2022年05月20日(Fri)
食の確保こそ安全保障の要諦だ
(産経新聞「正論」2022年 5月19日付朝刊掲載)
日本財団会長 笹川 陽平 パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナウイルス感染、唐突なロシアのウクライナ侵攻など想定外の事態を前に、国の安全保障に関する議論がこれまでになく高まっている。 国防、コロナ禍で低迷する経済の再生、健康、温暖化に伴い常態化しつつある巨大災害への備えなど、どれも喫緊の課題であり異存はない。ただし、筆者は「食」の安定的な確保こそ国の要であり、最優先で議論されるべきテーマと考える。食料問題は時に国際紛争の原因になり、不足すれば国は安定しないからだ。 |