のOV(帰国隊員)に、派遣中から現在に至るまでの経緯や活動内容をお話しいただき、その後、登壇者を囲んでグループごとに意見交換を行いました。 @ 現場への想いを形に。孤児院支援を支える仕組み作り 高木 和俊 さん(NPO法人ランプ 代表理事) 2014年度4次隊 / ベナン / コミュニティ開発 ベナンでは移動制限などの制約下で、農家のマッピングや獣害対策、栄養改善のための「ぬか漬け」普及など、泥臭く課題に向き合いました。帰国後、「もう一度現場で国際協力を」との決意からNPO法人「ランプ」を設立。現在は廃棄布を活用したメッセージカードの販売や農園の再建を通じ、寄付だけに頼らない「自立支援」の仕組み作りに奔走しています。 A 言葉をツールに、多文化共生の架け橋へ 山本 綾香 さん(地域おこし協力隊) 2021年度1次隊 / ドミニカ共和国 / 日本語教育 日系人社会で日本語を教える中で、言葉は単なる道具ではなく「ルーツや誇り」であると痛感。帰国後はその経験を活かし、静岡県牧之原市の地域おこし協力隊に着任しました。外国にルーツを持つ子供たちの学習支援に加え、シュラスコイベントを企画して住民同士の「顔の見える関係」を築くなど、多文化共生の現場をリードしています。 B 手作業の米作りから、持続可能な未来をデザイン 稲葉 亮二 さん(個人事業『稲屋』代表) 2011年度3次隊 / ウガンダ / 村落開発普及員 ウガンダでは、答えを押し付けるのではなく、農家が自ら選べるよう「比較実験」を見せる手法で自発的な普及を目指しました。その精神は今も変わらず、現在は愛知県豊田市で「クワ一本での手作業の米作り」を実践。間伐材を活用した職人との連携や自給自足的な暮らしを通じ、環境保全と個人の「心地よさ」が両立するライフスタイルを提案しています。 3. 帰国隊員向け支援制度やプラットフォームの紹介 JICAや一般社団法人協力隊を育てる会が提供する支援制度のほか、「コアキナイマップ」やOB会など、帰国後の活動をバックアップする各種情報を提供しました。 4. グループワーク「これからの活動を考える」 一連のインプットを踏まえ、最後は一人ひとりの夢や、それを実現するためのプロセスを考えました。ワークを通して、参加者の「モヤモヤ」が「気づき」に変わり、前向きな姿勢へと変化していく瞬間が多く見られました。 ・言語化が拓く、自己理解と事業化 自分の想いを言葉にし、仲間に聞いてもらうことで、「大切にしたい価値観」や「次の一歩への道筋」がクリアになったという声が多く聞かれました。 ・「心地よさ」を社会のエネルギーに 登壇者が語った「心地よさ」というキーワードに多くの共感が集まりました。課題解決という義務感に縛られるのではなく、自分が心地よいと感じる生き方を周囲に波及させていく大切さが共有されました。 ・多文化共生の「仕組み化」とネットワーク JICA関係者からは、「個人の優れた活動をいかに社会的な仕組みに昇華させるか」という支援側の視点も提示されました。改めて、共通のバックグラウンドを持つ仲間とリソースを分かち合い、応援し合えるネットワークの価値が再確認されました。 今回のセミナーは、単なる活動報告に留まらず、参加者それぞれが「自分らしい次の一歩」を言語化する貴重な場となりました。この繋がりを活かし、私たちはこれからも互いの挑戦を応援し続けていきます。
【開催報告】若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡B
2026年1月24日・25日の二日間にわたり開催された「若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡」。二日目は、「しずおかくらしの保健室」代表の谷彩さん(H26-3/ウガンダ/看護師)から、これまでの活動についてお話をうかがいました。
協力隊時代、谷さんはウガンダ・ジンジャ市の病院で5S活動に取り組んでいました。そのなかで、同僚たちが仕事の合間に、お互いのことや家族、親戚について頻繁に雑談を交わしている様子に疑問を持ち、その理由を尋ねたそうです。返ってきたのは、「何かあったときにサポートできるように」という言葉でした。この経験を通じて、谷さんは“治療をすることだけが看護ではない”という大切な気づきを得たといいます。 帰国後は訪問看護師として働く傍ら、コミュニティナースとしての活動をスタートしました。コミュニティナースとは、誰かの健康のために「すき」や「得意」を活かし、できるときに、できる人が、できる範囲でつながりをつくっていく活動のこと。看護師などの専門資格が必ずしも必要なものではなく、飲食店のスタッフとお客さん、新聞配達員と住民といった、日常の身近な関わりの中から生まれるつながりを指すそうです。 現在谷さんは、訪問看護やコミュニティナースの活動に加え、誰もが気軽に立ち寄れる相談・交流拠点としての「くらしの保健室」を併設したプロジェクトにも関わっています。個人同士の身近な関わりから、地域で医療/非医療をつなぐ場づくりまでを一貫して行う、挑戦的な取り組みが印象的でした。 谷さんのお話の後には、二日間の学びをさらに深めるワークショップを開催しました。参加者それぞれが抱いた疑問をテーマに意見交換を行ったり、視察を通して感じたことや気づきを共有したりと、対話を重ねる時間となりました。 参加者からは、「仲間と一緒に参加できてよかった」「ここで得た学びを現場に持ち帰りたい」「この視察で出会った参加者の活動を、ぜひ実際に見てみたい」といった声が寄せられ、今回の視察が今後の実践につながっていく手応えを感じる締めくくりとなりました。
【開催報告】若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡A
2026年1月24日・25日の二日間にわたり開催された「若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡」において、カタショー・ワンラボを訪問しました。
当日は、株式会社マキノハラボの浅野拳史さん(H27-1/ルワンダ/理科教育)からお話をうかがうとともに、施設の見学を行いました。 年間のべ4万人が利用するカタショー・ワンラボは、廃校となった小学校を牧之原市から賃貸借し、利活用している事例として注目されています。日本では毎年約450校が廃校となり、その活用方法が社会的な課題となるなか、同施設では「学校感×大人数での宿泊×多様なアクティビティ」を強みとした運営が行われています。 宿泊事業にとどまらず、「牧之原市をよくする」をキーワードに、さまざまな事業を展開している点も印象的でした。 特に、牧之原市は外国人住民の割合が人口の6.5%と県内第3位の高さを占めており、言語や生活習慣の違いから日本の学校になじめない子どもたちが少なくないという現状があります。そうした課題を背景に、小中学校への入学準備として日本語初期支援教室「いっぽ」をスタートさせ、現在は牧之原市からの委託事業として運営されているそうです。 また、地域住民とのつながりを育むためのまちづくりイベントも積極的に開催されています。地域のお祭りや多文化共生イベント、さらには地元学生の「やってみたい」という思いに応えるプログラムなど、さまざまな取り組みを通して、“ビジネスを通じた地域活性化”を実践されていました。
【開催報告】若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡@
2026年1月24日25日の二日間に渡り開催された「若者とともにあゆむ こども若者支援の現地視察2026 in 静岡」。みんなの公民館まるでは、館長の鈴木貫司さん(2018-2/エクアドル/青少年活動)からのお話をうかがうとともに、施設の見学を行いました。
みんなの公民館まるでは、大学生がスモールビジネスを実践的に学ぶサマープログラム「商店街クエスト」をはじめ、こどもが大人に向けて授業を行う「さかさまクラス」、中学生から参加できる職場体験や合同説明会など、世代を超えた関わりを生む多彩で魅力的な取り組みが展開されていました。 現在、地域企業からの協賛は30社以上にのぼっており、民設民営による場づくりのロールモデルとして、大きな可能性を感じました。 みんなの公民館まるの向かいには、“みんとしょ”の生みの親である「みんなの図書館 さんかく」があり、あわせて見学させていただきました。 みんなの図書館さんかくでは、「一箱本棚オーナー制度」が導入されており、月額2,000円で自分だけの一箱本棚を持つことができます。 名前の「さんかく」が「参画」を意味するように、ひと箱本棚オーナーが店番をしたり、本をきっかけに来館者同士の交流が生まれたりと、単なる図書館の枠にとどまらない、参加型の場づくりがとても印象的でした。
Vol.86「人とのつながりは健康資源」
育てる会ニュースリレー寄稿第86回目は、静岡市で訪問看護師をしながら、地域でコミュニティナースの活動をされている谷彩さん(平成26年度3次隊/ウガンダ/看護師)からの寄稿です。
ぜひ、ご覧ください。 また、記事には書ききれない話題についてオンラインでお話しいただくスピンオフ「記事の裏側お話しします」では、谷さんの帰国してから現在に至るまでの活動や思いなどについてお話をうかがう他、今年の4月に、静岡市葵区鷹匠にて開設される予定のコミュニティースペースサクラノキキベース「サクラノキ訪問看護ステーション」について紹介いただく予定です。 今まで谷さんが、暮らしの保健室を出店していた月一回のイベント「サクラノキテラス」が常設になるイメージというだけでなく、 ・暮らしの保健室(コミュニティーナース活動) ・訪問看護ステーション(地域の看護師) ・大石循環器科医院(医療機関) をスムーズにつないでいく形の新しい場所としても動き出すそうです。 海外協力隊OBOGの皆さんだけでなく、地域医療に興味のある方も、ぜひご参加ください。 ●日時;2026年3月12日(木)19:30〜21:00 ●会場;オンライン(Zoom) ●参加費;無料 ●申込;以下のURLに必要事項を記入の上、お申し込みください https://forms.gle/ZonH2BgoGgnyH3Wi7
「若者と地域のつながりに関心のある協力隊OVの会」vol.8
初のリアルイベント開催!『報告会』を行います!
若者と地域とのつながりに関心がある、JICA海外協力隊経験者 を中心に定期的に開催しているオンラインイベント。 第8回は、1月24日(土)〜25日(日)にて実施しました、 初の対面でのリアルイベント… 「地域とともにあゆむ こども若者支援の現地視察 in 静岡」 の報告会を行います。 前回の公開企画会議を経て、実行委員のメンバーで話し合いを重ね実施した リアルイベントin静岡。 JICA海外協力隊OVが活動されている、 ✓静岡県焼津市「みんなの公民館まる」、 ✓静岡県牧之原市「遊んで泊まれる小学校カタショー」を巡ったほか、 25日(日)には、静岡市を中心に活動される ✓しずおかくらしの保健室 代表の谷 彩さんにご登壇いただき、 勉強会を行いました。 第8回の今回は、そんな1泊2日で実施された本イベントの様子を、 ご参加いただけなかったみなさまにもシェアさせていただく時間に できたらと思います。 もちろんイベントに参加したみなさまも大歓迎! ぜひ、お集まりください! <開催日時> 2026年2月17日(火)19:30~21:00 (JST) ※ZOOMを使用したオンラインイベントです ※応募フォームに参加申し込みいただいた方に個別で当日のZOOM-URLをお送りします ※締め切り:2月16日(月)まで ☆ご応募はこちらから☆ https://forms.gle/Yfxsf1dWU93agPzEA お問い合わせ:事務局 youth.community.jocv(あっと)gmail.com
育てる会ニュース1月号スピンオフ動画「自由であたたかい雰囲気の逆輸入」
今回の育てる会ニュースのリレー寄稿スピンオフ企画では、青年海外協力隊OV(ペルー・コミュニティ開発)で、現在は新潟で「旅農笑人」というユニークな屋号で活動する坪谷純希さんからお話をお聞きしました。
そのあまりに濃密で自由な生き方に、参加者一同が引き込まれた当日の様子をダイジェストでお届けします! ■公務員から“旅の商人”へ!枠にはまらないキャリア 坪谷さんの経歴はまさに異色です。オイスカでの農業研修、ペルーでの協力隊活動を経て、帰国後はなんと6年間「市役所職員(公務員)」として勤務。「アブノーマルな経験の後に、あえて真逆の“普通”を経験したかった」と語る視点が非常にユニークです。 現在は独立し、「有機農業 × キッチンカー × 里山整備 × YouTuber × DIY」など、多種多様なスモールビジネスを掛け合わせる独自のスタイルを確立。一つの職業に固執せず、その時々の「やりたいこと」を形にするしなやかさは、これからの時代の新しい働き方を感じさせます。 ■「遊び心」と「余白」が生む豊かさ 質疑応答では、参加者から現在の活動や将来についての質問が飛び交いました。 坪谷さんが大切にしているのは「ユーモア・優しさ・自由・遊び心」の4つのU。スケジュールには常に2割の「余白」を持たせ、偶然の出会いや新しいチャンスを受け入れる体制を整えているそうです。 「30代は経験のカードを増やし、将来はそのカードを組み合わせて、また支援の現場で人の役に立ちたい」 そう語る坪谷さんの姿は、一つの肩書きに縛られず、自分の人生を自らの手でDIYしていく楽しさに溢れていました。 詳しくはぜひ動画をご覧ください。 また、坪谷さんのインスタもぜひのぞいてみてください! @tabinoshounin https://www.instagram.com/tabinoshounin/
登壇者決定! 2/14 キャリア/社会貢献活動デザインセミナー
2月14日開催のキャリア/社会貢献活動デザインセミナーでの
帰国後に活動するOVの活動紹介+パネルディスカッションに登壇いただくOVの皆さんが 決まりました! 高木 和俊 さん 2014年度4次隊 / ベナン / コミュニティ開発 NPO法人ランプ代表理事 念願の協力隊参加を経て、帰国後は地域おこし協力隊や外国人支援に従事。 2024年にNPO法人を設立し、任地ベナンの孤児院への継続的サポートに奮闘中。 山本 綾香 さん 2021年度1次隊 / ドミニカ共和国 / 日本語教育 地域おこし協力隊 帰国後、日本語教師やJICA関連業務を経て静岡県牧之原市へ移住。 外国にルーツを持つ子ども・若者への学習支援など、多文化共生の地域づくりに挑む。 稲葉 亮二 さん 2011年度3次隊 / ウガンダ / 村落開発普及員 個人事業『稲屋』代表 ウガンダでの自給生活に感銘を受け、帰国後は里山で自然と共生する暮らしを実践。 技術普及イベントも主催。 帰国後してから現在に至るまでの苦労話や秘訣など、いろいろな話が聞けるのではないかと 思いますので、ぜひ、ご参加ください。 セミナーの詳細や申し込みはこちらからお願いします。 https://sites.google.com/view/career-design-seminner/
Vol.85「自由であたたかい雰囲気の逆輸入」
育てる会ニュースリレー寄稿第85回目は、帰国後に新潟県五泉市役所の職員として勤務した後、現在は「旅農笑人(たびのしょうにん)」という屋号で、有機野菜の栽培、里山を整備しながらの自然体験活動、竹や木を使ったハンドメイド雑貨の製作、自作キッチンカーでの出店など複数の仕事を行われている坪谷純希さん(平成25年2次隊/ペルー/コミュニティ開発)からの寄稿です。
ぜひ、ご覧ください。 また、スピンオフとしてリレー寄稿の執筆者が記事には書ききれなかった想いや裏側についてお話しするオンライントークイベント「記事の裏側お話しします」も開催します。 坪谷さんからは、なぜ帰国後に自治体職員になったのか?自治体職員としての経験がどのように生かされているか?現在行っているユニークな取組みの内容や思いなど、様々なお話をうかがえると思いますので、ぜひ、ご参加ください。 ●日時;2026年1月22日(木)19:30〜21:00 ●会場;オンライン(Zoom) ●参加費;無料 ●申込;以下のURLに必要事項を記入の上、お申し込みください。 https://forms.gle/fxMjttEDEX9JDRwT7
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