病院船はどんな船? [2011年04月05日(Tue)]
病院船て?何?
と質問をよく受けますお答えします。 病院が船になったものです。 では、規模は? 2006年に書いたもをまとめてみました。 手術室・救急処置室・ICU(集中治療室)・HCU(高度治療室)・一般病室・一般診察室・スタッフステーションが必要です。さらに、普通の病院と同じ様に、検査部・機材部・薬剤部・給食部・リネン部も必要です。MRI・CTなどの大型の検査機器と、一般に健診センターにある設備とスペースが必要です。大型の本格的、滅菌機も必要でしょうし、大型の洗濯機と乾燥機も必要です。災害地で活動する医療チームと病院船の中の、医療スタッフの生活の場として居住スペースが必要です。さらに、食料製造機能として、製パン工場・豆腐製造ラインを設けます。 手術室 6室です、大学病院の手術室の大きさを持ち、医療機器やスタッフ数が増えても十分に手術が行えるスペースとします。 救急処置室、4室。 さらに、手術室は、被爆災害対応&クリーンルームを造ります。 透析機能 災害発生時は、緊急に処置の必要用な重傷者は、地上の耐震・免震化した病院に担当していただきます。(日本では、国内の病院の耐震化の事業をおこなっています)200人が同時に透析できる機能を用意します。船だから陸上のライフラインに影響されないで活動できます。 給食調理室 医療スッタフも含め1000人分の給食を作るにはかなりの規模の調理室が必要です。 パン製造設備 を船艙に設けます。日本人のほとんどはパン食に違和感はありません、船内のみではなく、陸上の避難所に焼きたてパンを配給できればかなりの貢献活動になります。パンであれば、小麦粉とイースト・冷凍鶏卵・冷凍牛乳だけで製造できます。(乾パンの備蓄も重要ですが焼きたてパンは美味しいです) 豆腐製造設備 を設けます。日本人は、やはり豆腐でしょう、貴重な植物性タンパク質です。 食材庫を設けます。用途によって冷蔵・冷凍設備を持ちます。 ただ、食品だけなので(輸送艦と違って、ホーバクラフトや車輌を搭載しないので船全体の重量は増えません) 検査部 人間ドックに必要なエックス線撮影装置・血液分析装置を用意。精密検査用にMRI診断装置・PET診断装置・CTを設置します。検査機器は 大量の電力を消費します(MRIは一台で10kw)使用電力は前項で書きましたが太陽電池とNAS電池で供給します。内視鏡検査室など通常の病院にある設備と同じ機能を設けます。 病院船の寸法・諸元 長さ:240m 国内の港湾施設(特に重要になる離島港)を考慮すると、150m級が適当かと思いますが、 アメリカの病院船コンフォートの全長:272.5 m総トン数:70,470トンも、と比べるとちょっと短いです。船の長さを200m超にしているのは、それなりの理由があります。縦揺れを少なくするためです。喫水(水中部分の深さ)を浅くするため、高さを抑えて、必要面積を求めると縦横に伸ばすしかないですね。 喫水:6.5m 船の水中部分の深さが喫水です。喫水は重要です。余り深いと岸壁の水深により、入港できない港が、あります。喫水7m以下であれば、ある程度の港に入港できるのでは。 高さ:16.0m 陸上の建物の言うとこの高さです。この深さだと、内部に5層(5階建て)分が取れそうです。海面から出ている分を、外から見ると大体3階建てビルくらいの高さでしょう。 速力:30ノット以上 海外への緊急災害派遣のためには、ある程度の速力が必要です。高速フェリーなみの速力は必要です。ただし、30ノット以上は、自動車の最高速度と同じで、いつもこの速度で走り続けると言う事ではありません。 出力:52,000馬力 むずかし計算は、していません。数多くの船の仕様を比較して決めました。この大きさ(長さ:240m トン数:18,000トン)を30ノット以上で動かそうとすると、100万馬力は欲しいですが、太平洋酔う戦争時の戦艦大和は100万馬力です。建造コスト(建造費)を考えて下げました。推進方式を二重反転プロペラ型ポッド推進器にすることで、どうにか30ノットは出そう数字です。 ヘリポート 災害救助活動での必需品が、ヘリコプターです。 後部甲板に、テンダムローター(2ローター)ヘリコプターが2機、同時に離発着のできる広さのヘリポートを設けます。 (1機が故障して動けなくとも、1機分のスペースは使えます) |