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JGR多読文庫がアプリになりました! [2013年09月01日(Sun)]
昨年からずーっと懸案だったJGR多読文庫のデジタル化がついに完成しました。

作ってくれたのは、White Rabbit Press。インターネット上で、日本関係の各種グッズや日本語学習教材を販売している会社です。東京にあって、社長はアメリカの方。私たちが書いているレベル別日本語多読ライブラリー「にほんご よむよむ文庫」を大変気に入ってくれて、ネット販売でもかなりの数を海外のユーザーに売ってくれています。
今やユーザーは紙媒体より電子書籍を求めている、と熱く語り、昨年からずっとJGR多読文庫のデジタル化プロジェクトを進めてきました。
結局、eーbookではなく、アプリにしたとのこと。iPad iPhone で読めます。アップルストアで、お求めください!1話350円なり。
今回は、レベル2「かちかち山」「二つのパン」「花咲かじいさん」の3作品。
反応を見つつ、レベル0、レベル1をどんどん出していきたいとのこと。

アプリにする場合、付加機能を付けることが条件だそうで、巻末?にフラッシュカードをつけざるをえなかったとのこと。できれば、楽しく読んで、語彙チェックなどいちいちしてほしくないのですが・・・。

先日、「紙の本は、僕も周りの友達も、持ち歩かない。小説はスマホにダウンロードして読む」と、元facebook、現twitterにお勤めの25歳男性にきっぱりと言われたっけ。世の中、すでにその傾向にあるのでしょうか。そっちの世界には疎い我々ですが、とにかく気軽に日本語の本を手にとってほしいです。形はどうであれ!

http://japanesegradedreaders.com/#.UhWbtc4whMU.facebook

周囲の日本語学習者にぜひお知らせ下さい。(粟野)
第2回多読セミナー参加者の声 [2013年09月01日(Sun)]
遅ればせながら、8月4日のセミナー参加者のアンケート(回収率75%)をまとめました。
参加した方も、参加しなかった方も、ぜひご覧ください。
みなさんの感想・要望は大変参考になります。次回をお楽しみに!

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第2回多読セミナー アンケートまとめ

2.本日のセミナーについて、感想をお書き下さい。

<講演について>
・鈴木徹先生の講演を非常に興味深く拝聴した。体験から得た多読のメリット、指導法の説明がとてもわかりやすかった。
・鈴木先生の多読支援のあり方は一言一言納得できるものだった。
・鈴木先生のお話がとても参考になった。卒業生との会話の中で、相手の話を良く聞き、否定しない、共感していることに気づき、これが本当の支援なのだと感じた。
・タドキストが最良の教師との言葉に納得。
・講演を聴いて、自分の授業で起こる現象が他でもあるのだと少し安心した。
・講演ではもう少し実際の現場での具体的話が聞きたかった。

<ワークショップについて>
・大変良かった。絵のない本を皆でシェアしながら読むことで、多読の一歩が大きな実りとなることが体得できた。
・1人ではなく、一緒にやることの効果を感じた。
・ワークショップで実際の授業の導入例も見ることが出来、参考になった。
・ワークショップが体験でき、参考になった。次回導入する際にやってみようと思った。
・絵を読むことの意味、楽しさがわかった。
・ワークショップでの体験は目から鱗だった。何度も目にしているORTの文字なし絵本だが、見えていなかったものがあったと気付いた。人物の感情が以前より強く感じられ、お話の世界がより鮮やかにイメージできた。
・アイディアを付箋に書いていく方法に感心した。
・絵を読む手伝いなど、導入のポイントを詳しく聞けてよかった。
・ワークショップで導入についてはよくわかったので、次のステップについても知りたい。
・大変楽しかった。日本語多読の実践にも使ってみたい方法だ。
・ワークショップで絵を読む経験を初めてした。この経験をすることで、文字があっても文字より絵を読みたくなることや、登場人物の気持ちが深く読めるということが体験でき、興味深かった。
・ワークショップで英語の先生と一緒になり、話ができたことも楽しかった。
・「絵を読む」を真面目に自分でやってみると、確かにいろいろな発見があることを実感できた。
・絵を読むことで、改めて学習者の気持ちがわかった。

<英語分科会について、その他英語教育関係者の声>
・学校で多読を始めるかどうか迷いがあったが、気持ちが吹っ切れた。ミニライブラリーを常に用意し、生徒に本を読む喜びを伝え、自分自身も英語を楽しみたい。
・授業の進め方が不安だったが、多くの助言を頂くことができ、大変参考になった。
・具体的な例を知り、具体的な体験ができてよかった。まずは自分がダドキストになることから始め、子ども達が絵本、原書を楽しむ場を早く作りたいと思った。
・自分が本当に読書をして感動したことを伝えて、本を読む喜びを教えるようにするという考え方が良いと思う。
・絵を良く見ることの意味を改めて実感できたので、もう一度生徒に伝えられると思う。
・盛りだくさんの内容で今回も楽しかった。出版社の展示も良かった。
・リラックスした雰囲気の中での進行だったので、参加者の本音や悩み、つまづきを聞くことができた。多読を始めたばかりなので、今後の参考にしたい。
・参加者が活発に意見をし、大変有効な情報が交換されるところが素晴らしく、情熱が伝わった。
・学校現場の実践が聞けてよかった。
・Mr.プライドからプライドを取り除く具体例が知れてよかった。
・多彩な話が聞けてとても良かった。
・児童英語の仕事をしている人が多いことに驚いた。
・多読のよさの再確認と自分のレッスンの再認識、restoreを考えるきっかけになった。
・資料にあった、高校生の読んだ本の語数に驚かされた。
・図書室の見学ができてよかった。
・大変示唆に富むものだった。中高一貫部の生徒が先取り教育で授業についていけない状況に陥っているので、こうした生徒を救う道を探せたらと思う。
・多読とはどのようなもので、何を目指しているのかがわかってきた。
・実際に多読を体験する中で、「読む」「見る」ことを通じて多くのことが学べるとわかった。
・大切なのは「指導」ではなく「支援」であると、もっと多くの人に伝えられると良いと感じた。
・最後の意見交換が自分のためになった。もっと時間があればいいと思った。
・「多読教室」をしている方の名前や連絡先などが知りたい。
・今回は本当に来てよかった。
・一歩踏み出します!

<日本語分科会について、その他日本語教育関係者の声>
・テーブルで他の学校の先生方の話が聞けて勉強になった。
・今困っていることに対して、きちんとアドバイスがもらえた。
・多読を実践している人の話がたくさん聞けてよかった。それを通じて自分が悩んでいることの答えにつながるアイディアや、改善点を学ぶことが出来た。
・支援の中で基本的なことへの不安が自由に聞くことが出来たのが大変良かった。
・分科会で具体的な方法をきいて、またやってみようと思った。
・多読についての実践をいろいろ知ることができた。
・同じような悩みを持つ先生方と話ができてとても勉強になった。
・分科会での話し合いがとても有意義だった。
・まさに「学会」とは違う生き生きとした勉強会で、来てよかった。
・クラス規模が40名なので、多読そのものは授業に取り入れることができないことがわかったが、実践報告等、各先生の工夫や苦労は大変勉強になった。
・多読の考え方だけでなく、実際の使い方、工夫、困難点などがわかり、大変勉強になった。
・多読という名前はよく耳にしていたが、具体的な方法を知らなかったので大変参考になった。
・多読について何も知識がない状態で参加したが、とても興味深かった。初級の学生でも読めた!という実感、達成感が持てそうだと感じた。英語での実践も参考になりそうだ。
・英語多読の環境(Graded Readerなど)を日本語教材にも欲しいと切実に思った。
・英語多読の方々とも話ができたことが良かった。
・2年ぶりのセミナーだったが、以前よりも多読を実践している先生が増えたのだと実感した。
・参考になる絵本が購入できるので、本屋を探しまわらなくてもいいのが嬉しい。
・大田桜台高校の、このセミナーへのサポートに感激した。
・図書館の蔵書や見せ方に感心した。
・素晴らしい教育環境の高校を見ることができてよかった。
・学習者と一緒に本を楽しめるように、まずは自分自身がよむよむ文庫とJGR文庫を読破したいと思った。
・全体を通して、非常に得ることが多いセミナーだった。
・全ての時間がとても有意義だった。

以上。


新作4作品完成! [2013年08月19日(Mon)]
JGR多読文庫に新たに4作品が加わりました。

JGRtadoku-bunko.jpg

昨年は、レベル0や1の低いレベルを増やそうというのが作成会の目標でした。
しかし、なかなかそれは容易でなく・・・。ボツや保留になったものが多い中、レベル1『どうして海の水は塩からい?』が、どうしてシリーズの一つとして、中山とおるさんという挿絵家を得て実現しました。

さらにレベル0の西町交番の良さんの生みの親、松田緑理事と岡田亜子さんという挿絵家とのコラボも誕生。レベル0、西町交番の良さん「良さんのクリスマス」。字数はわずか201字。圧倒的に「絵で読ませる」ものになっています。ひらがなが読めたら、ぜひ本を開いてみて下さい。きっと、楽しめるはず!

レベル3には『五兵衛と津波』。これは、小泉八雲が、浜口梧陵が、幕末・安政の大地震の時に和歌山県広村の村人を安全に避難させたという実話からヒントを得て作った話です。浜口梧稜は『稲むらの火』の主人公として有名で、今でも小学校の教科書に載っている人物。津波の後、私財を投じて村に堤防を築き、防災に努めたといいます。

そして、レベル5の『坂本龍馬〜日本を変えた若者〜』。
数年前に愛知大学の中崎先生に原稿を書いていただきながら、なかなか完成しなかったのですが、やっとイラストレーターも見つかり完成へ。日本で大変人気のある、歴上人物の一生がコンパクトにまとまっています。レベル5からは、小学校2年までの教育漢字にはルビを振らないことにしました。フォントもちょっぴり小さくなって、テープの色も大人っぽい紺。
レベル4に飽き足らない人はぜひこのレベル5を読んでみてください。
感想を寄せてくれるとうれしいです。
これで、「よむよむ文庫」を合わせて、レベル別読みものが105作品になりました。
次なる目標は、レベル0とレベル1を15作ほど増やして、全120作品にすること!

ただいま、レベル1の作品、レベル4の歴史物が進行中。
手作りでなく、もっと体裁のいい印刷物に、というプロジェクトも進行中です。お楽しみに!
(粟野)
第2回多読セミナー「多読支援とは?」 [2013年08月15日(Thu)]
8月4日(日)第2回多読セミナーが開かれました。(都立大田桜台高校にて)

今年は、午前10時半開催、午後5時終了という1日の長時間セミナーです。
全体会と別に、日本語と英語に分かれての分科会も設けるなど、昨年より一層中身の濃いプログラムをと、計画しました。
しかしながら、そんな長い時間のセミナーにどのくらい来てくださるか、集客に関してはハラハラしっぱなし・・・。7月中旬でもまだ目標の半分にも届かず、気を揉みましたが、結局、スタッフ含め101名が集まり、ホッと胸をなでおろしました。英語関係者と日本語関係者はほぼ6対4の割合でした。

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まず、理事長から、「学会とはちがう、参加者が情報交換できる場にしたい」との抱負が語られ、会がスタートしました。

「多読支援とは?」のスピーチは、都立大田桜台高校の鈴木徹教諭。NPO多言語多読の新理事でもあります。

大田桜台高校は、多読授業を採り入れて5年目。高1、高2は週4時間の多読授業で文法授業無し。図書館には、英語多読の本がずらりと並び、非常に恵まれた環境で理想的な多読授業を行っている学校です。(多くの方がこの日、図書館見学をされ、歓声をあげていらっしゃいました)

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鈴木さんによれば、「多読支援」にはマニュアルはない。手探りで、個人個人に対してアドバイスをして支えていくもの。ただし、原理原則は外してはいけない。それは、教師側が「教えない。おしつけない。テストしない」
これを踏まえてアドバイスしていく。ゴールは、「支援がいらなくなること」

いい支援をするために、支援者は、生徒のロールモデルになること。自分もたくさん読んでガイドができるようにならなければならない。また、生徒との信頼関係を築くこと。
などなど、具体例を織り込みながら話されました。

次に、企業での多読支援、児童英語教室、日本語多読の紹介があり、午後のワークショップへ。

英語tadokuクラブの大熊さん、青江さんによるワークショップ「多読はここから
〜絵を読もう〜」
字のない絵本を読む練習をしました。
字面を読んで、「知らない単語がないからわかった」ことがイコール「読めた」ことでしょうか。多読では、それを読めたとはみなしません。本の世界にちゃんと入っていくことが「読めた」ことです。(逆に知らない単語があってわからないところがあっても、その世界が楽しめたら、「読めた」ということです。)
会場からは、まるで子供に還ったように「ハイ」「ハイ」と手が挙がり、絵についての発見をみな口々に発表していました。

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3時からは分科会。
英語関係者と日本語関係者に分かれての多読談義?

英語は、受験に関して多読がどんな効果を上げたかを鈴木徹教諭が述べ、その後、事前に提出してあった参加者からの質問に、会場の参加者が答えるという形式で会が進みました。
「多読をはじめる前のオリエンテーションはどうするか」
「文法を学ばなければいけないと思っている生徒をどう巻き込むか」
「読書記録をつけない子への対処」
「読書嫌いの子への多読支援」
などについて質疑応答がありました。

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日本語は、海外の大学、国内の日本語学校の先生3人にまず多読授業実践報告をしていただきました。その後、海外大学、国内大学、ボランティア、日本語学校、小・中・高校別に分かれ、多読についての報告、質問等について話し合いました。

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終了後のアンケート回収率は75パーセント。
多くの方に感想をいただくことができました。
後半の時間が足りなかったというご指摘が何点かありました。次回は、参加者のみなさんにたっぷり話していただく時間をとりたいと思います。

数年前とは、多読も実施校が増え、輪が広がったと実感したセミナーでした。今後、みなさんの輪をつなげ、広げる役割に徹していきたいと思います。

JGR多読文庫はおかげさまで、昨年を大幅に上回る113冊をお買い上げいただきました。
また、印刷資金カンパは26,650円集まりました。
ありがとうございました!!
(粟野)


仙台発のやさしい日本語の読みもの! [2013年07月28日(Sun)]
「にほんごでよむ仙台・宮城」という読みものシリーズが発売されました!

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作成したのは、仙台国際日本語学校の先生方。
初級、初中級、中級の3レベルにレベル分けされ、やさしい日本語で仙台・宮城の魅力を伝えようと作られた読みものです。内容は、「牛タン」「七夕祭り」「松島」「仙台」「伊達政宗」。
表紙の写真がきれいで、思わず手にとりたくなる! 5冊セット、送料込みで1200円。
詳しくはこちらをご覧ください。→http://sisj.blog91.fc2.com/

実は、去る2月24日の「多読のためのリライト講座」に参加された仙台国際日本語学校のE先生から、この企画案を見せていただいていました。それが、わずか4か月後にこんなに立派な本になるとは!すばらしい!!
さらに言えば、「七夕祭り」のイラストを描いたのは、その講座に参加された別の日本語学校のH先生。その日の課題「アリとキリギリス」のイラストをさらさらとお描きになったH先生をE先生がスカウトして実現したものです。言わば、私たちの「リライト講座」がとりもった縁。うれしいですね。
また、後から聞いたのですが、この企画は、我らが「よむよむ文庫」の「ジョンさんの夏休み」がきっかけで生まれたとか。これは、ジョンさんが仙台にホームステイして、七夕祭りを経験するというストーリーなのですが、この話にピンとひらめいて、このシリーズのアイデアが浮かんだそうです。

同じく読みものを作成している私たちも大いに刺激を受けました。
ああ、迷っているばかりでなく、さっとこんなふうに作っていけたらいいのに!

仙台国際日本語学校の先生方、ありがとうございました。
次の発刊も楽しみにしています。

また、各地でこういう読みものができていけば、多読用読みものも充実していくのに、と思いました。ぜひ、みなさん、作って下さい!
(粟野)
奉仕「日本語多読」チームが日本語学校の学生と交流! [2013年07月20日(Sat)]
7月18日(木)

今日は、都立大田桜台高校の奉仕「日本語多読」クラスと日本語学校の学生との交流会が行われました。

大田桜台のこのクラスの学生は、この1年を通じて、日本語学習者のための多読教材作りをします。
大田桜台高校は、英語多読を導入していて、やさしい英語の本には日頃たくさん接しています。その経験を生かし、今度は逆に日本語多読の本を作ってみようという企画です。
学習者の身になって、やさしい言葉でわかりやすく、そして面白いものを作るのが課題ですが、やさしい日本語の感覚をつかむのが、高校生には難しいところです。
「自分が英語で会話するとき、どんな言葉を使う?」
「一文に情報が多く詰め込まれた長い文は、難しいでしょう? 短く切って!」
とさまざまな言い方をして、わかってもらおうとするのですが・・・。

3回目の今日は、実際に日本語を習いたての外国人のみなさんと話をしてみよう、通じなければ通じるように言い換えてコミュニケーションを楽しもうということで、古巣のJET日本語学校の学生さんに来てもらいました。
4月から日本語を勉強し始めて、わずか3か月という初級の学生さんです。
高校生もいつになく緊張してインタビューに臨みました。
しかし、ところが・・・すばらしくコミュニケーション能力が高い学生ばかりで、高校生にとってそれほど苦労しなくても話が通じてしまったかも。

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しかし、後で、「やさしい言葉で話す難しさを感じました」という感想も聞かれたので、それなりに得るところがあったかな・・・というところです。

この経験を生かして、いっそう身を入れた本作りが進むといいなと思っています。
(粟野)
岡山大学の多読授業見学! [2013年07月11日(Thu)]
2013年7月2日(火)

岡山大学で4月から「多読で学ぶ日本語」の授業が始まったと聞き、授業見学に行ってきました。
そもそもこのニュースには、我々スタッフはかなり感動ものでした。なぜなら、まだ多読授業をやっている大学その他教育機関は少なく、私たちが活動を始めた10年前は「多読ってなに?」という状態でしたし、「多読」そのものの意味の捉え方が全然違いました。それが、2年前に福岡教育大学、そして今年、岡山大学。さらに、このところアメリカでも多読クラス立ち上げの気配があるのです。私たちの勧めてきた多読も少しは認められてきたのかなあ、これから私たちの進むべき道は?、課題は?・・・と色々な思いを抱え、見学に臨みました。

さて、岡山大学の多読クラスの履修学生は30人ほど。初中級から上級までの短期留学生や大学院生です。国籍もまちまち。非漢字圏の学生さんのほうが多いようでした。
かなり広い教室に「島」を6つほど作り、銘々好きな本を手にとり、席について読む、というスタイル。

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「よむよむ文庫」や「JGR多読文庫」からスタートした学生も、授業を見学したころには児童書や漫画エッセイや漫画へと進んでいました。
その多読向けの図書の用意が初めての多読授業とは思えないぐらいの充実ぶり!大きな台車に本がぎっしりのボックスが5つほど。漫画や児童書、漫画エッセイ、ジブリのアニメ本などがきれいに並んでいました。担当のK先生のポケットマネーで揃えられた本も多く、それにも感動でした。

授業の初めに時間をいただき、私たちの作っているreadersについて、これからどんなものを読みたいか聞いてみました。
「外国人が日本に来て初めて知るような情報が載っている本」というリクエストは2人から。
例えば、「日本の100円ショップ」や「交差点の仕組み」(どうも中国と違うようです)「あまり知られていない日本の習慣」他には「歴史」という声も。
自分の国との違いの発見は、若い彼らには新鮮な驚きのようです。また、まだまだこの国には知らないことがいっぱいありそう、それを知りたい!という欲求が強いのでしょう。

先生から新しく導入された本の紹介のあと、ちょっとざわついた教室もすぐにしーんと静かになり、読書に没頭。
「ネコが好きすぎる」と、漫画「チーズスイートホーム」に夢中の女子学生さんをはじめ、漫画組は持参の漫画を満喫の様子。JGR多読文庫の「落語」や「よだかの星」「野口英世」を手にとる学生も。
その他、学研の「なぜ?どうして?」シリーズやおなじみ「日本人の知らない日本語」など。「神様のカルテ」を読んで泣きそうだという上級の学生も。
なかなか辞書から離れられない学生はわずかで、ほとんどがみんな本を片手にぐいぐい読み進めていました。すごい!
この授業が終わっても、きっと本を読む習慣は続いていくだろうなあと思わせられました。

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4月から読んできた本の記録、途中で発表した、本についてのA3のポスター発表、毎週の学生の感想、コメント、途中で行われたアンケートなどK先生が快く見せて下さいました。
学生の心の動きがわかってこれが面白い! 4月当初のコメントを見ると、それまで本を読んだ経験がなかったせいか、みんなかなり興奮している様子が伝わってきました。
一方、アンケートにあった多読のルールについて。辞書を使わない、わからない言葉を飛ばすというルールについては、否定派と肯定派に真っ二つに分かれていました。実際には辞書を使ってない様子なんですが。
このルールの意味がだんだんわかっていってほしいと願っていますが、コース終了まであと1か月、さて、最終的にはどこまで納得してくれるでしょうか。

さて、蛇足ですが、なんと、このクラスには昨年私たちが執筆監修した『日本語教師のための多読授業入門』の実践報告に登場する元精読派のTさんがいたのです。
私たちの研究会のセミナーで多読を知った高橋亘先生が、ベオグラード大学で多読を実践、それに参加して多読の良さを実感したTさんが、岡山大学に留学し、迷わず多読クラスを選択した、というこの巡り合わせ!!
私たちの活動も、細ーい糸で何とか少しずついろいろなつながりを作っているんだなあと思わされる出来事でした。Tさん、すっかり多読にめざめたようで、いい調子で科学的読みものを手にとっていました。

半期で終了だそうですが、また来年も開講されるよう祈っています。
見学を快く了承して下さったK先生、ありがとうございました。
Posted by nihongo-tadoku at 22:21 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
第10回「多読のためのリライト講座」 [2013年06月22日(Sat)]
第10回「多読のためのリライト講座」

 6月16日  10:30〜16:30

  ここ2週間ほど、「から梅雨」だったのに、何と今朝から雨模様。にもかかわらず12人のもの方が参加してくださいました。
 今回は、ハワイやカリフォルニアで日本語教育に携わっている方や、横浜市で日本語講師をなさっている方などが、時間をやりくりして参加していただいたケースが多かったようです。嬉しい反面、なんとしても意義ある講座にしなければ申し訳ない、と緊張しました。
 参加した方で、英語であれ日本語であれ「多読」という学習法を知っているという方が、ほとんどでした。最近、NPO多言語多読の何らかのセミナー参加者の中で、「もう多読を知っている率」が高くなっているのを感じます。

 多読についての話と、授業の実際をDVDを使ってお見せした後、英語多読の体験に入りました。ORTの文のないシリーズから1冊ずつ読んで(?)いただき、だんだんに文の多くなるレベルのものを体験していただきました。朗読CDを聴きながら読む方法も試していただいたのですが、読み手のスピードが速すぎたり、聞き取りにくかったりすると感じる方もいて、多読学習には聞き読みが必須というわけでもない、という少し深い話もしてしまいました。

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  英語のレベル別読み物も、棚から何冊かとって体験していただきました。ORTと比べて、字の小ささ、1ページあたりの文の多さに恐怖を感じた様子の方もいましたが、スターターレベルのものを読んでみて「あ、読める」と言って安心した表情になられたのが印象的でした。語彙と文型がコントロールされているというのは、つまり、そういうことなのです。
 一方、よむよむ文庫や、多読文庫と比較して、英語のレベル別読みものの字の小ささと文の密集度を、不思議に思われた方もいました。それに対して、受講生の中から、「英語の読みものは、学習者の、ある程度の学習歴を見込んで作られているのではないか」「日本語に比べて、表記がシンプルなので読めるのではないか」などの意見が出ました。

昼食休憩のあと
午後1時半から、いよいよリライト作業の体験です。
  4人ずつ3つのグループに分かれて、イソップの「北風と太陽」を、多読用読みものの0レベルにしていただきます。作業に取りかかる前に、まず「北風と太陽」って、どんな話だったっけ?という「思い出す時間」を設けました。ああ、皆さん知っていらっしゃって、一安心。記憶の中のストーリーも、皆さんほとんど一緒でした。
  タイトルは、「北風」は難しいから「風」にしよう、というグループと、「北風と太陽」というたとえ話を日本人との会話に取り入れる時のために、「北風」という語を使おう、というグループに分かれました。
 行き詰まると、各グループとも、絵に吹き出しを入れてセリフとして言わせよう、というアイデアが出てきたり、北風が吹く強さを増すところは、だんだん字を大きくするのはどうか? などと、みなさん、短い時間の講義と多読体験をしただけとは思えない柔軟な発想をなさっています。3グループとも、1時間で、絵まで入って見事完成。グループごとに発表しました。
 よむよむ文庫の「風と太陽」を見ていただきました。絵に語らせて、「吹く」「〜ほうが」などの使用語彙表からは逸脱した語も使っていることを、知っていただきました。

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  次に、芥川の「蜘蛛の糸」をレベル3でリライトしていただくことに・・・。イソップのときと同じメンバーのグループで取り組んでいただいたので、案を出す方、まとめ役、その間に絵を描く方など、緩い役割分担まで出来ています。手こずるだろうと思っていた冒頭の部分は、案に相違して、皆さん、かなりスムーズにリライトしていました。「ここは絵の力で・・・」などと、私たちの読みもの作成会でも飛び交う言葉が、聞こえてきます。
  カンダタが蜘蛛を踏み殺すのをためらうシーンを、交通標識のように×を付けた絵にしているグループがあって、面白かったです。ちょっと、絵に語らせすぎ?
  また、いくつかの語を抜き出して、絵で「注」を付ける工夫をしたグループもありました。
  1時間半で、第1章の、お釈迦様が蜘蛛の糸を垂らす辺りまで進みました。各グループで発表し合った後、よむよむ文庫の「蜘蛛の糸」を見ていただき、最初に極楽と地獄、そしてお釈迦様について、説明を入れていることを紹介しました。

最後に、質問と感想の時間です。
質問
・多読授業を取り入れた場合、評価や採点をどうしたらいいか?
・多読授業は、何分くらいが望ましいか?
・自分自身、英語の本を読む場合、どうしても辞書を引きたくなってしまう。日本語学習者の 辞書引きは、どうしても禁止しなければならないか?
 (ここまでは、授業に関しての質問ですね)
・イソップ寓話など、教訓の部分まで出さないと、原書と意図が違ってしまうのではないか?・芥川など、筋を追うだけでなく、その作品の味を生かした読みものにすべきなのではないか?
・手作り本を1冊作るのに、どのくらいの時間がかかるのか?
   (こちらは、リライトに関しての質問ですね)

感想
 何人かの方から、「多読の本を、既に使っていたが、このようにして作られていたのだと、今日初めてわかった。自身で作ってみて、大変な作業だと実感した」という声がありました。
  また、カリフォルニアの大学で日本語を教えている方から、「同じ物語を、レベルの低いものから高いものまで何段階か作ってみるのはどうか?」 というアイデアも出されました。
 
  参加された方全員が満足されたかどうかはわかりませんが、多読文庫を買って帰られた方も多く、「多読」を 取り入れた日本語授業や、教材製作の手がかりを得て下さったように思いました。
                                    松田 記
高校生の「日本語多読」ボランティア活動 [2013年06月20日(Thu)]
2013年6月13日(木)
都立大田桜台高校にお邪魔しました。
今年で4年目になる「日本語多読・奉仕」の指導です。
大田桜台高校は英語多読に力を入れている学校です。日頃読んでいる英語の本と同じコンセプトの日本語多読本を、日本語学習者のために作り、日本語多読活動に奉仕するというのが「奉仕」授業の目的です。今回の訪問では「リライト指導」に加え、私たちの手作り本の制作のお手伝いもお願いしました。

語彙リストと文型表の説明をしてから、「浦島太郎」をやさしく書き換える課題を出すと、さっさと班にまとまってスタートしたはいいのですが、どうしてもひとつひとつを「翻訳」する班が出てきます。

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「かめをいじめるの『いじめる』は語彙リストにないでしょう?」
「あ、じゃあ、ぶつ?!」
「ぶつだって〜きゃー(笑い止まらず)」
お箸が転がってもおかしいお年頃です。
さすがに原文の「おらの勝手だろ」は難しい語彙だと判断して省いていますが、
「涙をこぼしながら」はノーチェック。何人かが「泣きながら」に直していましたが。
そんなこんなで、できあがったリライト文がちっともやさしくなっていないグループも。
英語の時間、しゃべる内容を言わせると、まさに「やさしい英語」。そう、それを日本語に応用して・・・。
高校生には「やさしい日本語」の感覚をつかむのがなかなか難しいようです。ま、徐々にね・・・。

2時間目は、JGR多読文庫の印刷した紙を折って、ホチキスで留めてもらいました。
さすがに30人ともなるとあっというまに各班20部ずつ仕上げてくれました。

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7月には、留学生との交流も予定しています。
高校生諸君が徐々に、日本語を客観的に見られるようになり、高校生の自由な発想で、学習者のために楽しい本を制作してくれることを祈っています。
(粟野)


トルコで講演&ワークショップ [2013年06月20日(Thu)]
2013年6月17日(月)

第12回トルコ日本語教師大会に呼んでいただき、トルコのほぼ中央にあるカイセリのエルジェス大学にやってきました。
世界遺産カッパドキアに近い商業の町で、住民のうち日本人はエルジェス大学の2人の先生だけだそうです。
ホテルも町の店の人も、英語が全然通じません。人も車も多いけれど、どこかのんびりしたアジア的雰囲気が漂っています。

さて、夏休みの広くて静かなキャンパスに到着すると、ポスターがささやかにお出迎え・・・。

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副学長にご挨拶して、いよいよ、10時開会式開始。
10時半〜11時半 基調講演「多読ー多読の考え方、効果、実践方法ー」
参加者は16人と寂しかったのですが、トルコ人の先生方がとても熱心に聞いてくださいました。

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「アンカラの日本語教室では『よむよむ文庫』はよく読まれています」
「自分が学習者だった頃にこんな本があればよかったのに・・・」
「多読って全然知らなかった。やってみたい」
「実は、昨年、半年やってみたけれど、このまま続けていく自信がない。どうしたらいいのか・・・」
「電子ファイルにする予定はないのか」等々。

聞けば、トルコの大学生は、会話は上手だけれど、読み書きにはあまり熱心ではないとか。早い時期に、多読のやさしい本を読むことで、読むことへの敷居が低くなればいいなあと思いました。

午後からは、発表が6本。
トルコ人の先生方の発表は、みなさん日本語がものすごく聞きやすい。トルコ語は日本語と語順が同じで習得しやすいとは聞いていましたが・・・。

2013年6月18日(火)
今日は、午前中に3本発表があり、午後から、多読のワークショップ。
ワークショップは、アシスタントの1,2年生の学生さんにも加わってもらい、日本語が超達者な先生方も前列に並んでいただき、絵本やその他の本を紹介後、レベル0から開始。途中、聞き読みもしてもらいました。日本人の先生方には英語の字のない絵本から。

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さて、感想は・・・。
トルコ人教師
「納豆は、日本人でも嫌いな人がいますか」
「ごはんが左で味噌汁が右って、常識ですか?知らなかった・・・」
「レベル2と3のギャップが大きいと感じた」
「漢字もこういう本を使いながら教えた方がいいと思った」等々。
日本人教師
「字のない絵本を『読む』のがとても難しいと感じた」

これをきっかけに多読に何らかの可能性を感じて取り入れていただけたらうれしいです。
その後、学科長から立派な盾をいただいてしまいました。

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今回、こちらの先生方とお話しして、トルコの日本語教育事情についてもずいぶん勉強させてもらいました。
日本語の本はおろか教科書も手に入れるのが大変だということ、その上、インターネット環境も十分ではなく、日本人と会話するチャンスも全くないとのこと。ここの学生は、試験料の高い日本語能力試験とは無縁のようです。「多読の本もPDFファイルで売ってくれたらうれしい」とも言われました。つまり、送料がばかにならないということ。
ある先生には、「電子化したほうが絶対、個人ユーザーにとってはいい」と言われました。
私たちもまだまだ考えていかなければならないことがありそうです。
(粟野)
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