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«病院船を創ろう! | Main | 中国病院船初の太平洋で応急の医療訓練»

 

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災害時緊急医療体制としての病院船の必要性 [2011年09月23日(Fri)]
1.3.3 災害時緊急医療体制としての病院船・外傷センター等の必要性
(1)我が国における病院船等の整備の状況
平成7年(1995)1月17 日の阪神・淡路大震災では道路・鉄道などが寸断され、陸路からの救援活動が困難を極めた。一方、海路からの救援活動では船舶が物資、人員の輸送、宿泊施設として多くの貢献をした。
しかしながら、我が国においては船舶による災害医療が普及しておらず、またその体制も充分に整備されていなかったために、船舶による医療活動は殆ど行われなかった。このときの反省から、災害時における緊急医療の在り方をめぐり、災害救助船の必要性に対する議論が行われるようになった。
(@) 病院船とは
病院船とは、病院機能が中心の船のことである。多くの患者を収容でき、高度な医療が行える。例えば、米国のマーシークラス病院船は、106,618 トンのタンカーから69,360 トンの病院船に改造されたもので、全長273m、幅32mの艦船である。病床数39は1,000 床(うちICU80 床)、手術室(12 室)にヘリ甲板や傷病者選別を行うトリアージセンターを備えている。
(A) 準病院船とは
病院船が病院機能中心の艦船であるのに対し、準病院船は、他の目的の艦船に病院機能を付加したものである。医療設備の程度は、その船舶の規模、使用目的により様々である。
我が国における船舶による緊急医療体制の現状をみると、海上自衛隊には、病室のほかに診察室,手術室、X線検査室などを有する拡大医務室併設船として、練習船“かしま”、砕氷艦“しらせ”、補給艦“とわだ”、輸送艦“おおすみ”、補給艦“ましゅう”がある。阪神・淡路大震災のとき、自衛隊の派遣した艦船は延べにして約680 隻であった。それらの艦船は、救援物資の輸送、給水・給食支援、入浴施設開設、陸上自衛隊員などの宿泊施設として利用されたが、海上での医療活動は行われなかった。
輸送艦おおすみは、排水量8,900 トンで全長178m、幅25.8mの輸送艦で、医療設備ではICU1床、一般病室8床、手術室1 室を有するほか、人員輸送スペースを軽傷用病室として拡張することが可能である。輸送手段では、ホバークラフト型の輸送用エアクッション艇2隻を有し、広い後部甲板には、大型ヘリの発着が可能である。
(2)海外での船舶による緊急医療体制の現状
海外の状況を鑑みるに、米国は数多くの病院船を持っている。代表的なマーシークラス病院船は1,000 ベッドを持ち、紛争各地で活躍しており、湾岸戦争でも目覚しい活躍をしている。米国は、収容施設とヘリコプター運用能力を兼ね備え、更には手術室まで備えた「浮かぶ病院」とも言える大型空母も多数持っている。専用病院船はロシア、中国にもあり、多くの国では、各種艦艇に病院機能を持たせた準病院船を用いた、災害救助体制を整備している。
日本の地震や火山などの自然条件や艦船の規模などを考えると、イタリア海軍の在り方が参考になる。イタリアの災害救助船は、大災害時には一般の医療設備に加え、救急センター、産婦人科・小児科センターなどが開設でき、更に災害の種類により乗艦する医療スタッフが決められているとされている。また災害の種類別に3 種類の災害救助物資を集積しておき、直ちにコンテナ輸送できるような体制をとっていることも迅速な活動を行う上で有効である。
(3)我が国における病院船建造の必要性
四方を海に囲まれ地震や火山の噴火などの災害に定期的に見舞われている我が国が、このような災害時に役立つ病院船を一隻も持っていないということは不思議なことである。我が国では海岸線から13km 以内に総人口の約50%が住んでいるのである。
大地震発生時には、陸上の交通網、通信連絡網、医療施設などの破壊が予想され、この際最も頼りになるのは病院船ではなかろうか。病院船には衣料品や食料を貯蔵し、救助部隊が高速艇や消防艇で発進し、河川を遡上し沿岸での消火活動、被災者の救助、収容、治療に当たらせる。船内には情報センターやプレスセンターを設置し、甲板には移送用ヘリコプターの基地を造り、災害が発生した緊急時には医療スタッフや患者、被災者、各種の資材などをヘリで移送させる。
病院船は通常は政府専用埠頭に待機させ、平時には定期的に過疎地域や島しょに回航し、住民の検診や治療を行う。また、必要に応じ海外難民の一時収容、あるいは海外災害地域へ派遣し、国際平和に貢献するための活動も行う。病院船の緊急時及び平時の運用システムについては政府内で十分検討し、災害が発生した際に速やかに対応できる、効率の良いシステムを考えることが必須である。このような機能を持った船は、我が国では海上自衛隊の補給艦“とわだ”3隻、輸送艦“おおすみ”、補給艦“ましゅう”があるが、それらのみでは不
十分であり、災害時における固有の病院船の建造が必要である。
[参考文献]
塩崎隆博他「災害時の洋上からの患者後送について」日本集団災害医療研究会誌
1998;3:131-6
平成17年6月23日 日本学術会議 大都市をめぐる課題特別委員会報告 大都市の未来のためにhttp://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-t1030-22.pdf#page=47
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