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選択授業「多読」3回目 [2008年05月21日(Wed)]
本日21日は日本語学校の第3回目の多読授業がありました。

アスク出版から3人見学に来られ、ビデオ撮影も行いました。
さて、どんな感想があとから聞けるでしょうか。


学生はみんな熱心。(上の写真、17日のものですが、この前傾姿勢、熱心さが伝わってくるでしょう?)
スタートは同じだったけれど、3回目ですでに自分のペースができている。
「よむよむ文庫」のレベル1→レベル2と丁寧に一冊ずつ読んでいっている学生。
レベル2をちょっと読んでから、すぐに持参の本に没頭した学生。
「よむよむ文庫」と私が紹介した絵本や軽い読みものを交互に読む学生。
マンガばかり読み続ける学生。
それぞれ快適に読み進められていればOK。
無理をしていないか、楽しんでいるか声をかけながらチェックしていくのが教師の役目。

面白いのは、丁寧に「よむよむ文庫」を易しいレベルから読み上げていく学生は二人とも、一番上のクラスの学生だということ。日本人向けの小説をぐいぐい読んでいくのは、その下のクラスの学生。
みんな、自分たちのレベルとかクラスのことなど全然気にしていない。人と比べず、とにかく自分が楽しむことに徹することができる多読授業ならではの光景だ。

今回の選択授業では、貸し出しを必ずすることにした。最低2冊は借りていくこと。
読む時間がないという学生にもとにかく持っていかせる。読めなければそのまま戻してくださいと言って。なんとか読むことを生活の一部にしてほしいという気持ちから。これまでは、複数のクラスが多読をしていたため、貸し出しを遠慮していたけれど、今年はそれがないので大いに貸し出せる。その中でうれしいことがひとつ。
先日、「おさるはおさる」「おさるのまいにち」という小学生に人気の読みものを読み終わって返しに来たMくん。私がいなかったので、担任の教師と相談して「1リットルの涙」を借りていったそうだ。私はそれを聞いて、即座に「1リットルの涙」はまだ漢字の苦手なMくんにはちょっと辛いだろうなと思った。で、Mくんがどうしたかというと、なんと!20ページ読んで翌日すぐに返しに来たのだ。「私にはまだちょっと難しいです」と言って。
すぐに返しに来たことが本当に偉い。真面目な学生ほどこれがなかなかできない。たいてい1週間ぐらいはがんばってしまう。
でも、Mくんはすぐ返しに来てくれたので、代わりに「星になった少年」を貸す。これは映画のスチール写真にストーリーを添えた読みもので、ここ数年、初めての「本」として定番になっている。これをMくんはするっと読んでしまい、また翌日返しに来た。「とても感動しました!」

この例を教室でも紹介し、「早く読むのを止めてくれたおかげで、Mくんは違う本が一冊読めた。辛いなと思ったらすぐ止めることが肝心だよ」と再度確認した。

日本語学校の学生は、毎日4時間以上日本語の授業を受けているので、ビジネスマンや奥さんたちとは段違いに語彙が豊富で上達が速い。マンガもすぐ読めるようになるし、一般の本への移行も早い。それでも、橋渡しの本をたくさん用意しておかないと、移行はスムーズにいかない。
教師は教室外でも本探しに忙しい。幸い、今年は、昨年までと違って他の日本語学校に多読授業実践者が二人現れた。彼女たちのおかげで本探しの輪が広がり、面白い本を紹介してもらえようになった。とても助かるし、その本を読むのが私にとっても楽しい。
このところ、週末は図書館通いが習慣になっている。



Posted by nihongo-tadoku at 20:10 | 多読授業 | この記事のURL | コメント(2) | トラックバック(0)