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2009年02月02日

コラム「さざなみ」1月5日☆日造協☆



牛くらい有益でありがたい家畜はない。
田畑を耕し、ミルクを出し、肉まで食べさせてくれる。
それどころか、皮の衣まで与えてくれる。


牛は古代の中国では
祭祀のときに供えられる最も重要な犠牲とされた。
闘牛もあるが、忍耐強く温和な性質をもつ。
馬は戦いの象徴、牛は平和の象徴であった

牛車もあった。
昔、高貴な人をのせ牛に引かせた屋形ぐるまで
枕草子や源氏物語に出てくる。
月夜に水たまりの路を牛車がゆく。
車輪がはねた水滴が月のひかりに光るなどと書いてあった。


牛にまつわる言葉は少なくない。
「牛耳る」―組織の中心となって思い通りに支配すること。
「牛の歩み」―ものごとの進み方がのろのろしていること。
国会の「牛歩戦術」が浮かぶ。
お正月でも「牛飲馬食」は慎もう。
本好きな人には「汗牛充棟」がある。
牛に引かせれば汗をかくほどに、
  家に積めば屋根の棟に届くほどに本の数が多い

幸いを皆で公平に分けて、
  遅々とした歩みでも希望に向って進む一年でありたい。




 長き夜をひとり爐により
 唐びとの詩讀みをれば
 こころ足り時ぞ過ぎゆく
 愁なき人にかも似る

    「長き夜を」佐藤春夫詩集より


写真はイメージです。
 コラムをお楽しみいただく 参考になれば 幸いです。


      ☆日造協☆
posted by 日造協 at 15:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム「さざなみ」
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