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2024年04月30日(Tue)
難しさ増すミャンマー和平構築
(産経新聞「正論」2024年4月26日付朝刊掲載)
日本財団会長 笹川 陽平

seiron.png1948年、英国から独立して以来70年以上、少数民族武装組織と国軍の内戦が続くミャンマーは2021年2月の国軍によるクーデター以降、民主化を求める市民武装組織も戦闘に加わり、混迷の様相を一段と深めている。



2024年04月04日(Thu)
能登半島地震の厳しい現実 被災地で加速する「人口流出」
(リベラルタイム 2024年5月号掲載)
日本財団理事長 尾形武寿

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東日本大震災(二〇一一年)から十三年目となる三月十一日を前に九、十の両日、能登半島地震の被災地を訪れた。地震発生からほぼ七十日、最も被害が大きい半島最北端の珠洲市では倒壊家屋の撤去が進まず、仮設住宅の建設も五十戸に留まる。深刻な断水も十日にようやく百十世帯で上下水道が再開されたが、全域の断水解消は五月になるといわれ、復興が遅れる中、市民が金沢市などに転出する動きも増えている。

 珠洲市の人口は一九五〇年代に三万八千人を数えた。以後、減少に転じ、二〇二二年時点で約一万三千人、四〇年には七千二百人にまで減ると推計されている。六十五歳以上の人口が占める高齢化率は二〇年時点で五〇・三%、全国平均の二九%を大きく上回っている。


2024年04月01日(Mon)
今こそ活力ある政治を取り戻せ
(産経新聞「正論」2024年3月29日付朝刊掲載)
日本財団会長 笹川 陽平

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自民党派閥のパーティー収入不記載事件で国会をはじめ政治全体が混乱の極みにある。事件では国会議員が国会で定めた政治資金規正法を自ら破った。「何をか言わんや」である。

過去のロッキード事件やリクルート事件を見るまでもなく、「政治とカネ」はこれまで繰り返し問題となってきた。国内外に重要な課題が山積し、国際社会が激しく揺れ動く中、カネの問題で政治が停滞する現状は看過できない。あえて私見を述べさせていただく。